東京マラソン2023への道 [パワトレ マラソン上級編] 27/112
TEAM ONE TOKYO(プレ期) 年代別ランナー」として東京マラソン2023 に先行当選、ランニング用パワーメーターのSTRYDを使ったパワーベースのトレーニングに取り組んでみてる市民ランナーの練習記録。ポーラ・ラドクリフ女史の「HOW TO RUN」を参考にした中負荷中頻度(週6日)の上級者向けトレーニングとし、回復を重視しつつ、ランニングの日数を増やして練習全体の走行距離と強度を上げていきます。
今週のスケジュール
日 ロングラン(できればオフロード、水と栄養補給の練習)月 軽いまたは普通のランニング + ウェイトトレーニングA火 クルーズインターバル → 休養水 普通のまたは軽いランニング + ウェイトトレーニングB木 テンポ走金 休養 + 体幹トレーニング
土 ファルトレク + ウェイトトレーニングC(ウェイトは軽く)
今日のトレーニング
ワークアウト
今日のラドクリフ女史のトレーニングは、
「ファルトレク 45分」
本練習のほかに、スタティックストレッチ、ダイナミックストレッチ、ウォームアップ 2マイル(3.24km)、クールダウン 2マイル(3.24km)、軽めのウェイトで(サブエリート向けの)ウェイトトレーニングの指定あり。呼吸筋トレーニングは自主的に追加。
今日はSTRYDアプリの今週のワークアウトに新しく登場していたファルトレク「Frosty Fartlek」を少し(ファルトレクの持続時間が45分になるように)アレンジして、いつもの公園でほとんどアップダウンとなるようなコース取りで実施することにしました。
目的
・リラックスしたまま、強度(パワー)を上げて走る練習
・ケイデンスをなるべく減らして走る練習
・接地や姿勢、腕振りなどを微調整しながら、楽に速く走れるフォームで
・明日のロング走に向けたコンディショニング(セット練習として足を終わらせておくイメージ)、気分転換(リフレッシュ)
・トレーニングのボリュームを増やして持久力の向上を図る
・リカバリータイムがどのくらいか(強度が高すぎないか)を確認
結果
今朝は公園到着時は晴れでしたが、12月に入ってからもうずっと寒い感じ。
時計をほとんど見ないで走ってるしとくに狙ってたわけではないんですが、リディアード氏の今週のファルトレクの推奨ペース(平均4:47/km、ペース範囲4:31~5:13/km)と大体一致してました。
分析
今日もSTRYDのワークアウトアプリを使って、あらかじめワークアウトで設定されたパワーの範囲を無理のない感じで(パワーがオーバーだったりアンダーだったりするとGarminのバイブレーションで教えてくれる設定になっていましたが、今日はやたらと「オーバーパワー!」のバイブレーションが動作していましたが、とくにキツくない(心拍数がそんなに上がってない?)感じだったので、そのまま時計を見ずにほぼノールックで走りました。
STRYDのデータを見てみると、
ウォームアップやクールダウン、回復走は「グリーン(緑色の)ゲージ」で適正な範囲に収まっていましたが、疾走区間はほとんどすべて「イエロー(黄色の)ゲージ」でオーバーパワーになっていました。
思うに、基本的にはずっとアップダウンのあるコースを走っていたのでパワー出力が上振れしている(上り坂では勾配によってパワー出力が上がってしまうのでそれが影響している)ものと思われます。実際、息が切れるほど追い込んでいたわけでもなく、疾走区間もランニングフォームを微調整したりしながら「ちょっと速いジョグ」くらいの感覚で走っていました。
数値で見てみると、
疾走区間の平均パワーだけをまとめると
4分×3本 平均216W
2分×4本 平均224W
1分×5本 平均236W
となっていました。
StravaのGAP(推定平地換算ペース)のデータを確認していくと、
疾走区間だけをまとめると、
4分走×3本
平均パワー 216W
平均GAP(推定平地換算)ペース 3:55/km
平均心拍数 167bpm
平均ケイデンス 200spm
2分走×4本
平均パワー 224W
平均GAP(推定平地換算)ペース 3:46/km
平均心拍数 171bpm
平均ケイデンス 204spm
1分走×5本
平均パワー 236W
平均GAP(推定平地換算)ペース 3:33/km
平均心拍数 171bpm
平均ケイデンス 209spm
となっていました。
まぁ、ファルトレクでアップダウンをずっと走り続けているからペースや心拍数を確認してもあんまり意味がないかなぁ…
Garmin先生の評価は「テンポ」判定で、リカバリーはやや長めでした。
(元々リカバリータイムが5時間あったので、31時間ほど増えた模様)
課題
・ケイデンスを抑えて走る
衝撃負荷率と下半身のストレス Ⅳ
これまで、STRYD Next Gen(新しいSTRYD)から計測できるようになった、個々のランニングにおける「Impact Loading Rate(衝撃負荷率)」のグラフと、それらが時系列で描画される「Lower Body Stress(下半身のストレス)」の棒グラフを不定期になんとなくチェックしてきましたが、
今日ついに、STRYDの公式ブログで記事が公開されました。
ざっくり意訳してみると以下のとおりでした。
本日、次世代の STRYD によって、健康を維持し、パフォーマンスを維持するのに役立つ 2つの新しい測定基準を発表します。
新しい指標は次のとおりです。
・衝撃荷重率
・下半身ストレススコア
STRYD のメトリクスは、リカバリーを計画し、足の使いすぎを監視し、次のレースに備えるのに役立ちます。
これらの新しい指標を詳しく見てみましょう。
下半身ストレススコア(LBSS: Lower Body Stress Score) とは?
下半身ストレス スコア(LBSS)は、ランナーが日々のトレーニングで蓄積する、ランナーの重心と地面との間の機械的負荷の影響を理解するのに役立つ単一の数値です。LBSSへの重要な入力は、1秒ごとの衝撃負荷率 (ILR)であり、その累積効果を定量化して、ランニング毎に1つの数値を作成します。
ランニング ストレス スコア(RSS)が代謝強度の表現であるのと同様に、下半身ストレス スコアは機械的疲労の表現です。
下半身ストレススコア(LBSS: Lower Body Stress Score) はどのように使用する?
ランニングごとに下半身ストレス スコア(LBSS)を確立するのに十分な(通常は5回のランニングの)データが得られたら、健康的なトレーニング計画の一環として、さまざまな応用が考えられます。例えば、
・オーバーユースを監視する
自分の下半身ストレス スコア(LBSS)の傾向を追跡すると、個人のベースラインと比較して使いすぎの可能性を減らす、より健康的なトレーニング計画を特定して取り組むことができます。 同様に、怪我から復帰し徐々に通常のトレーニングに移行したい場合に、週ごとに下半身ストレス スコア(LBSS)を監視することで機械的ストレスの大幅な増加を回避し、健康的な回復を維持することができます。
・より良いトレーニング計画を立てる
素晴らしいトレイルコースを走ったら、足がだるくなってしまったように感じたとします。その場合、何日ランオフすればいいでしょう?
トレイルランニングの下半身ストレス スコア(LBSS)を過去のエフォートと週ごとの下半身ストレス スコア(LBSS)の平均と比較して、トレイルランニングに戻る前に完全に回復するには何日ランオフする必要があるかについての、基本的なアイデアを得ることができます。
・次のレースに向けて準備する
下り坂が多いレースに出場する予定がある場合に、衝撃負荷率(ILR)と 下半身ストレス スコア(LBSS)は、ダウンヒルランニングの機械的ストレスに備えることができるようにトレーニングを調整するのに役立ちます。
衝撃負荷率(ILR)は、レースに特化したトレーニングが完了した時(テーパーリング期間の前)に使用して、問題なく維持できる衝撃負荷率(ILR)のピーク値と持続時間を認識することができます。 テーパリング期間中は、 下半身ストレス スコア(LBSS)をガイドとして使用し、下半身が長時間のダウンヒルランニングに対応できる適切な状態にあることを確認できます。
STRYDユーザーとも協力しながら、他にも多くの可能性のある将来のアプリケーションを使用して、トレーニングとレースで真に「影響力のある」ものにするための全ての創造的な方法を見つけ出すことを楽しみにしています。
下半身ストレススコア(LBSS: Lower Body Stress Score) はどのように定義されていますか?
下半身ストレス スコア(LBSS)は、ランニング中のリアルタイムの衝撃負荷率と「クリティカル インパクト」を比較するパーソナライズされたスコアです。
クリティカル インパクト:
フラットな場所でクリティカルパワーでランニングした時の衝撃負荷率
下半身ストレス スコア(LBSS)は、時間の経過とともに蓄積された下半身にかかる機械的負荷を反映したものです。現在、 下半身ストレス スコア(LBSS)は秒ごとの衝撃負荷率を使用して単一の数値を計算し、機械的負荷の合計を定量化しています。
下半身ストレス スコア(LBSS)は、ランニング ストレス スコアと同じように役立ちます。どちらのスコアも、前の週に計算された平均を使用して移動ベースラインを生成します。クリティカル パワーで 1時間ランニングすると 100 RSS ポイントが蓄積されるのと同様に、クリティカル インパクトで 1時間ランニングすると 100 LBSS が蓄積されます。これによって、ユーザーにトレーニング強度の洞察を与えることができる単一の数値が生成されます。
下半身ストレススコア(LBSS: Lower Body Stress Score) を正確に保つにはどうすればよいですか?
下半身ストレス スコア(LBSS)の精度には、正確なクリティカルパワーが不可欠です。
下半身ストレス スコア(LBSS)は、ランニング中の衝撃負荷率とクリティカル パワーでのランニング中の衝撃負荷率の比較によって大きく影響を受けます。クリティカルパワー(Critical Power)での 衝撃負荷率(Impact Loading Rate)から、クリティカルインパクト(Critical Impact)という造語はできています。
さらに、正確な 下半身ストレス スコア(LBSS)を得るには、STRYDユーザー のデータが次の 2 つの基準を満たす必要があります。
1.正確なクリティカルパワー
2.「比較的フラットな」路面で「多彩な強度」で走る
上記の2つのポイントですが、「比較的フラット」とは、おおよそ -1% から +1% の間のグレードと定義されます。「多様化された強度」とは、「比較的平坦な」地形でのより低強度のゾーンとより高強度ゾーンの両方でのランニングを含むランニングデータの履歴として定義されます。つまり、ランニングパワーにおける、ゾーン 1 からゾーン 2 のパワーと、ゾーン 4 からゾーン 5 のパワーです。
衝撃負荷率(ILS: Impact Loading Rate) とは?
衝撃負荷率(ILS)は、ランナーが足で地面に接触するときの垂直 (または垂直) 力の増加の初期速度です。これは 1 秒あたりの体重の単位 (bw/sec) で表されます。これは時間の経過とともに下半身に適用される負荷の全体的な指標です。値が高いほどパワーがより速いスピードで適用されていることを意味し、低い値はパワーが遅いスピードで加えられていることを意味します。
つまり、衝撃負荷率(ILS)は、足が最初に地面に着いたときに体が垂直方向の力を吸収する速さです。衝撃負荷率(ILS)は一般的に、ミッドフットストライクのランナーよりもヒールストライクのランナーの方が大きくなります。
なぜ衝撃負荷率(ILS: Impact Loading Rate) が重要なの?
下半身のリアルタイムの機械的負荷、つまり衝撃負荷率、およびその蓄積された効果、つまり下半身ストレス スコア(LBSS)を定量化することで、ランナーは変化、特に大きな変化を正確に追跡でき、ランナーが下半身の状態を維持および回復するのに役立ちます。最高の状態で走り続けるための機械的な健康です。
さらに、衝撃負荷率は秒単位で記録され、PowerCenter と Stryd Mobile アプリの両方でランニング後に表示される GPS ランニング ルートやその他の STRYD メトリック(≒ 各種ランニングデータ)と一緒に表示できるため、これを使用していつ、どこで最大の負荷が発生したかを正確に特定できます。下半身ストレス スコア(LBSS…つまり、蓄積された機械的ストレス) は、ランニング中に発生しています。
下半身ストレス スコア(LBSS)の最大の要因が実際にどこでどのような条件下で発生するかがわかれば、これらの領域を完全に回避するか、将来のランニングでの機械的ストレスを軽減することを目標にトレーニングを変更したりすることが可能になります。
ILR(衝撃負荷率) と LBSS(下半身ストレススコア) はどのような条件で変化しますか?
下半身ストレス スコア(LBSS)への入力として蓄積される衝撃負荷率 ( ILR:上図のピンク色のグラフ) は一般的に、下り坂で増加し、上り坂では減少し、スピードや強度が増すと増加します。
ILR(衝撃負荷率) と LBSS(下半身ストレススコア)を最大限に活用するにはどうすればよいですか?
ランニング後の衝撃負荷率を確認すると、最も機械的なストレスを引き起こしているランニングの部分をリアルタイムで特定できます。そのうちの最も高い部分は、将来のランニングで衝撃負荷率を減らすために改善すべき領域を示しています。特定されたコースエリアの強度を引き下げることで、追加の代謝負荷(RSS:ランニングストレススコア)とトレーニング効果を改善するために、より多くの下半身ストレス スコア(LBSS)のゆとりを確保することができます。RSS(ランニングストレススコア)と同様に、ユーザーは下半身ストレス スコア(LBSS)の傾向を経時的に (たとえば週ごとに)観察して、ベースラインを上回っているか下回っているかを判断し、トレーニングを積極的に変更していくことができます。
ILR(衝撃負荷率) と LBSS(下半身ストレススコア)はどこにありますか?
Stryd モバイル アプリまたは Stryd PowerCenter でアクティビティを表示すると、衝撃負荷率(ILR)が秒単位でグラフ化されます。
下半身ストレススコア(LBSS)は、 Stryd PowerCenter で「マイ トレーニング」チャートを表示し、Stryd モバイル アプリで「サマリー」ビューを表示すると、ランごとにグラフ化されます。
衝撃負荷率(ILR)が表示されない場合は、 Impact Loading Rate(衝撃負荷率)の記録のトラブルシューティングの記事を参照してください。
出典:
New Next Gen Stryd Metrics: Impact Loading Rate & Lower Body Stress Score
…といった感じで、実際にランニングデータを見ながら、なんとなく推測していましたが、公式の情報が発表されたことで、体系的に理解することができました。
自分の頭の中の整理をかねてざっくり要約してみると、
新しいSTRYD(Next Gen)では以下のデータを計測できるようになった。
・衝撃荷重率
・下半身ストレススコア
2.目的は大きく以下の3つ。
・オーバーユースを監視すること
・より良いトレーニング計画を立てること
・次のレースに向けて準備すること
3.衝撃負荷率を使って下半身ストレススコアを計算するのに「クリティカルインパクト」という考え方と単語を定義した。
クリティカル インパクト:
フラットな場所でクリティカルパワーでランニングした時の衝撃負荷率
たとえば、クリティカル パワーで 1時間ランニングすると 100 RSS ポイントが蓄積されるのと同様に、クリティカル インパクトで 1時間ランニングすると 100 LBSS が蓄積される。
4.下半身ストレス スコア(LBSS)を正確に保つには、以下の条件が不可欠。
・正確なクリティカルパワー
・「比較的フラットな」路面で「多彩な強度」で走ること
5.衝撃負荷率とは、足が最初に地面に着いた時に体が垂直方向の力を吸収する速さのことで、一般的に、
・ミッドフットストライクよりヒールストライクの方が大きくなる
・下り坂では増加し、上り坂では減少する
・スピードや強度が増すと増加する
ランニング後の衝撃負荷率を確認すると、最も機械的なストレスを引き起こしているランニングの部分(コースエリア)を特定することができるので、そのうちの最も高い部分を次回以降のランニングでは衝撃負荷率を減らすために改善すること。
特定されたランニングの部分(コースエリア)の強度を引き下げることで、追加の代謝負荷(ランニングストレススコア)を上げて、トレーニング効果を改善するとともに、より多くの下半身ストレス スコアのゆとりを確保することができる。
また、RSS(ランニングストレススコア)と同様に、下半身ストレス スコアの傾向を経時的に (たとえば週ごとに)観察して、ベースラインを上回っているか下回っているかを判断し、トレーニングを積極的に変更できる。
…といったことのようです。
主に「ダウンヒルマラソンのトレーニング」や「テーパーリング期間」で役立ちそうですが、使い方によっては「普段のトレーニングでオーバーユースにならない」ようにトレーニングを調整することもできそうです。
まぁ、引き続き、実際に使いながら理解を進めていきたいと思います。
(ちょうど東京マラソンは序盤が思いっきりダウンヒルだし…)
ターゲットパワーとタイム予測
東京マラソン2023をターゲットレースとし、「コースデータ(高低差、標高)」「気象データ(気温・湿度)」を設定して計算されたターゲットパワーを把握し、それを意識したトレーニングを今季は行っていきます。
(YouTubeの公式動画でそう説明していたので、素直にそうしてみますw)
気象条件(過去の平均気温・湿度を仮設定)
気温 8℃、湿度 30%
ターゲットパワー
201W +/- 4W (197~205W)
予想タイム範囲
3:04:28 +/- 0:04:00 (3:00:28~3:08:28)