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周囲を振り回す境界性|パーソナリティ障害

こんにちはSHOです。僕のnoteを読んで頂きありがとうございます。

今回のテーマは「境界性パーソナリティ障害」についてです。

「パーソナリティ障害」とは自分自身だけではなく周囲も苦しむ状態で、性格の著しい偏りのために生活に重大な支障が生じるほど程度が強いものをいいます。少しくらいその傾向があっても、支障なく生活ができている限りではパーソナリティ障害ではありません。

○境界性パーソナリティ障害とは?

この話をするといつも頭に思い浮かぶあるアニメがある。

それは「エヴァンゲリオン」です。この作中に出てくる登場人物は、何かしらの闇を抱えている人ばかりです。その中でも「惣流アスカラングレー」という女の子がいます。この子が境界性パーソナリティ障害のような特徴を示す行動をとっているんです。

後述しますが、境界性パーソナリティ障害には診断基準が設けられていて、それから鑑みるにはアスカは境界性パーソナリティ障害とはいえないと思うのですが、何かモチーフとなる人物がいるとイメージしやすいかなと思いますので、エヴァンゲリオンのアスカがわかる人はイメージして頂けたらと思います。

ちょっと本題からずれてしまったので、ここから話を始めていきます。

境界性パーソナリティ障害は、気分、対人関係、行動といった面で変動が激しく、短い間にくるくると状態や態度が変わってしまいます。


元気だったと思っていたら.…

いつの間にかどん底に落ち込んでいる

自傷行為や自殺企図が多いのも特徴です。

もし、あなたの大切な人が「もういい、死んでやるんだ」と本気で言い始めたらどうでしょうか?

「はい、お好きにどうぞ」とは思えないはずです。自分の家族や友達がこんなこと言い始めたら間違いなく心配します。


ただし、境界性パーソナリティ障害の人はこれが狙いなのです。このような挙動を取れば周りの人は慌てて自分を見てくれる、愛情や関心を注いでくれると思うんです。周りを心理的にコントロールし、振り回してしまう。これも境界性パーソナリティ障害の特徴です。

心配してくれた時はいいのですが、元気になればまた元通り、他の人も自分のことをやっていきます。誰も構ってくれなくなったらまたやるんです、同じことを。

「命」を天秤にかけられると周りのひとも大変。支えていく側も疲弊していってしまいます。

現在午前3時としましょう。ある彼氏と彼女の会話。

彼女「もしもし、あたし。ねーすごく辛いんだけど。今すぐきて」

彼「え、今3時だよ?明日朝早いんだよ。仕事だから無理」

彼女「ふーん。私より仕事の方が大事なんだ」

彼「俺だってもう振り回されて大変なんだ!仕事遅刻できないし!」

彼女「わかった….もういい。今から私そっちいくから。それで家の前で死んでやる」

彼「いい加減にしろよ!もういい二度と電話してくるな!」


ガチャ。

そして、LINEがブロックされていることに気づく。

……グサっとリスカ….そんなケースもありえるでしょう。
私がダメだから、こんなんだから。嫌い、嫌い、嫌い、みんな大嫌い!!!!生きててごめんなさい、ごめんなさい。しっかり痛いから許して…お願い….

通常だったらあり得ない行動ですが、境界性パーソナリティ障害の人はこのような行動をとりがちです。主に若い女性に多いです。

○境界性パーソナリティ障害の診断条件

下の図をご覧ください。

○境界性パーソナリティ障害になる要因

根本は「親へのこだわり」です。

必要な時期に親から十分な愛情と保護を与えてもらわないと、そうなりがちです。例えば、親が病気だったり離婚していたり、亡くなっていたりする場合です。

また、両親が揃っていても夫婦間の愛情に問題があれば、子どもの養育にも影響します。

親(自分)の気持ち>子どもの気持ち

親が子どもに十分な愛情を注ぐだけの気持ちの余裕を持てないと、まずは親自身が自分のことに夢中になり、子どもの置かれた過酷な心理状況に気づかないことがあります。

「なんでお母さんは私のことを見てくれないの…」
「そっか、私がダメな子だからか」
「私って必要とされていないんだ」
「いなくなっちゃえばいいんだ」

このようなことを思うようになります。これがきっかけで境界性パーソナリティ障害を発症することが多いです。

「人はいつか自分を見捨てしまう、絶えずしがみついていないと、自分を置いてどこかにいってしまうのではないか….」こんな不安を常に持っているのです。

○周りの人はどうすればいいのか??

一言でいうならば「変わらないこと」です。

境界性パーソナリティ障害は本人の気分や周囲への態度が目まぐるしく変化します。周りの人はこの変化についていけずに疲れてしまい、どうすればいいのか困ってしまうでしょう。

こんな時は「戦わないこと」が一番です。相手の揺れ動きを止めようとしないことです。本人の調子がいい時も悪い時も、できるだけ変わらない態度で接することが一番です。

境界性の人は、子どもの頃の不安定な愛着の問題を抱えているケースがほとんどです。愛されるべき時期に愛されなかった愛情飢餓や、親の一方的な押し付けで支配されてきた窮屈さを抱えています。なので、まずはその相手を肯定しましょう、受け止めましょう。


あともう1つ大事なことは「限界設定」です。

境界性パーソナリティ障害の人は依存と援助をとにかく求めます。なので「ここまではできるけど、これ以上はできないよ」というような接し方に境界線を作っておくことが重要なのです。例えば「昼間は話せるけど、夜中は電話できないよ」などです。このようなことはハッキリと伝えましょう。

「もし、この約束を守れなかったら病院に行くからね」
「ちゃんと守れる?約束できる?」

こうやって約束をしていきましょう。相手の命を守るためにも、こちらの安全を守るためにも、優しさだけではなく厳しさも必要なのです。

○まとめ

今回は境界性パーソナリティ障害について触れてみました。

パーソナリティ障害系は、当事者が苦しいのはもちろんのことですが、その周りにいる人も同じように苦しくなります。振り回されてしまうし、どうしたら良いのかわからなくなってしまうからです。

だから、周りの人は「このようなタイプの人がいるのか」ということをまずは分かって頂きたいし、対応の仕方を知っていて欲しいのです。


そして、当事者は日々の記録をつけていくようにしましょう。日々の気づきが大事で、どんなことがあって、どんなことを感じて、何をしたのかということを客観的に記録をしていくことは大事です。これをすることで、自分が過剰反応していることに気づくことができるようになります。


というわけで今回はこれまで。
ここまで読んで頂きありがとうございました。


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