見出し画像

東京マラソン2023への道 [パワトレ マラソン上級編] 10/112

「TEAM ONE TOKYO(プレ期) 年代別ランナー」として東京マラソン2023 に先行当選、ランニング用パワーメーターのSTRYDを使ったパワーベースのトレーニングに取り組んでみてる市民ランナーの練習記録。ポーラ・ラドクリフ女史の「HOW TO RUN」を参考にした中負荷中頻度(週6日)の上級者向けトレーニングとし、回復を重視しつつ、ランニングの日数を増やして練習全体の走行距離と強度を上げていきます。

今週のスケジュール

先週末から通常トレーニングに復帰してみてます。少なくとも今週いっぱいくらいまではとにかく軽めのランニングで、がんばりすぎないように気を付けたいと思います。

月 軽いまたは普通のランニング + ウェイトトレーニングA
火 クルーズインターバル → ファルトレク
水 普通のまたは軽いランニング + ウェイトトレーニングB
木 テンポ走
金 休養 + 体幹トレーニング
土 ヒルリピート + ウェイトトレーニングC(ウェイトは軽く)
日 ミディアムロングラン(できればオフロード、水と栄養補給の練習)

今日のトレーニング

ワークアウト

今日の予定は、

「普通のまたは軽いランニング 12.9~16km(8~10mi)」

有酸素ランから低強度のリカバリーランくらいまでの軽い内容。キロ5分で走ったとして時間としては1時間~1時間半くらいのランニングなので、この時期なら無給水(ノンストップ)で走り切れそう。

今日は朝、起きたら雨が降っている音が聞こえてましたが、

「東京マラソンは70%の確率で悪天候だし、トレイルランニング用のゴアテックス(防水)ジャケットもあるし、昨日到着した新しいSTRYDも使ってみたいんだよなぁ…」

と走らない理由だけがどこにも見当たらなかったのでw、いつも通りのルーティーンで準備を始めて公園へ。

今日は STRYD アプリ内で作成することができるマラソントレーニングプランの中で設定されていた下記の 「Easy Run(パワー設定が低めではない通常のワークアウト)」の距離をアレンジして、昨日到着した新しいSTRYDを投入しつつ、パワーを参照しながら走ってみて、新しい「Impact Loading Rate(衝撃負荷率?)」がちゃんと測定されるかどうか、実際にどのくらいのペースになるのか等…を走り終わってから見てみることにしました。

STRYDアプリのマラソントレーニングプランの「Easy Run(標準)」

目的

・新しいSTRYD(デバイスとSTRYDワークアウトアプリ)の検証
・新しいシューズ(Nike Pegasus Turbo Next Nature)の検証
・フルマラソンからの回復
・来週や明日のトレーニングに向けた体調のコンディショニング
・トレーニング量を増やすことによる有酸素コンディショニング
・ケイデンス 180spm 前後をキープする練習
・さまざまな呼吸リズムやランニングフォーム(主に重心)の検証
・上記のトレーニング強度(パワー)で走った場合のペースや心拍数の検証
・できるだけ止まらずに走り続け、効果的な有酸素コンディショニング(エンデュランスの向上)につなげる
・ペースや心拍数にはこだわらず、とにかくリラックスして走り続ける

考え方やペースなど

パワーベースのトレーニングで、今日のパワー出力はSTRYDのマラソントレーニングプランの「イージーラン」の(リカバリーランではない)強度で走る感じですが、一応、諸先輩方の言うイージーランの考え方やペースをまとめてみると、

ポーラ・ラドクリフ女史
イージーランとしての記載はなし。ロングランの一部に若干具体的なペースの記載があって「回復走として走る場合でも、目指すレースペースの +0.28~0.47/kmで」とあるように、基本的には「有酸素ラン(やや速いペースのジョグ)」くらいまでの強度で走る必要がありそう。

ピート・フィッツィンジャー氏
トレーニングのスタンダードとなるランニングとして下記のような「有酸素ラン」の説明あり

・強度は低めで距離は最長16km(10mi)
・LT走より遅く、回復走より速く、ミディアムロングランより短い
・目的は、トレーニング量を増やし有酸素性の体力を全体的に高めること。持久力を向上させるトレーニング適応の多くはトレーニングの合計量に関係するので、有酸素ランによってトレーニングの全体量が増えればよりよい状態でマラソンのレースに臨むことができる
・最適な強度はマラソンペースより約15~25%遅いペースで、心拍数としては最大心拍数の72~81%(自分の場合147~165bpm)に相当
・翌日に(ハードなポイント練習ができなくなるほどの)疲れが残らないくらいの強度で行うこと

RUNALYZE で Garmin のトレーニング履歴を吸い取らせてみると、具体的なペースとしては下記の通り。
有酸素ラン(Aerobic) 4:28/km~5:14/km

アーサー・リディーアード氏
ジョギングのようにゆっくりではなく、会話ができるくらいの快適な速さで走る
・ゆっくりと走り始めて、なるべく時計を見ないようにしながら自然にペースを上げる
・「有酸素ラン」はトレーニングの後半での位置づけが「回復走」と同じ強度となるので「もっと速いペースで、もっと長い距離を走れるな」という感覚を残してランニングが終了できること(ヘトヘトにならないこと)
・リカバリーに長い時間が必要になる場合はハードに走りすぎている

Running Wizard の計算によると、日々のトレーニングごとに目標ペースや設定ペースの範囲が決められていて、自分の場合、今日の有酸素ランは
有酸素ラン(Aerobic) 4:48/km (4:32~5:14/km)

ジャック・ダニエルズ氏
とくに有酸素ランとしての記述はなく、RUNALYZE で Garmin のトレーニング履歴を吸い取らせてみたところ、今日の自分には
イージーラン 4:32~5:41/km

となっていました。こちらもやはりいろんな考え方がありますね。

結果

公園についてみると普通の雨降り、いわゆる「小降り(こぶり)」で、走行困難なほどの土砂降りやゲリラ豪雨というわけではなかったので、トレイルランニング用のゴアテックス素材のレインコートはパージして(脱いで)しまおうか…とも一瞬考えましたが、シトシト降っている雨は意外と体温が奪われてあとでドッと疲れが出たりするので、防水ジャケットは着たまま(いわゆるサウナスーツを着たような状態で)ゆっくり走ることにしました。そのほかは、ランニングキャップ・ロングTシャツ・ハーフタイツ・ランニンググローブを装着。


シューズ
ペガサスターボ ネクスト ネイチャーを履いたのは今日が初めてでしたが、

「ちょっと走りやすくなったペガサス39みたいだな…」

という印象で、まさに自分の今日の(水曜日の)ようなメニュー「普通または軽いランニング 12.9~16km(8~10mi)」のためにあるようなシューズだな…と思いました。速すぎないスピードで距離を踏む、みたいな用途向け? で、ランニングシューズというよりは「スニーカーとして普段履きしたい」ような感覚になりました。

 ペガサスターボ2に比べて、アッパーがやや肉厚になっていて、足入れがわりとタイト(ちゃんとしたシューズの履き方ができる人なら足がかなりしっかりホールドされる素材と形状)。
 シューズのソールにしっかりとした硬さがあり(ターボ2のように柔らかく沈み込むような感覚はなく)、グリップが改善されてて路面をしっかり捉えるので、足指がちゃんと使えてる(浮指ではない)人であれば、ある程度までは簡単にペースを上げられそう。
 やや重い感じなのでスピード練習やロング走にはちょっと向いてなさそうな印象もありましたが、レースでアルファフライ2を履こうと思っている人にはもしかしたら足の筋肉の強化に最適なシューズかもしれません。
 ※あくまでも個人の感想です。

STRYD Next Gen(新型STRYD)
昨日まで使っていたSTRYDをアプリやGarminからアンペアリング(ペアリングを解除)し、昨日届いた新しい方のSTRYDをペアリング、同時にSTRYDデバイスのファームウェアを更新したりして、念のため、スマホのGarminアプリを開いた状態で STRYD Workout App(Garmin にインストールするSTRYDのワークアウトアプリ)のワークアウトを Garmin と同期(Fetch Workout)させたりしてみたところ、新旧の移行ではとくに問題なく乗り換えることができました。

使い勝手としては、

・走り始めてからのパワー表示のレスポンスが非常に速い
・風が吹いた時やアップダウン(とくに上り)のパワー上昇がこれまでより俊敏(ほぼリアルタイム)
・最初のうちは新しいSTRYDの精密さ(?)に慣れていなかったからか、ターゲットパワーの範囲を逸脱した時に動作する Garmin のバイブレーションがこれまでより頻繫に動作していて、その高感度具合がわかって慣れてくると一定のパワー出力での巡行が容易(レースでの失速の原因となるパワーの急な出力の上げ下げが起こりにくくなった)

といった印象で

「かなり高性能になってるけど、もしかしてわりと速い人向けのチューニングがされたのかな…」

という感想を持ちました。

また、走る前に「ランニングプロファイル(路面や用途)」を以下の

・ラン(ロードでのランニング)
・トラックラン(トラックでのランニング)
・トレイルラン(トレイルでのランニング)
・トレッドミルラン(トレッドミルでのランニング)
・屋内ラン(インドアトラックやインドアコースでのランニング)

の5つから選ぶことができるようになっていて、今朝は「ラン」を選択。

新しく追加された5つのランニングプロファイル

週末、時間が取れるようだったら「トレイルラン」や「トラックラン」も使ってみたいと思います。

また、Garmin にインストールしてランニングする際に使用する STRYD Workout App も使いやすくマイナーチェンジされて以下の4つの画面が用意されており、ボタンを押すことでループするようになっていました(ただボタンを押していくだけで最初の画面に戻れるので、これまでのように「進む」ボタンや「戻る」ボタンの操作が必要なくなりました…地味に便利。

STRYD Workout App の新しい画面構成の内容を確認してみると、

STRYD Workout App のループ表示される4つの画面構成

となっていました。

この前、つくばマラソンを走ったばかりだから思うんですが、これって

序盤からハーフ 最初の画面
 レースの始めに突っ込みすぎないようにパワーとペースを管理
10~30kmまで 2つ目の画面
 レースをラップごとに管理
ハーフ~30km以降 3つ目の画面
 全体の平均パワー、平均ペースで管理
終盤 最後の画面
 上げられるようなら、ケイデンスと心拍数を管理(押しすぎないように)
 疲れてたら、ペース、ケイデンス、接地時間を管理(止まらないように)

みたいな使い方ができるように考えられているような…笑

実際に走ってみるまで上記の画面があることををまったく知らなかったので、今朝は走り始めてから

「あれ、なんだか画面が変わってるぞ?」

と走りながら確認しつつランニング中の使い方を模索してみましたが、今朝のランニングは複数のラップではない単一のラップだったので、2番目の画面と3番目の画面が同じ内容(ラップ画面は意味がない状態)になっていて、基本的には最初の画面で

・タイム
・リアルタイムパワー

の2つだけを見ながらランニング(有酸素ランだし速く走りすぎないように「ペース」は意図的に見ないようにしていた)、時々 4番目の画面で

・ケイデンス(Cadence)
・接地時間(GCT) ← 主にこれを見て、走りながら微調整
・心拍数(HR)

を確認していました。

ランニング中のケイデンスも心拍数も比較的安定していたので、220ms前後と少し長めになっていた接地時間が気になって

「ケイデンスを180spmにキープしたまま、接地時間を200ms程度まで短くするように走り方を微調整してみる」

といったことやってみましたが、これによって

「接地時間200ms前後にできると、心拍数が下がる」

といった現象が確認できました(並行して検証していた鼻呼吸の調整による影響もあるかもしれませんが、切り分けは後日またやってみます)。

分析

STRYDのワークアウトを使って、あらかじめ設定したパワーの範囲を、無理のない感じで雨の中を走っていましたが、新しいSTRYDの敏感さに慣れてきてからは、始終安定したパワーで走ることができて、このままずっと(指定された距離の上限16kmは余裕で)走れそうでしたが、ちょっと物足りないくらい(指定された距離の下限12.9km)で終了。

STRYDのデータを見てみると、

STYRD スプリットテーブル [ディスタンス]

グラフをパッと見るだけで、コースとしてはコーナーも多くゆるやかなアップダウンがあり、雨や風が強い時もありましたが、淡々と一定のパワーで走っていたことがわかります。

概ね、良好なデータですが、新しく

Impact Loading Rate (衝撃負荷率?)

というピンク色のラベルの項目が追加されていて、ピンク色のグラフも表示させることができるので、リアルタイムで変動している「なんらかの値」のようです。

公式サイトの説明ページがまだできていないようなので詳しいことはわかりかねますが、実際の今朝のランニングデータ上の Impact Loading Rate(衝撃負荷率?)は、

・下りで大きくなる
・ペースが速いと大きくなる
・上りで小さくなる
・ペースが遅いと小さくなる

といった特徴があるようです…なんとなくですが、

「ある一定の期間で、大きい数値が蓄積されると、故障につながる」

みたいなことが数値化されるっぽいですね。

今日は基本的にずっと一定のパワーをキープしてゆっくり走っていたのでピンク色のグラフの変動があまりはっきりしない感じになっていますが、明日は少し速く走る区間があるのでもうちょっとピンク色のグラフの変動がわかりやすくなるかもしれません。

StravaのGAP(推定平地換算ペース)のデータを見てみると、

Strava のGAP(推定平地換算ペース)のグラフとスプリット

ちょっと細かくてわかりづらいのでまとめて抜粋すると、

平均GAP(推定平地換算ペース) 5:27/km
GAP範囲 5:16~5:33/km
平均心拍数 148bpm
心拍数範囲 132~153bpm
平均ケイデンス 181spm
ケイデンス範囲 180~182spm

といった感じで、雨と風が強い時間があったり、動きにくいゴアテックス素材のウィンドブレーカーを着ていたり、新しいSTRYDを走りながら感覚的に理解する必要もあったりで、スピードを上げる気にはまったくならなかったので、ペースとしてはフィッツィンジャー氏の推奨ペース範囲(4:28~5:14/km)やリディアード氏の推奨ペース範囲(4:32~5:14/km)よりやや遅く、ダニエルズ氏の推奨ペース範囲(4:32~5:41/km)とフィッツィンジャー氏の心拍数の目安(147~165bpm)には収まっていました。

課題

水曜日はトレーニング量の増加と明日のトレーニング(通常はテンポ走)に向けたコンディショニングが目的なので、強く走りすぎて疲労を残さないことが重要(あんまりゆっくり過ぎるのも良くないみたいだけど)。身体が回復して新しいトレーニングルーティーンに慣れてきたらもうちょっと速く走っても大丈夫そう。

その他

ちょっと見逃していましたが、CP(クリティカルパワー)が

・11/22 218 → 220W
・11/23 220 → 221W

と変動していました。CP が 3W も違ったらかなり速くなってるはずw

STRYD Power Center の今日の状況

今週まではつくばマラソンからの回復期間として、少しゆったりとした復帰トレーニングを行っていますが、変動したタイミングのメニューでやったことは以下の2つでした。

・坂道を含むファルトレクで疾走区間のパワー出力を上げる(11/22)
・ロードで一定のパワー出力のまま止まらずに走り続ける(11/23)

また、今日から新しいSTRYDデバイスに切り替えて「Impact Loading Rate(衝撃負荷率?)」という謎の数値の計測が始まっていましたが、画面まで用意されていて近いうちにリリースされるという「Lower Body Stress(下半身のストレス)」は今日の時点ではまだ動作していないようでした。

Lower Body Stress の画面(ポップアップで「LBS 0」と表示はされる)

STRYDの公式の説明ページが出てくるまでは「Impact Loading Rate」や「Lower Body Stress」については、ちょっと探してみたところ、海外の論文を当たらないと情報が出てこない感じなので、時間のある時にいくつかそれっぽい情報に目を通してみたいと思います。


いいなと思ったら応援しよう!