あ、こっちが今年のマイベストかも『チャレンジャーズ』
2022年のサッカーワールドカップ(カタール)のスペイン戦で、三苫薫がアシストしたボールを田中蒼がゴールにねじ込んだ直後の抱擁シーンを「エロッ!」と感じたのは私だけではないはずです。
さわやかなルックス。汗が滴るユニフォーム。キスする距離の顔と顔。重なり合う下半身。「お前よく居た!」「来ると思った?」「来ると思った!」というやりとり。
幼馴染であるふたりの友情や、ワールドカップの神聖さを前に『萌え』『尊い』など緩めの賞賛でお茶を濁されていましたが、心の中で「エロッ!」と呟いていたのは、私だけではないはずです(しつこい)。
こんな感じに幼馴染でとても距離感の近いふたりのテニスプレイヤーの間に魅力的な女性が現れて三角関係になる、そんなストーリー。
『チャレンジャーズ』
アートとパトリックは同じテニススクールで育った幼馴染。大学テニス界ではファイヤー&アイスなどと呼ばれて活躍します。そこに前途有望な女子プレイヤーであるタシ・ダンカンが現れてふたりとも一気に心を奪われます。タシは大怪我をしてプロになるのを断念するのですが、コーチになってテニスという競技に情熱を燃やしつづけます。タシをめぐる争いや、テニスプレイヤーとしての成功の有無で、アートとパトリックは疎遠になってしまいますが、そんなふたりが30歳を過ぎて久しぶりに大会で対戦する、それまでの10年ちょっと三人の物語を、過去と現在をまるでテニスのラリーのように激しく行き来させながら描いていきます。
何が素晴らしいってエンディング。この物語はどこにどう着地するんだろうって直前までハラハラさせといて、「あー!なるほど!!だよねー!!」っていうエンディングに思わず涙が溢れそうになりますが、溢れる暇もくれないほど速攻エンドロールで、その潔さも見事!
とりあえずゼンデイヤがひどく可愛い。
化粧バッチリのゼンデイヤしか記憶になかったけど、素顔は幼めのファニーフェイス(なんならちょっと野暮ったい?)。そしてよくできたマネキン以上のパーフェクトなボディは、長い御足にボディクリームを塗ってるだけで本当に美しいのです。
ってか、私、誰かがボディクリームを塗るシーンを見ていつも思うのだけど、みんな、ボディクリームってあんなふうに適当に塗っているの?私なんかは背中とか塗るのが本当に大変で、攣りそうで、寝る前にパートナーと会話しながらさらっと塗り終えるなんて芸当、できないんだけど。
そんなことはさておき、監督は『君の名前で僕を呼んで』『ボーンズ アンド オール』のルカ・グァダニーノ。
私、この監督は「好き」認定です。
前回書いた『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』も素晴らしかったけど『チャレンジャーズ』も甲乙付け難くよかったです。でも毛色のまったく違う映画だから、どっちが一番とは言えないし決める必要もなし。
上映してる映画館はもう少ないのかもですが、ネフリかアマプラか、どこかで観られるようになったら、みなさんもぜひ!