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#登山
(終焉)あけましておめでとうございます⑥最終話
あらすじ
初日の出を見るために、徹夜をして登山をするのはもうやめよう
地獄でした。
もしも地獄があるとして、針山地獄だとか、血の池だとか、その恐ろしいレパートリーの中に『正月の登山』があったとしたら、僕は自分の個性を捨ててでもいい行いを繰り返し、天国へ行こうとするでしょう。
一日中立って仕事をしていたので、足の限界も来ていますし、寒さで体の震えも止まりません。とりわけ、冷たい風が首を突き抜ける
(終焉)あけましておめでとうございます⑤
あらすじ
初日の出を見るために、徹夜をして登山をするのはもうやめよう
山に登る前に家で仮眠をとりました。
眠りにつく瞬間の、なんと心地よいことか。仕事を始めとした一日の疲れが一気に押し寄せ、瞼が自然に下に落ちていきました。このまま朝まで眠ってしまおう、僕はそう思いました。一人部屋で三人寝るわけなので、僕の寝床はただの床でしたが、僕の気持ちはさながら高級羽毛の上でした。
……。
……。
サイ
(終焉)あけましておめでとうございます③
あらすじ
初日の出を見るために、徹夜をして登山をするのはもうやめよう
僕たちは「山に行く行かない」論争をしばらく続けましたが、結局誰もサイコパスに勝つことができないまま、ひとまずすき家を出ることにしました。すき家は長居する場所ではないですからね。
すき家から出た後、サイコパスはいつもの台詞を言いました。
「一旦仮眠をとろう」
終わりました。
この言葉が出たら、まず登山は回避できないでしょう。
(終焉)あけましておめでとうございます②
あらすじ
初日の出を見るために、徹夜をして登山をするのはもうやめよう
新年早々不毛な時間山に登るという現実から目を背けるために、神社で初もうでを終えた後、僕たちは24時間営業の我が故郷、すき家へと足を運びました。流石大晦日、すき家は深夜とは思えない程混んでいて、従業員の皆様には感謝と謝罪の気持ちしかありません。
僕は安定のネギ玉牛丼を食べました。美味しい。
僕たちは七人で行動していました。基
(終焉)あけましておめでとうございます①
12月31日の話です。僕は夜まで働き、もう帰って、食べて、寝たい気持ちしかありませんでした。
しかし、疲労で満ちた体でようやっと家に帰り、テレビをつけると、紅白歌合戦が始まっていました。今年は有吉さんが司会でした。
途端に背筋の裏から、鳥肌が駆け巡ってきました。
自分はこれから、深夜を徘徊し、朝には山に登って初日の出を見なければならないという事実を、改めて認識してしまったのです。
年始は、
(登山)あけましておめでとうございます
とある友人が2人います。便宜上、デブとサイコパスと名付けましょう。
彼らとはここ3年間ほど、初日の出を見るべく、約6キロの道のりを歩いて近所の山に登る悪しき生業を共にしていました。
なぜ悪しき生業なのかというと、誰も新年早々の登山など望んでいないからです。朝3時半に仮眠から起き、極寒の中を歩くのです。普段は仲がいい我々ですが、睡眠不足と寒さで、雰囲気も悪くなりがちです。帰りは電車を使うんですが、電