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はい、今日これから産みます|妊娠高血圧からの緊急帝王切開|出産レポ#2
妊娠37週0日、いつも通り定期検診に行ったその日、突然医師から妊娠高血圧症候群での緊急帝王切開を告げられた。
告げられるまでのお話はこちら▼
これは、緊急帝王切開になってから無事出産するまでの記録です。
夫、混乱する
緊急帝王切開を告げられた後、ぽかんとしているわたしに「旦那さまへお電話いただけますか?私から説明しますので」と。
仕事中のはずだけど、電話はすぐに出てくれた。
「37週はもういつ生まれてもいいってことだから!急に散歩中に産気づいて電話することもあるから絶対手元においてよね」
全然本気でそんなこと思っていないのに、繰り返し言っていた。
まさか現実になるとは・・・。
電話では、このままでは母子ともに危険なこと、これからすぐ帝王切開すること、その際のリスクや輸血の可能性などについて、とにかくだーーーーっと説明。
夫、とにかく混乱しながら、「はい、はい・・・はい・・・?」としか言えてなかった。
気持ちはいたく分かる。
当人のわたしでさえ理解できていないし、「危険なのは分かったけど何も今すぐに手術しなくても・・・一回落ち着いて、日程決めたらいいやん」と呑気なことを思っていたもの。
一目でも夫に会いたい
「それで、旦那さまは何時に来られますか?」
「えっと・・・今仕事中なので、2時間以内には行けるかと思います」
正直、本気を出せば1時間以内で来れると思う。ここって本気を出す人生で何度とない瞬間なんじゃないの?とわたしの頭にはハテナと多少の怒りが。
でも無理もない。わたしも上記のとおり、そんな急ぐことでもないだろうと思ってた。まったくふたりして呑気な夫婦である。
とにかく、手術前に夫に会いたかった。
この後色々手術前処置を受けるのだが、勇気を出して看護師さんに「あの・・・手術前に夫に会いたいです」と言うと、
「それはできないかな。赤ちゃんは旦那さんは待てないよ。アナタも危険な状態だし、準備できたらすぐ手術です」
とバッサリ言われた。何ならちょっと笑っていた。状況を理解していない妊婦だと思われたに違いない。恥ずかしい。絶望。
母は強し
説明が終わって入院の部屋の準備ができるまでの間、ナースステーションの前でひとり待たされた。
こわくなった。
母に電話したら、これまたすぐに出てくれた。
「どうしよう・・・妊娠高血圧って言われてこれから帝王切開になっちゃった・・・」
言葉にしたら現実味を帯びてきて、二度目の涙あふれる。さっきより止まらなかった。
母はあっけらかんとして、
「あらぁ〜。でも赤ちゃんは出てきたかったんだから。先生の言うこと聞けば大丈夫よ」と言ってくれた。
本当に大丈夫な気がしてくるから不思議だった。
この時、唐突に思い出したのだが、そういえば母も私を産んだときに妊娠高血圧からの帝王切開だったのだった。
遺伝やないかい。(たぶん違う)
でも、この時母から言われた「大丈夫よ」は、どんな時の、誰からのものよりも心強かった。本当に涙がピタッと止まって、大丈夫になった。
よく考えたら、今日が息子の誕生日になるのか。なんかキリのいい日付だな。
今日、あと少しでこの手に抱くことができるのか。
楽しみだな。
あっという間に前向きになれて、やはり、母は強し。
つづく