20_「みんなでつくる」をどうつくっていくかに関心がある
心痛む1月のはじまりから早くも1ヶ月。
先日、小学校2年生が雪の中収穫した野菜を地域の店舗前で販売し、売上の使い途を考えている。農業高校の生徒は神山小麦でラーメンを完成させたり、リーベフラウ(石井町)の協力ですだち胡椒ソーセージをつくったり。ファームクラブの学生、は地域の人にお声がけして収穫したお米とカレーライスを振る舞う小さな感謝祭を開いた。毎週、盛りだくさん。
子どもだけではない。昨日はドバイ、オーストラリア、イタリアから来られた方にお会いした。この3週間で視察対応が8件。うち4件は韓国から。通訳を介さず自分の言葉で伝えられるとどれだけ良いだろうと毎回思う。まずは今年中に韓国語で自己紹介くらいはできるようにはなりたいかな。アニョハセヨ〜
栄養教諭の職能に、光を当てる
NPOのこれからの方向性を考えるため、「食育」や「学校給食」の現状をヒアリングしている。協力いただいたのは、給食センターに勤める栄養教諭、栄養教諭の養成課程をもつ大学の教授・准教授、行政(教育委員会)の担当者、そして農水省や文科省の担当者。食育・学校給食の施策には省庁の意図があり、それらが都道府県や自治体で食育基本計画に落とし込まれ、各学校では毎日の給食や授業を通して子どもたちに食育が行われている。日本の「食」や農業をよくしていこうとしているという大きな流れはある程度理解できた。文字情報としてある程度知っていた内容でも、直接お聞きすることで理解が深まる。
その中でも、元行政職の方のお話は、給食センターを新しい視点で見るための要素が散りばめられていた。なかでも「栄養教諭/学校栄養職員が要!」と言い切る姿勢と、その職能に光を当てながらより良い働きを促す研修機会の設定、データをもとに多角的な視点から検証して判断を下す仕事術には圧倒されっぱなし。引き続き、背中を追っかけたい。
大学や自治体の食堂で食事できたことも良い経験。
みんなでつくる「学校食」
教育活動の中に「食」がこれほどまでに位置付けられている国は日本の他にあるのだろうか。食育基本法の制定のタイミングで大幅な内容の改訂が行われた「学校給食法」では、次のような目標が示されている。
給食はお腹を満たすだけでなく、生きた教材(=食育)として位置付けられていることがよくわかる。
農と食をつなぐ栄養教諭
食育の授業は「食育基本計画」に則って、校内で実施される。食の指導において中核となる栄養教諭は、学校において食を扱う専門職。管理栄養士でもある栄養教諭は、栄養バランスの良い食生活や、食べ方についての指導が専門領域。そして、わたしたちはフィールドでの栽培活動から調理までのプログラムを実施している。だったら、わたしたちが行っている食農教育に栄養教諭の力をお借りすれば「学校食」プログラムになるじゃない!と、大学の先生方へのヒアリングの最中に思いついた。
「アイディアは、すでにあるものとあるものの組み合わせ」とジェームス・ウェブ・ヤング氏は言ったが、ほんとうに。灯台下暗し。
1月末に実施した豆腐づくりの授業(小学校3年生)には栄養教諭に来ていただき、食育ミニレクチャーを実施。次年度も継続できると良いなと思う。
一緒に大豆を育てたのはファームティーチャー(NPO)
豆腐づくりは豆腐職人と豆腐マイスターに教わり、
大豆に関するレクチャーは栄養教諭から。
農と食をつなげたいとずっと願っていたけれど、こんなふうに役割分担すれば、無理なく、多角的な「食」の学びが担保できる。これこそ「みんなでつくる」じゃん!
先生、栄養教諭、農家、食のつくり手、コーディネーター、そして家庭も。「みんなでつくる」をどうつくっていくか。
小さく始めて関係者の実感を次への足場にしつつ、まち全体のモノゴトにつなげていきたい。
ワクワクしてる。