君の膵臓をたべたい
健康な人にも余命1年の人にも世界は平等に残酷である。
図書館で借りて読んだので現在手元に本が無く、正確な文章を覚えていないが、こんなような言葉があった気がする。
ジャンルを問わず気が向いた時に本を読むので、流行りの本や映画化された本を読むことも多い。この本も衝撃的タイトルと、ラストの展開で話題になった作品である。
主人公が高校生、登場人物も少なく、セリフが多い。ちょっと読んでいて恥ずかしくなるティーンズ向けの小説だなあと思っていた。が、やっぱり最後の展開と、最初に書いたこの本が伝えるメッセージにどきりとした。
今この本を思い出したのは、どれほど新型コロナウイルスによる感染拡大が深刻で、世界が本当に大変な今でも、来る台風シーズンで町が浸水する確率は去年と変わらないし、巨大地震の発生確率も変わらないし、盲腸になって手術を受けることになる確率も変わらないんだよなと、ずっしりと考えてしまったから。
献血カードを持っているので、時々献血センターからお知らせメールが届く。先週のメールの内容は、外出自粛の影響で、献血人数が減っています、献血は不要不急ではありませんという内容だった。
コロナにびびりまくっているけれど、その間も事故にあったり他の病気で生きるか死ぬかを戦っている人がいるし、自分がその当事者になる確率は去年と変わらない。
ソーシャル・ディスタンスばかりに気をとられて、車にひかれてお医者様の世話になるわけにはならない。
自分の鈍くささを再認識し、気を引き締めて生活せねば。
『君の膵臓を食べたい』:佐野よる:2015年