ビジネスを哲学する|10. モチベーションの維持って何だろう?
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人と会うための「無条件の約束」(交換条件なしの約束)であっても、10回20回とくり返すと、〈慣性〉が生じる。
また同じことをするということが、暗黙の了解になる。
たとえば2人の人がただ会っておしゃべりをする約束でも、20回もくり返せば、「また同じことをやろう」と言うことなしに(また同じことをやるということを暗黙の了解にして)、「次はいつにする?」と言っても、おかしくなくなってくる。
それはどうしてだろう?
2人の人が会っておしゃべりをするときのモチベーションは、楽しみを得ることや、情報交換をすることといった、何かしらのメリットだ。
そのようなメリットがモチベーションになっているから、最初のうちは「また同じことをやろう」と言って、また会っておしゃべりをする約束をくり返す。
つまり、自分のモチベーションが維持されているから、「また同じことをやろう」と言って、同じ約束をくり返す。
するとそのうち、自分のモチベーションだけでなく、相手のモチベーションも維持されているということを、見込むようになる。相手もまた同じことをやりたいだろうなということを、見込むようになる。
そうすると、また同じことをやるということを暗黙の了解にして、「次はいつにする?」と言うようになる。
相手のモチベーションの維持を見込むようになるのだ。
相手のモチベーション維持の見込み。それが2人の人が会うときの約束にもはたらく〈慣性の法則〉の根底にある。
だとすると、さらにこのように問うことができる。
どうして相手のモチベーション維持を見込むようになるのだろう?
つづく
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