がんばれティーンエイジャー『エイリアン:ロムロス』
エイリアンシリーズの最新作が公開されています。
エイリアンシリーズは完全に完結したものと思っていたので、エイリアン大好きっ子(子じゃない)としては嬉しい限りです。
『エイリアン:ロムロス』
エイリアンシリーズはSFホラーというジャンルですけど、そもそも1979年『エイリアン1』は、1960年代から始まったウーマンリブの流れを背景にしたフェミニズム映画でもあるんですよね。
知識も戦闘能力も男性と同等で、エイリアンと顔を合わせてもキャーとも叫ばず冷静に戦って対処する新しいヒロイン「エレン・リプリー」をつくりだしたわけです。
だけど、すべての戦いが終わった(かのように思われた)ら、突如、白い下着姿の逞しくも美しいボディをさらけ出したりしてね。
そんな役柄ににシガニー・ウィーバーという女優が見事にマッチしたわけです。
『エイリアン2』では人間の子供を登場させて、戦うリプリーに母性というものを意識させ、『エイリアン3』ではついにエイリアンに寄生されてしまったリプリーが、自分の中にある望まぬ命に対しても母性を感じてしまうことに戸惑ったり。
『エイリアン4』では心機一転、当時世界中で注目されていた「クローン」をいち早く取り入れるという斬新さを見せました。
『プロメテウス』と『エイリアン:コヴェナント』は、人間とは、神とは、という哲学的な、ちょっと難しい方向へいってしまうんですけどね。
とにかく、エイリアンシリーズはSFホラーでありながら、その奥に社会的、もしくは哲学的な思想を潜ませ、グロくも美しい映像美術と共に物語にさらなる深みを与えていたわけです。
それらに比べると、ちょっと軽いかなー。
最新作の『エイリアン:ロムロス』は。
劣悪な環境の星で奴隷のように労働させられているティーンエイジャーたちが、廃船になった宇宙船から冷凍休眠装置を盗み出して他の星へ逃げ出そうとするんですけど、その廃船には実はエイリアンがたくさん潜んでいて…というシンプルなストーリー。
可愛い顔をしたティーンエイジャーたちがエイリアンと一生懸命戦う姿にちょっとリアリティを感じない、っていうかグーニーズあたりを思い出してしまうのは、単に自分が歳をとったからですかね?
エイリアンシリーズには重さ、暗さ、絶望感なんかを求めてしまうのは、過去のエイリアンシリーズに囚われ過ぎたおじさん(おばさん)の証なんですかね。
そう言われればそんな気もします。
でも、まあ、これまでのエイリアンシリーズのオマージュも随所に散りばめられているし、重力と無重力と利用した戦闘シーン、エイリアンには視力がなくて音と温度変化に反応しているという新しい解釈などなど、おもしろい点も多いですけど。
でも、どちらかといえば、この最新作を機に過去のシリーズも注目されたらいいなー笑。
まあ、でも、2024年になった今もなおエイリアンシリーズが観られるという幸せよ。一生(私の)続いてほしい。
みなさんも、ぜひ。
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