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「正しい勉強法」は存在しない

高校教員の仕事をしていると、最も生徒から相談される内容は「正しい勉強法」についてです。

巷にあふれる勉強法の書籍

世間には勉強法の本があふれています。

有名どころで言えばやはりこの名著は欠かせないでしょう。

受験数学を「暗記数学」と言い切ったという点において非常に評価の高い著作です。

自身の受験勉強の体験だけでなく、指導者としての経験を踏まえた上で書かれた点から客観性と再現性の高い内容です。

若干の古さは感じますが、依然として受験勉強法の第一人者は和田先生でしょう。

また、最近は現役東大生の著作が多いようです。

著者は現役東大生でもある著作家の西岡壱誠。浪人経験を生かした現役東大生のノウハウを詰め込んだ内容です。

これらはほんの一部で、これ以外にも心理学などからのアプローチなど多種多様な学習法の本が存在します。

学習法に正しさは存在するか

生徒から相談を受けた時もそうですが、基本的に教員が生徒に対し「正しい勉強法」を提示するのは不適切だと私は考えています。

私は学習法の提案などは行いますが、「正しい勉強法」といった答えをした記憶はありません。

本人のレベルや学習への向き方などは千差万別で、自分自身のやり方を進めても効果があるかは疑問が残ります。

例えば、英単語を覚える場合は、私は基本的に書かずに「読む→小テスト」の繰り返しが効果が高いと考えています。

しかし、発音法則や発音記号をしらない生徒が英単語を書かずに覚えることは綴りが頭に入っていない場合には効率を著しく低下させます。

「正しい勉強法」は存在しないが…

こうした理由から、「正しい勉強法」は存在しないとするのが順当な判断ではないかと思います。

とはいえ「勉強法」のやり方を網羅するのは数少ない事例であり、工夫して利用すること自体は決して無駄にはならないでしょう。

生活やその時点での学力を把握して活用すれば大きな武器にはなります。

また、その過程で自己理解が深まり、適切な進路を発見するきっかけにもなるのではないでしょうか。

ただ、「勉強法博士」を目標としているわけではないので、ご注意を。

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