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基本持論2.「コンセプティング理論」

「言葉がなかったら、私は何か考えることができるだろうか。」

今から6〜7年前の新秋の頃、東京のとある禅寺で坐禅体験をさせてもらった時にそんなことを考えたことがありました。

その禅寺は曹洞宗に属しており、坐禅中は何か考えが浮かぶとそれを無視したり受け流したりして、何も考えないようにしなければいけませんでした。

これがなかなか難しく、次から次に何かを考えてしまいます。雑念ってやつですね。その時に(考えてはいけない中で)考えたのが

「こうやって"言葉"を組み立てて、自分は何かを考えている。だったら言葉がなければ無我になれるのでは?」

ということです。

そっから自分自身を「あ」という言葉しか知らない人間と設定して、坐禅中ずっと心の中で

「あ〜〜〜〜〜〜。(ブレス) あ〜〜〜〜〜〜。(ブレス)」

とやると結構これが何も考えないのには、割といい感じでした笑

そんなこんなで坐禅も終わり、自宅までの帰路についていましたが、ふと

「知ってる言葉が少なければ思考がなくなったり、狭まるなら、逆にたくさんの言葉や概念を知っていれば、思考の幅が広がるのでは」

と思いました。当たり前かも知れませんが、私の中では大きな発見でした。

例えば私は前職で新規事業開発の仕事をしていましたが、MVP(Minimum Valuable Product)やリーンスタートアップ、アジャイル開発、会計管理システム、マーケティング、DXなど様々な概念と言葉を覚えることにより、今まで考えなかった領域でものを考えられるようになりました。

つまり”言葉によって私は考えさせられていた”ということで、新しい言葉や概念を覚えたり、言葉を創り出せば新しい領域(世界)で思考でき、新しいサービスなんかの開発も容易にできるかも知れないと思いました。

例えば、前回書いたクソミソ理論もそのコンセプトの一つです。

新しいコンセプトを作っていくことが、思考の世界を広め、新しい世界を作るのではないかと思っています。

それをあえて「コンセプティング理論」と名付けました。※自分ではコンセプティング理論をコンセプティングしたといっています。

理屈だけだと解りづらいので例え話をします。例えば、美味しい料理について。

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世の中にはフランス料理イタリア料理やラーメン、スイーツやお寿司などたくさんの美味しい料理が溢れています。食べログでもそういったカテゴリの店は3.5以上の点数をバンバン出してきます。

そういう料理って実際めちゃくちゃ美味しいですけど、そういうめっちゃ美味いのじゃないのが食べたい時ってありますよね?

「今は普通に富士そばとかが俺の中で★4.2」とか

「めちゃくちゃ美味い訳じゃないけど、このノスタルジックな定食屋、今完全に★4.8」とか。

SNSとかまとめ記事とかで「こういうのでいいんだよ」っていう言葉あったりしますよね?そんな感じです。わかりますよね?この感じ。

まさにこういう、「わかるよね?この感じ」的なのが新しい言葉や概念が生まれるタネだと思います。まだ言葉ができてない時の淡い状態です。(共感されずとも”この感じみんななんでわからないんだろう?”的なものも革新的なタネになると思います)

仮にこの「こういうのでいいんだよ」状態を「KDD状態」と名付けます。(KouiunoDeiinDayo)

そうすると、「KDD状態」という言葉を使ってものを考えることができるようになります。例えば食べログの評価軸にはKDD状態のような、その人の状態によって料理屋への評価が変動する余地が含まれていないよね~。とか。

誰しも、いつでも、最高に美味しいものを食べたいか?KDDな時の方が多くない?とか。

少なくとも私はいつもいつも最高に美味しいものを食べたいとはおもいません。なんの変哲もない普通の醤油ラーメン食べたいときもあれば、おばあちゃんがやってるような定食屋で味ではなくノスタルジーな雰囲気を楽しみたいこともありますし、ジャンクな体に悪そうなハンバーガーを食べたいときもあります。つまりKDDな時がめっちゃ多いです。

そんな私の為にも「KDD状態」を軸にした飲食店の口コミサイトがあってもいいのでは?同一の評価軸じゃなく、そういう状態のときにサクッと食べるには最高だよ!的な指標の口コミサイト。

バキバキの味推しの飲食店よりも、KDD状態に食べに来てほしいと思ってる飲食店の方が多くないだろうか?だとしたら飲食店的にも好まれて市場もあるのでは?よし、これは試しに市場調査してビジネスモデルを描いて、計画してみよう。

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みたいな感じです。

新しいコンセプトと言葉は新しい領域でものごとを考えさせてくれる助けになります。なぜなら人は言葉を組み立ててものごとを考えるからです。

なので、「上手いこと言えないけど、なんというか違うんだよなー。」という感覚を大切にして欲しいです。

そして可能であればその感覚をコンセプティングして言語化して欲しいです。

その言葉とコンセプトは一般的に伝わらなくても良いです。小さなコミュニティ内でしか通用しない暗号みたいなものでも良いです。

何故ならそういう小さなコミュニティが新しい価値観感を創り、新しい文化を創り、新しい世界を創っていくんだと私は信じてるからです。



この感覚わかりますよね?

ではまた。


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