GIGAスクール構想
久しぶりにログインしたら1年以上前に書いた記事がなんか結構引用されたらしくビビりました。ネット恐るべし。
さて、今回はGIGAスクール構想について少し思いを書きたいと思います。
はじめに自分の立場を書くと、GIGAスクール構想は大賛成だし、教育に限らずとにかくガンガンICT化していって、問題があれば改善すればいいじゃんという考えです。
そもそも日本の現状として。2018年のPISA調査でICTを学びに使っている割合がOECD加盟国の中で最下位、一方ICTでゲームやチャットをする割合はPISA参加国中1位という衝撃的なデータがあります。あくまで想像ですが、このデータが出たからこそGIGAが進んだと思われます。
それ以前から教育にICTを活用するという動きはありましたが、一部の学校に限られていました。ちなみに、私立高校ではこの時期に1人1台端末を持たせるところが多くなってきました。
1人1台PCというのはすごく画期的と言われていますが、政策としては途上国の行う政策です。ICTが生活に浸透し、その必要性を理解している国であれば、「学校で使うから買ってください」といえば家庭で準備するでしょう。ですが、当時の(今も?)日本では「小学生にPCなんていらない」という意見が出て「うちは買わない」となるのが目に見えていたので、全員配付にしたわけです。ちなみに同様の政策をケニアを行っています。(2013年に実施)
ラン活なるものがありますが、高価なランドセルよりもタブレット端末のほうがよほど子どものためになるのですが、そういったマインドになるのはいつになるのでしょうか。。。
GIGAに対して否定的な教員も一定数いますが、多くは「ICTで学力は上がらない」「タブレットもたせたら授業中にYouTube 見たりゲームしたりする」といった声が多いです。
「ICTで学力は上がらない」に関して言うと、たしかにそういったエビデンスはありません。なぜならばそういった環境が整ったのは最近であり、なおかつその環境は日々刻々と変わっているからです。ただ、私教育の業界に目を向けるとICT(動画授業)を取り入れていないところは無いですし、もはや使うのが当たり前の状況なので、議論するのは難しいように感じます。
「タブレットもたせたら授業中にYouTube 見たりゲームしたりする」と言った意見は、もっともなのですが、ここには2つの問題が隠れていると思います。
1つ目は授業がYouTubeやゲームよりもつまらないという問題です。
GIGA以前にiPadを全員に持たせた高校の公開授業でも「iPad持たせたら授業中に関係ないことしませんか?」という質問が出されました。その時導入されていた学校の先生のされた答えが今でも忘れられません。
「授業に関係ないことをするということはその授業がつまらないということです。今まではゲーム機を取り上げ、スマホを取り上げ、授業に参加せざるをえない状況にしているから参加しているように見えていたわけですが、それが果たして生徒のため、教員のためになるのだろうか?と考えました。参加したくなる授業をする努力をするべきだし、参加しない生徒が何故参加しないのかを考えないと我々教員は進歩しません。それをタブレットは教えてくれました。ちなみにiPadを導入して授業中に関係ないことをしている生徒も出てきましたが、進学実績は上がっています。」
教員が大勢の生徒に教えるというスタイルは150年前にできたわけですが、当時この方法が取られた理由は「効果が高い」からではなく「教員が足りないから」だったということはあまり知られていません。寺子屋は個別最適な学びを提供していましたし、学制以降も今注目されている自由進度学習などは国内の至る所で行われていました。ただ、マンパワーや評価の問題があってなかなか取り入れにくいといった状況がありました。
ですが、GIGA端末が入ったことで、これらの問題が解決に向かっているのです。昔からやられているけど、効果が高いわけではない教育法を脱却して効果の高い教育法へと転換を図らなければならない時期なのですが、慣れ親しんだやり方いこだわる教員がいる限りそれは進みません。もし未だに旧態依然とした授業をする先生がいたら150年前のやり方まだやるんですか?と言いたいものです。