小2長男、読み書き検査を受ける
読み書き検査を受ける目的
長男は小1の夏休み明けから学校に行くのが嫌だと主張し、小2の2学期からほとんど行っていない。
理由としては色々あるのだが、
『宿題がめんどくさい』
『なんで国語とか算数とかをずっとやるの?』
『なんで自由に自分のやりたいことができないの?』
というのが日々言っていたことだった。
じゃぁ自宅で学習するか!と、プリントとかを一緒に取り組んでみると、特に文章問題が苦手なことに気付く。
私が読んであげるとサクサク答えられる。
しかし、記述式の問題や作文をめちゃくちゃ嫌がる。
言葉では流暢に喋れるのに、さっき言ったことをそのまま書くことができない。
私が先にメモしておいた文字をみて、やっと書けていた。
私が隣にいれば何とか頑張って問題をとけるけど、離れていると途端に手を止めてしまう。
当時の担任から、文章問題のテストを白紙で出していたと聞いた。
などの様子をみて、これは何かあるかもしれない、と思った。
色々調べていくうちに、知的に遅れはないものの、学習障害のひとつであるディスレクシア、読み書きに困難があるのではないかと思った。
結局、学校のプリントでの学習を親子だけで進めようとするとバトルになりそうだったので早い段階でやめて、タブレットで漢字のアプリ学習をたまにするか、オンライン授業か動画学習を気分でやっている。
読むのは出来るようになってきたが、書くのは未だにかなり抵抗があるので無理やり書かせることはしていない。
迷路やあみだクジを書いたり、思い付きで手紙を書いたりポジティブに出来ることだけをしている。
WISC
まず、学校に勧められて受けたWISCでは、ワーキングメモリがかなり低く、逆に処理速度など他の項目との差がとても大きいことがわかった。
この時、心理士の人からは
『真面目で完璧主義なのに、先生の言ったことを覚えていられない、また忘れちゃった、って思うのは辛かったと思います。さらに聴覚過敏もあって、学校はさぞ苦しかったでしょう。
でも、学校なんて行かなくても全然大丈夫ですから❗』
と、校長や担任の前で太鼓判を押されたw
これは小1の10月に勧められて受けられたのが次の年の2月。この結果があって、通級に申し込めるのだけど、通級は当時いっぱいで、入れたのは小2の4月から。
とにかく検査も特別な対応も時間がかかって待ってる間に目的を忘れそうになるくらいだった。
この結果を元に、教育センターへ相談すると、ミムという読み書きスクリーニング検査を通級で受けることと、視覚発達検査またはディスレクシア外来のある病院の受診を勧められた。このあとは、全て実費である。
視覚発達検査
ディスレクシア外来の病院は、他の病院からの紹介状がないとそもそも受診できないと断られた。次に視覚発達検査を行っているかわばた眼科の予約をとってみる。小1の3月に予約をとって、1回目の検査が6月、2回目が8月だった。そして結果はその1か月後にレポートで届いた。
分かったことは、視力に問題はないが、若干遠視があること。でも治療するほどではないこと。
眼球運動には全く問題がないこと。
やはり、読み書きの課題で困難があり、特に耳から聞いた言葉を文字に変換するデコーディングという機能が弱いということが分かった。
かわばた眼科では、眼球運動のトレーニングは行っているが、読み書きだけのトレーニングはやっていないとのことで、いくつか発達外来や専門病院を紹介された。これが小2の9月末頃。
読み書き検査~STRAW ~
そして比較的通いやすい場所に、読み書き検査を行っている、しかもその後トレーニングをやっている小児科を見つけた。
ちょうど知り合ったホームスクーラーも行ってると聞いたり、信頼する友人の勧めもあり予約してみる。
が、予約が全然とれない。それが突然でたキャンセル待ちで『明日急遽空きが出ました』と連絡あり。
何とか都合をつけて、初回面談。
その後2ヶ月の間にSTRAW という読み書き検査と、KABC検査という子どもの知的能力を認知処理過程と知識・技能の習得度の両面から評価し、得意な認知処理様式を見つけ、それを子どもの指導・教育に活かすことを目的としている検査を受けた。
そしてやっと、昨年末までにすべての結果を聞くことができた。
長かったなぁ~
この子の学びの困り感ってなんだろう?
学びの特性を知りたい❗
と思ってから、たらい回しにされたり、予約がとれなかったり、困ってから一年以上かかってしまった。
結果
各種検査を受けた結果、音韻認識が苦手な部分(小さい字など)がまだあり、耳で聞いた言葉を文字に直して書くのに時間がかかること。それによって本人の持ってる知的レベルが高いにも関わらず、学習レベルが低いこと。学習の習得が出来ていないことなどが分かった。
また、認知処理が継次処理と同時処理のうち、息子は同時処理の傾向が強いそう。
同時処理は、全体から部分への方向性を捉えた教え方が分かりやすいとのこと。
例えば漢字の練習だと、書き順を追って書き進めるのではなく、漢字の成り立ちを把握し、どの部首とどんな形の漢字の組み合わせになっているか、どんな意味のある字なのかを認識してから覚えると覚えやすいのだそう。
この結果をベースに言語聴覚士によるトレーニングを先日はじめたばかり。
まだまだ遊びの要素をたくさん入れてもらい、本人のやる気を引き出していってくれると期待している。とにかくやってみないと分からないので、まずはここから。
葛藤の中で
思えば何でこんなにお金も時間も労力もかけて検査を受けさせているんだろう。
私は、息子が学校に行かない正当な理由を誰かに認めさせるためにやっているんじゃないか、完全にエゴなのかもしれないと思うこともあった。
ただ、そう思ってしまうのには、はっきりした診断がないと通級や行政のサービスが受けづらいこと、先生たちも知らないことも多いので対応出来ないこともあった。
結局、息子の検査結果で出たことは息子の特性の一部であり、息子が学校に行かなくなった原因が説明できるものではない。
そもそも、子どもが学校に行かないのは
子どもに問題があるのではない。
むしろ、学び方の特性がある子どもが学びづらい学校にこそ、問題があるのではないか。
そのことが、痛いほどに分かってしまった。
学校には、全ての子どもが楽しく学んで通えるような環境を整えるか、それが無理なら、今の学校が合わない子どもには、多様な学び方や居場所の保障をしてほしいと強く望む。
教育コーディネーターが小学生からついて、学び方や学ぶ場について最適の環境を提案してくれる。必要な検査があったらいつでも受けられて、それに合わせた対応をしてもらえる。そうすれば、取りこぼさずにそれぞれが合った環境で学べるのではないか。
これだけの検査を受けてみて、こんなに項目がたくさんあって、それぞれみんな違うなんてすごいな、本当にみんな違うんだな!っていうことを強く感じた。
このベースの感覚を先生たちで持っていない先生が多い。本人の忍耐のなさ、わがまま、努力不足だと信じている。じゃなければ、発達障害だから仕方ない、的な切り取られ方。
これからどうするのか
試行錯誤の中、繊細で学び方に特性のある息子にはホームスクールが合っているなと感じている。とにかくマイペースで自分の好きなことができる。嫌なことを強要されないから、元気でいられる。
発達外来と繋がれたことで、長期的に相談しながら彼のことをみてもらえる。親にとっては大切なつながり、セーフティネットになる。
学校との関わりでは、『不登校=問題』という認識がみえたり、未だに無意識の失礼発言を聞くとなかなか難しいなと思いつつ、一部の心ある先生たちとの繋がりの中で、息子の事例を出しつつ、今後も同じような子どもさんへの対応が少しでも改善していくように伝えていきたい。
とはいえ、検査で分かったことは彼のほんの少しの部分。
とにかく元気いっぱいの息子と今までと変わらず、面白がって日々過ごしたい。
同じようなことで困っている親御さんがいましたら、詳しい経緯や検査内容などお答えします。Twitter経由でDMください😊
Shizukuishi