【アダルトチルドレン】惣流アスカラングレーで説明する「自分で自分を満たす難しさ」
「エヴァンゲリオン」というアニメをご存知ですか?
2021年3月に映画によって完結はしましたが、1995年のアニメ放映当初から大きな反響があり、社会現象にまでなった日本を代表するアニメの一つです。
作中には個性あふれるキャラクターが多数登場しますが、その中でも今回は「惣流アスカラングレー(以下:アスカ)」に着目して話を進めていきます。
○今回の投稿をおこなった経緯
まずは、なんでこんな投稿をしたかという理由をお伝えします。
友人と会話をしているときに、その友人が「自分に自信を持てない人の気持ちがわからない」ということを話していました。
この件に関する僕の考えは下記にまとめています。
僕は、「最初から自信がある人なんていない」ということと「誰しもが自力で自信を手に入れられるわけではない」と考えています。
まずは「自分は必要とされ、価値ある人間なんだ」ということを他者から認められる必要があります。大抵の場合は、最初に行うのは【親(特に母親)】です。
親から無条件の愛を注がれて育った場合ならよいのですが、すべての人がそういうわけではありません。子どもの頃の経験は潜在意識に強く刻まれるので、変えようと思っても簡単に変えれないものです。
では、どうすればいいのでしょうか?という話をしたくて、今僕は手を動かしております。どうすれば自分に自信を持つことができるのでしょうか?
僕は「他者から認められる、評価される」経験がすごく大事だと思っているのですが、例を挙げて説明したほうがわかりやすいので、今回はアスカのひととなりを紹介しながら話を進めていきます。
また、今回の投稿はこちらの過去投稿も参考になると思いますので貼っておきます。
○アスカのプロフィール
生年月日:2001年12月4日
血液型:A
年齢:14歳
所属:NERV/EVA弐号機専属操縦者
身長:157cm
●性格
ウィキペディアからそのまま引用してきましたが、これを見る限りだとアスカは典型的な自己愛性パーソナリティー障害の症例だと思います。後ほど、作中でのアスカのセリフもピックアップしていきます。
なぜ、このような性格になってしまったのかは、アスカの生い立ちが関係しているのでみていきましょう。
●生い立ち
アスカの性格形成に最も影響を与えているのは、母親との関係です。
アスカの母親は、エヴァ接触実験の失敗で精神崩壊を起こします。
人形を実の娘だと思い込んでアスカを全く見なくなり、ついに自殺。その直前「一緒に死んでちょうだい」とアスカを誘っています。
アスカはこの経験がトラウマとなって、「もう泣かない」「誰にも負けられない」と決意。「周りから必要とされる価値ある自分でいなければ」という一種の強迫観念のようなものを持つようになりました。
○作中のセリフから窺えるアスカの性格と変化の過程
アスカの初登場シーンは、TVアニメの第8話です。表情に自信がみなぎっており、いかにも思春期の女の子といった印象があります。
●第8話 アスカ、来日
この時に弐号機が初披露されるのですが、シンジにたいして放ったセリフがこちらです。
「エヴァに乗ることが自分が他者より優れている証明」だと考えているアスカは、他のパイロットである碇シンジ(以下:シンジ)や綾波レイ(以下:レイ)との違いを誇示します。
第6使徒ガギエルが弐号機を輸送中の艦隊を襲ってきたときは、自らの力を披露するときだと上司の葛城ミサト(以下:ミサト)の指示を待たずに、シンジと一緒に弐号機に乗り込み出撃。とにかく自分はすごいんだということを見せつけたいのです。これは「承認欲求の塊」だといっても過言ではありません。
●第9話 瞬間、心、重ねて
この回は、アスカのプライドの高さと脆さの両方が垣間見れる回です。
初号機と弐号機共同で出撃するように命令をされた際のシンジとアスカの会話がこちら。
とにかく自分の凄さを誇示したい、他のパイロットよりも優れていることを見せつけたいがゆえのセリフでしょう。
ちなみにこの戦いは負けてしまいます。敗戦後のシンジとアスカのセリフがこちら。
負けたのは自分のせいじゃない、シンジのせいに擦りつけます。これは自己愛性パーソナリティ障害の特徴で、自分の非を簡単には認めません。認めてしまったら、自分の存在価値がなくなると思い込んでいるからです。
結局この後、シンジとアスカのコンビネーションをアップするために特訓するのですが、これもなかなかうまくいきません。
原因は、アスカがシンジのことを全く気にせず、自分のペースでおこなってしまうからです。基本的に、アスカは自己中心的な性格なのです。
これをみかねて、ミサトはアスカに代わりレイとコンビネーションを試すように指示をすると、驚くほどに見事なコンビネーションをみせます。それを見てアスカはショックを受け、泣き出し飛び出していってしまうのです。
アスカを追いかけていったあとの二人のセリフがこちら。
自己愛性パーソナリティ障害の特徴として、勝ち負けでしか物事を捉えられないというのがあります。他人を自分より上か下かでしかみれないので、どうしてもこうなってしまいがちです。(ちなみにこの戦いは協力して勝利する)
そして、この回はこんなシーンがあります。
「ママ….」
アスカが寝ぼけてシンジの布団に入ってくるシーンがあって、その際に言ったセリフ。これに対してシンジは「…自分だって子供の癖に…」とボソっとつぶやきます。アニメ版のエヴァはところどころでアダルトな描写が入ってくるのが特徴です。
●第12話 奇跡の価値は
この回では、なぜアスカがエヴァに乗るのかが分かります。そのセリフがこちら。
「自分の才能を世の中に示すため」とハッキリ言っています。これは自己顕示欲といってよいでしょう。誰も認めてくれなかったから、アスカにとってはエヴァに乗るしか自分の存在価値を証明する手段がなかったのです。
ちなみに……
別のアニメになってしまいますが、NARUTOの主人公であるうずまきナルトも「里(木の葉隠れの里)にみんなに自分の存在を認めさせてやるんだ」と言います。ナルトの両親は殺されていますから、かなり厳しい境遇で育ってきました。
それが成長して将来は里を敵から守り、火影(ほかげ)となり里のトップまで昇り詰められたのは、うみのイルカに認められたことが非常に大きいです。
誕生日に両親を殺されているナルトとの違いは「他者承認」の経験があるかないかです。ナルトがイルカ先生を大事にしているのはすごく分かります。厳しい境遇を乗り越えた成長ストーリーがNARUTOの面白いところです。
●第22話 せめて、人間らしく
アスカは使徒との戦いで負けが続いていて、自信喪失気味。シンクロ率も低下し、精神崩壊寸前のところまできてしまっています。
エヴァパイロットであることが、他者より優れている証明になると考えていたアスカにとって、パイロットとしての価値がなくなってしまうと、自分の存在価値自体を失うことになってしまうからです。
上の写真のような状態がしばらく続いたあとのアスカとレイが同じエレベーターに乗っていたときのセリフがこちら。
あなたはどう思いましたか?この一連のやり取り。アスカが登場してきてからのセリフと見比べても、かなり闇が深くなってきてしまいました。
アスカはエヴァや綾波のことを「人形」と表現しています。なんでも自分の思い通りにしたいという気持ちの表れのようにみえますが、僕は「私のことをコントロールしないで!」という意思が非常に強いのかなと思いました。
はじめから「人形」という意思のないものだと決めつけて、自分の優位を保ちたいのです。それがレイに「エヴァには心がある」とか言われちゃうから逆上してしまいます。エヴァに乗れない自分が下=価値がないと思い込んでしまっているわけです。
この回で襲来した第15使徒アラエルと対峙した弐号機(アスカ)は、精神侵食攻撃を受けて、過去をえぐられてしまいます。
さらに、自分が苦しんでいる際に誰も助けてくれなかったことから、レイのほうが価値があると思われていると感じ、完全に自信喪失。これ以降、弐号機を起動させることができなくなってしまいます。
エヴァパイロットであることに自分の存在価値を見出していたアスカは、これで精神崩壊。ただもうベットに横たわるだけの廃人と化します。
●第24話 最後のシ者
先に回想シーンのセリフから。
前述の通り、アスカの母親は自殺しています。そして、アスカが好意を抱いていた加持さんも死んでしまいました。完全に闇落ちしてしまいます。
●第25話 air(旧劇場版)
使徒を全体倒し、今度は人間が襲ってくるという不思議な展開になります。エヴァパイロットを殺そうとしていたので、起動できないにしても機体内が一番安全ということでアスカは弐号機の中に入れられます。
もはや、自分が生きていることすらわからない状態にまで追い込まれているアスカ。
そんなとき、アスカの母親の声がどこからか聞こえてきます。このシーンのセリフはこちら。
アスカは弐号機の中に母親の魂があることに気づきます。自分のことをずっと見てくれていなかったと思い込んでいた母親が、ずっとそばにいて見守ってくれていたことに気づき覚醒するのです。
○まとめ
今回は、エヴァンゲリオンのアスカを例に出して、「自分で自信をつけることが簡単なことではない理由」についてまとめてきました。
友人と会話をしているときに「自分に自信を持てない人の気持ちがわからない」というワードが出てきましたが、僕の考えではこれは「他者から認められたことがある経験がある人」だから言えることだと思っています。
自信がありそうに見せている人もいますが、それはあくまで「見せかけの自信にすぎない」というのが僕の考えです。だから、そのようなタイプの人は崩れやすいし、崩れたときはドーンと立ち直りができないくらい一気に落ちます。
今回の文中でナルトの例を挙げましたが、幼いときに両親の死などを経験して正常な愛情を注がれて育っていなかったとしても、他者から認められる経験があるかないかで雲泥の差が生じます。
ナルトと比較しながらアスカの生い立ちや性格を見ていただけると、僕の考えも伝わるのはないでしょうか。
また、アスカは「アダルトチルドレン」であり「自己愛性パーソナリティ障害」でもあると考えます。
アダルトチルドレンについては、NARUTOのキャラクターの一人「うちはサスケ」を例に出して書いていますので、ご興味ある人は参考にしてください。
<SHOのサービス一覧>