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映画感想『トップガンマーヴェリック』
公開当時、4回も映画館に行く程にハマった映画(そのうち一回はニュージーランドの映画館でわざわざ観に行った程)を、家でも観てみました。
大興奮しました。
コロナ禍を思い出す
この映画とTENETは、僕がコロナ禍でハマった二代巨頭の映画です。ですが、TENET以上にトップガンマーヴェリックはコロナ禍を僕に思い出させ、なんというか、ノスタルジックになり、青春を感じて思わず涙が出てしまいました。
大学時代にコロナがいそいそとやってきたので、僕の大学時代は常に理想と現実の差によってどこか鬱屈としていました。思い返せば充実していたとは思うのですが、どうにも拭えない暗鬱なモヤモヤが心にあり、そこから脱出しようともがき続けていたのは事実です。
コロナ禍の暗い雲と戦う後半戦、僕はこの作品と出会いました。
映画館からも自然と足が遠のいていたのですが、予告編を見た時に即行こうと思えた時点で、僕は今作に何かを感じていたのかもしれません。
熱意
今作を観て圧倒されたのは、作品のクオリティやストーリーをひっくるめた、製作陣の熱意です。
I know what happens to everyone else if I don’t
というマーヴェリックの言葉を始め(久々に観たらこの言葉だけで泣けてきました)、コロナ禍という状況で踏ん張り続ける人々を鼓舞するようなメッセージが随所に感じられ、それがセリフだけでなく、作品全てのシーンに凝縮されているのです。
やっぱり熱意があるからこそ、本物の戦闘機に乗って撮影しようというぶっ飛んだアイデアが出てくるわけです。
作品の熱意が体を揺さぶりました。鳥肌を立たせました。動悸を激しくさせました。
ストーリー
ストーリーで感動したのは、マーヴェリックが全く弱っていないことです。近年、数十年前の作品の続編が作られることが多く、それ自体は人々を喜ばせますが、年をとった登場人物をどう扱うかという点においては賛否両論が展開されることがほとんどです。よくよく気持ちはわかります。あの時見ていたイケイケな主人公が老いて、引退や死と向き合う哀愁は、当然といえば当然ですが、無性に悲しくなりますよね。
今作は違いました。マーヴェリックは現役バリバリで、今でも海軍最強のパイロットでした。その技術と度胸で若者たちを黙らせ、束ねあげていく過程のなんとかっこいいことか。
知らない間にコロナに屈しつつあった精神が、古き男の錆びないかっこよさを前に、再び奮い立つのを感じました。
つまり
まだ頑張ろう。もっと頑張ろう。まだまだ頑張れるはずだ。今作を観て、魂を震わせながらそう感じたのを覚えていますし、今回もそう思いました。
シーンが切り替わるごとに好きなシーンが訪れて本当に贅沢な気分です。
色々なことを思い出しました。映画館に行った時の衝撃や、4DXで観た時の楽しさ。映画の思い出だけではありません。新鮮で新しい出会いの宝庫だったニュージーランド留学を鮮明に思い出し、心が締め付けられるような、青春の痛烈な甘みと痛みを感じています。もちろん楽しい思い出だけでもありません。学生時代に犯した愚かな間違いや恥ずかしい失態の数々も頭に溢れてきます。
辛さや懐かしさや楽しさや興奮が合わさって、体が浮き上がるような感覚になったと思うと、涙が滲みます。
映画を観ていて、確かに集中して楽しんでいるのに、同時並行的に、様々な感情や思い出を巡り巡っています。
どうやらこの映画は、すっかり人生の一部に刻まれていたようです。
ニュージーランドの映画館に行った時の話↓