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voice_watanabe
ビジネスを哲学する|9. くり返しって何だろう?
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組織には〈慣性の法則〉がはたらく。
つまり、3人以上の人が交わす「交換条件つきの約束」には、また同じことをやるという〈慣性の法則〉がはたらく。
「交換条件つきの約束」の前にあった、「無条件の約束」についてはどうだろう?
「無条件の約束」とは、人と会うための約束だった。
たとえば、3人の人が会う約束をして、ただ会っておしゃべりをする。
そして、「また同じことをやろう」と言って、また会う約束をする。
「交換条件つきの約束」は出てきていない。
こうして、「また同じことをやろう」と言って、3人がただ会っておしゃべりをするということを、5回6回とくり返したら、どうなるだろうか。
つまり、「無条件の約束」を5回6回とくり返したら、どうなるだろうか。
5回6回くり返しただけでは、〈慣性〉は生じないように思われる。
やはり、「また同じことをやろう」とわざわざ言って、「無条件の約束」をふたたびする必要がある。
では、10回20回とくり返したら、どうなるだろうか。
20回もくり返せば、「また同じことをやろう」と言わず、それをとばして(それを暗黙の了解にして)、「次はいつにする?」などと言いはじめてもおかしくなくなるだろう。
すなわち、「無条件の約束」であっても、くり返せば、弱いながらも〈慣性〉がはたらく。
だとすると、「交換条件つきの約束」の場合、どうして〈慣性〉は強くなるのだろう?
そしてそもそも、「無条件の約束」の場合であっても、どうして〈慣性〉が生じるのだろう?
つづく
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