脂とタンパク質と白米の幸せ
脂がたっぷりと乗った魚や、とんかつなどの肉と脂がたっぷりと使われている料理や、肉じゃがやもつ煮などもともとの肉の脂を楽しめる味が濃い目のを口に放り込んでから、白米をかきこむ。
口の中にじわっと広がっていく脂と、魚や肉の動物性タンパク質の旨味が白米の粒に絡むと、なんとも言えない幸せな気分になる。
肉じゃがやもつ煮といった、濃いめの味の料理だと、そこに適度な砂糖の甘味と醤油や味噌の塩気、旨味が混じり合って、どんどんとご飯が進んでしまう。
同じ白米を食べるのでも、比較的さっぱりした味付けのものを食べるときには、あまりこうした幸福感は感じない。
なんだろうな?とちょっと不思議に思って考えてみたら、脂とタンパク質と炭水化物って、三大栄養素じゃないかって気がついた。
人間が生きて活動するために必要となるエネルギーを生み出すのが、タンパク質、脂質、炭水化物の3つからなる三大栄養素だ。
油で炒めた肉を白米で食べる、脂が滴り落ちる焼き魚を白米で食べる、もうこれなんか三大栄養素を丸ごと頂いていることにほかならない。
もともと、人類の歴史をみると、食料が足りずに飢餓状態にあった時期のほうが長かったという。常に食料を手に入れることを考えながら何十万年も生活していた人類が、農耕で安定的に炭水化物を手に入れられるようになったのはたった1万年ほど前の話だ。
農耕や牧畜が始まるまでは、とにかく食料がある時にお腹いっぱいに食べて飢餓に備える、という食生活を送っていたのだから、三大栄養素が一度に取れる食事なんて言うのはとてつもないごちそうだったに違いない。
だから、脂とタンパク質を同時に白米でかきこむ食事には、人はこんなにも幸福感を感じてしまうのだろう。
農耕が始まってから文明は驚くほど進化しているけれども、人体の中身の部分は文明の進化程は変わっていないそうだ。だから、ほとんどの人が飢餓の心配をしなくてもいい状況にある現代の先進国に生きる人でも、脳が意識していないと、目の前に美味しいものがあるとお腹いっぱいになるまで食べてしまうらしい。
でも、アラフィフにもなると、やっぱり食欲の限り食べ続けているとあとからお腹がもたれて辛く感じることが多くなった。若い頃には、少し食べすぎても、体内の消化器官が元気だったのだろう、2日もすれば完全に身体から食べすぎたものが消えて何もなかったかのように過ごせた。
でも、今はちょっと食べすぎると何日も胃もたれが続くことがある。
食べ過ぎで体重が増えても、ちょっとした調整ですぐにもとに戻せたけど、今はなかなか一度増えた体重を落とすことも難しい。
それよりも、やはり三大栄養素のとりすぎは糖尿病や高血圧などの心配も出てくる。脳は食べたいと思っても、どこかで身体に必要な量を考えながらセーブしていかないと、体調にも響いてくる。
たまに羽目を外すのはいいけれども、適度な食事を心がけていかないといけないな、とちょっと思い、たっぷりとお茶碗に持ったご飯を一口分、お釜に戻すことが多くなった今日このごろ。
(キャッチ画像はChatGPTで生成作成しました)