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「今日は誰にも愛されたかった」に影響を受けまくった、とても短い詩を3つ
オーバースペック
水も油もいらなく
パリッと焼ける餃子を
どぼんどぼんと
お湯の中。
ファミリー・ツリー
兄、
入れてください。
つづいて
入ってください、
これは従兄弟。
セーターださい
案外こうなると
妹。
シアン
床に落ちた米粒は
ばっちいですか。
死んだメダカは
戻ってきますか。
◇「今日は誰にも愛されたかった」という本を読んだ。谷川俊太郎さん、岡野大嗣さん、木下龍也さんによる「連詩」を納めた一冊。詩のようなもの(ようなものって逃げだーと思いつつまだ言い切れない)をはじめたばかりの私にとってこれは、詩の解説書であり、楽しみ方のお手本であった。お三方が本当に楽しそうで、恐れ多くも、ここに混ざりたい!こんな風に言葉と戯れたい!と強烈に思ってしまった。そして谷川俊太郎さんの「メッセージはありませんってのが詩の理想」という一言が大いに引っかかっている。というのも、子がいるので絵本をたくさん読むのだが、心に残る絵本というのはほとんど「メッセージがないように見える」ものだから。それはおそらく個人や時期によって、たくさんの解釈ができるからだろう。メッセージが表に出て威張っているものは、一度読めばわかりましたでおしまいになってしまうのだ。ということで、「今日は誰にも愛されたかった」にばりばり影響を受け、できたのが今日の3つです。