道は開ける D・カーネギー 【読書感想】
【読書感想】
読もうと思った動機
デール・カーネギーの『人を動かす』
言わずもがなの名著。
しかし、ある著名な方の話が心にありました。
「“人を動かす“という言葉が一人歩きしている。
参考までに申し上げると、僕は大嫌いな言葉です」
その言葉が直接的に否定したものではありません。
だけど確かに、人を動かそうとする旨の言葉や
ビジネス書がヒットしている印象があります。
現代人は無意識的に『人はを動かそう』
としてしまっているのかもしれません。
そこにデール・カーネギー氏の著書の影響は大きいと感じます。
そのくらい世の中に影響を与えた名著だからです。
ある時、思いました。
「デール・カーネギー氏はどんな方なのか?」
そんなことを考え始めました。
そこでデール・カーネギー氏の本を再度読みたくなり、
手に取りました。
実際に読んで感じたこと
デール・カーネギーの
「悩める人の助けになりたい」
「人々を幸福にしたい」
その強い思いを感じる一冊でした。
その強い思いこそ、名著の条件です。
「自身の研究内容を、惜しみなく還元する」
読書を通してデール・カーネギーと対話しながら、
悩みについて考える。
読み進めていくうちに、自ずと、
『道は開ける』
そんな気がして心が軽くなりました。
感想
『人間誰しも悩むもの』
ぼくはそう思って生きています。
悩みの大きさは人それぞれです。
「ならば、悩みを乗り越える人生にしたい」
「悩める人の助けになれる人になりたい」
そう思わせてくれたのは読書であり、ジブリ作品でした。
『人生、捨てたもんじゃない』
人生とはそういうものらしいです!
ならば、いつか目の前に悩みの底で苦しんでいる人がいた時、
ぼくはきっと本書を紹介するだろう、と思います。
【心に沁みた言葉〜言葉の燈〜】
序ー本書の生い立ち
私の望みは「書くために生き、生きるために書くこと」なのだ。
「もし君が人に何か教えようとするなら、彼は決して学ぼとはしないだろう」
学ぶことは積極的な過程である。
私たちは行動することによって学ぶのだ。
だから、皆さんが本書に紹介される原則を自分のものにしたいと願うのだったら、
行動しなければならない。
PART1ー悩みに関する基本事項
・サルズバーガー氏の不安がやっと解消し、心の安らぎを取り戻すことができたのは、
「ただ、ひとあしを照らせ」という讃美歌を自分の座右の銘にした時だったという。
・『我々は一度に一つのことしかできないし、砂時計の砂がくびれた部分を通るように、ゆっくりと、一定の速度で仕事を片付けるしか手はない』
(中略)
私は軍医から『一度に一粒の砂……一度に一つの仕事』という記念すべき日以来、ひたすらこの哲学を実践してきた。
・もし私がいつまでも悩み続けていたならば、こういう結果にはならなかったでしょう。悩みにつきものの最大の欠陥は、私たちの集中力を奪ってしまうことです。
PART2ー悩みを分析する基本技術
・仕事の悩みを半減させる方法
第一問 問題は何か
第二問 問題の原因は何か
第三問 いくとおりの解決策があって、それはどんなものか。
第四問 望ましい解決策はどれか?
PART3ー悩み習慣を早期に断つ方法
・私たちはこの勇ましい森の巨木に似ていないだろうか?私たちはまれに襲ってくる人生の嵐や、雪崩や、雷鳴には何とか生き延びていくが、ただの悩みという小さな虫、指でひねりつぶせるほどの小さな虫によって、心を食い破られていないだろうか?
PART4ー平和と幸福をもたらす精神状態を養う方法
・数年前、私はあるラジオ番組で「あなたが今までに学んだ最大の教訓は何ですか?」という質問に回答を求められたことがあった。答えるのは簡単だった。私が学んだ何より大切な教訓は「考えること」の重要性である。
・だいぶ前に私は一冊の本を読んで、忘れることができないほど深い感動を受けた。ジェイムス・アレンの『思索する人』と題するその本にはこんなことが書かれていた。
「人が事物や他人に対する考え方を変えると、自分に対する事物や他人の態度が変わってくることを発見するだろう…自分の考え方を根本的に変えてみよう」
・仕返しをしてはならない。敵を傷つけるよりも自分を傷つける結果となるからだ。
私たちはアイゼンパワーの態度を見習おう。
つまり、嫌いな人について考えたりして、一分たりとも時間を無駄にしないことだ。
・昔から、人類が尊敬を捧げてきたのは、自分への敵意に対して何の悪意も持たないキリストのような人であった。
(中略)
エディス・キャロルが口にした次の言葉は青銅と御影石に今も残されている。
「私は愛国心だけでは十分ではないことを切に願います。何びとに対しても憎悪を抱いてはなりません」
・彼には見果てぬ夢があったのだ。ブッカー・T・ワシントンの伝記を読んで魂まで揺さぶられた彼は、自分の一生を貧困にあえぐ無学な同胞の教育に捧げようと決心していた。
・それでもなおリンカーンの信念は変わらなかった。
「人間を称賛する際に、その人の業績を基準にしてはならない。さらにその人のしとこと、あるいはしなかったことを非難の対象にすべきではない。なぜかといえば、我々人間は皆、その場の事情・境遇・周囲の状況・教育・みについへの習慣・現在から未来にかけて人間を敬意制する遺伝子などが生み出した産物なのだ」
・サミュエル・ジョンソン博士
「感謝の心はたゆまぬ教養から得られる果実である。それを粗野な人々の中に発見することはない」
・皆さんはこの世界で何かしらの新しさを持っている。それを喜ぶべきだ。自然が与えてくれたものを最大限に活用すべきである。結局のところ、すべての芸術は自叙伝的なのである。あなたに歌えるのは、今のあなたの姿であり、あなたに描けるのは、今のあなたそのものなのだ。
・刑務所の鉄格子の間かた、二人の男が外を見た。
一人目は泥お眺め、二人目は星を眺めた。
・偉大な精神分析医アルフレッド・アドラーの筆になる驚くべき報告である。彼はうつ病患者に対して、決まって同じことを言った。
「この処方通りにしたら、二週間できっと全快しますよーそれは、どうしたら他人を喜ばすことができるか、毎日考えてみることです」
・アドラーの著書『人生の意味』
・他人に対して関心を持たない人間こそ、人生に対して最大の苦難に悩み、他人に最大の危害をもたらすものである。
PART5ー完全に悩みを克服する方法
・もしあなたが生まれつきにせよ教育の結果にせよ宗教的な人間ではなく、ことこちの懐疑論者であるとしても、祈りはあなたの期待以上にあなたを助けてくれるだろうー祈りは実用的なものだから。実用的とはどういう意味か?つまり、祈りは神を信じる信じないは別として、あらゆる人々が共有する非常に根源的な三つの心理的欲求を満たしてくれる。
一、祈りは、私たちが何のために悩んでいるのかを言葉で正確に表現する助けとなる。
二、祈りは、私たちに自分一人ではなく、誰かと重荷を分担しているような感じを与える。
三、祈りは、行為という積極的な原理を強制する。これこそ行動への第一歩である。
PARTー6批判を気にしない方法
・不当な批判は、しばしば擬装された賛辞であることを忘れてはならない。死んだ犬を蹴飛ばす者はいないことを思い出そう。
PART7ー疲労と悩みを予防し心身を充実させる方法
一、眠れない時には、サミュエル・アンタマイヤーを見習うこと。
眠れなくなるまで仕事をするか、読書をしよう。
二、睡眠不足で死んだ人間はいないことを思い出そう。
不眠症について悩むことが、睡眠不足以上に有害なのだ。
三、祈るか、ジャネット。マクドナルドのように詩篇第二十三を繰り返し読むこと。
四、体の力を抜くこと
五、運動しよう。起きていられないほど肉体を物理的に疲れさせること。
PART8ー私はいかにして悩みを克服したか
・いろいろと思い悩んでいた私は、これらの悩みを全部紙に書き出してみることにした。
一、経営するビジネススクールの経営危機
三、入隊した戦地が戦地に赴き、再会できるのか
四、父から譲られた土地が、飛行場要地の候補で買収の危機だった
五、宅地内の井戸が干上がってしまった。家畜に飲ませる水が確保できない。
六、旧式のフォードのタイヤがダメになったら、もう学校へ通うことができない。
七、長女が予定より早く高校を卒業。カレッジへ行きたがったがその学費がなかった。
一年半後に、私はふとその紙を見つけた。私は一時は健康まで損ないそうになった心配事の一覧表に非常に興味深く見入った。
それらの悩みは一つとして現実とはならなかったのである。
・フェルプス教授が悩みを克服した方法は次の五つである。
一、歓喜と情熱を持って生活する。
二、興味をそそられる本を読む。
三、運動する。
四、仕事をしながら、くつろぐ。
五、適切な視野から悩みを観察する。