変な期待をしてごめんなさい『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』
観る前からワクワク、っていうかゾクゾクする映画って、こういう映画を言うんじゃないかしらね。ホワキン・フェニックス主演「ジョーカー」の続編で、ハーレイ・クイン役にレディ・ガガ!
知らない人のために説明すると、ジョーカーは貧しくて精神疾患があるけど優しくて人を楽しませるのが好きなコメディアン志望の男なの。だけど辛い状況の中で精神バランスを崩して殺人を犯してしまう。殺した相手がエリートの金持ちだったものだから、世の中は彼を弱者の星のように祭り上げて、ジョーカー自身もそういう存在に成り上がっていくの。
これが前回までのお話で、今回は逮捕されて牢に入れられたジョーカーと、その裁判がメイン。牢の中でハーレイ・クイン(レディ・ガガ)と出会って恋に落ちるのね。
何がいいって今回の副題の「フォリ・ ア・ドュ」。
フランス語で「二人狂い」、妄想が伝染してしまう精神疾患なのだそう。
だからね、もう、世界の片隅で妄想にとりつかれた二人がすべての人を敵に回して愛し合うように暴力や殺戮を繰り返す映画なのかな、って勝手に想像してゾクゾクしていたんだけど。
全然、違うの笑。
巷でも賛否両論、若干「否」が多いみたいだけど、わかる、わかる、わかるよー。まず期待値が高すぎた。あと、開けてみたらミュージカル。ミュージカル、好き嫌いがきっぱり別れるからね。私は好きだけど。
『世界の片隅で妄想にとりつかれた二人がすべての人を敵に回して愛し合うように暴力や殺戮を繰り返す映画』なんていうものを期待するオマエがジョーカー(悪)なんだよ、と最終的には説教されるような映画です。
なんならレディ・ガガも説教されるべき側ね。ちょっと損してない?レディ・ガガ。映画後半は変なメイクをして裁判に傍聴しにくるただのジョーカーガール状態だったし。
とはいえ、彼女が歌うカーペンターズの「遥かなる影」が良かったです。
あと、私はレディ・ガガのすっぴんが好き。少年みたいな目鼻立ち、人の良さが感じられる肌の透明感、もしかしたら世界で一番好きなすっぴんはレディ・ガガのすっぴんしれない。
あー、でも、どうせ完全フィクションのアメコミファンタジーならば、地獄の底みたいな、すっごい愛の映画が観たかったけどなー。って思ってしまった後にちょっと反省をする、そんな永遠のループ。
みなさんも、よかったらぜひ。