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老人駅伝!

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老人は走り出す。 単なる健康維持の為ではない。 夢のため、子どものような馬鹿げた目標のために走り出す。 それでいい。 いつの間にかその老人の走りには、若い世代が感化される。 そ…
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#バトン

長編小説『老人駅伝』②

長編小説『老人駅伝』②

 唐突だが、私は子どもというものが、すこぶる嫌い……失礼、少々苦手なのだ。理由は単純明快で、二十年前、隣の敷地に引っ越してきた家のガキ共……いかんいかん、子どもたちが、まぁ素行が悪かったのだ。男女の双子で、どっちも酷かった。
あいつらが小学生の頃は、ピンポンダッシュは日常茶飯事、散歩中の私を見て罵詈雑言、庭で勝手にサッカーボールを蹴って花瓶を六個割る、石を投げて車に傷をつける、などなど、無邪気とい

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