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天上のダンス・地上のダンス (5) カラダの使いかた

身体を空へ天へ、引っぱり上げて踊るバレエから、ストリートダンスへ。
基礎で、つまづく。わからない。自分の身体の動かしかたが。


持続可能なダンス

ストリート(街角の・路上の)ダンス。自由、勝手気ままに楽しく踊っているようで…全然違います。


1960~1960年ごろ、アメリカで、街角・路上でケンカをしていた人たちがいた。グループの派閥争いのような。
不健康でケガも絶えず、家族や仲間の負担・迷惑・悲しみは増加する。


その平和的解決法として、ダンスで踊り比べを始めた…というのが、ストリートダンスの発祥とされます。
それ以降、シーンに合わせて、いろいろなジャンルも確立されました。


1980年代ディスコダンス


みんな、なかよく。おどろう、ケンカしないでダンスを!
これも持続可能な取り組みのひとつ、ちいさな SDGsではあるまいか?


なので「バトル」という、先攻・後攻に分かれて交互にダンスして勝ち負けを決めるという世界でもあります。

グループの先輩や、兄弟たちが着ているTシャツなどの衣類を大切に、譲り受ける伝統。
サイズは、ブカブカ。おさがりだから、ゆったりと、身体も大きく見える。魂こめて、威嚇もこめて、アクセサリーの装飾品をジャラジャラ。


今風にいうと、古着・リサイクルになる。これも、みんなに優しい持続可能な取り組みかも。


そうしてダンスは続いてゆく。場所は街角(ストリート)から、ダンススクール・発表会…TVで見ない日が、ないほどに。



歴史や文化を知ること

どこの世界でも「基礎・基本」があります。
歴史も理解しなければ。わたしがストリートダンスを習い初めて、最初に困ったのが、みんなの練習着。
ブカブカのTシャツとスウェットパンツにとまどいました。

バレエレッスンでは、レオタードという身体に沿った水着姿のような格好とタイツ姿で練習します。(大人クラスは、その限りではない)
胴体(体幹)をまっすぐ、崩さずキープする。そのチェックのため、お腹や背中を「むき出し」にするのです。


バレエで身体のラインを出していたのにストリートダンスでは先生も生徒も、みんなブカブカのTシャツ。Tシャツの中身は、身体のラインは、いったいどうなっているのか?


・胴体をどれぐらい動かしている?
・猫背に見えるが姿勢悪すぎでは?
・膝は、どこまで曲がっているのか?


…先生は、もうすこし身体のラインがわかるTシャツを着てほしい。身体のラインが隠れて、どうなっているのかさっぱりわからない!
…と初心者のわたしは勝手なことを思っていました。

重心を下げるには


知らぬは恥。バレエのように、王侯貴族の劇場観賞用として発達したダンスではないのです。
「ダンス」も周辺知識も学ばないと踊りになりません。
やっとストリートダンスの本を読んだのは、習い始めて5年ぐらい経ってからでした。


胴体・体幹の使い方が違う

バレエは、体幹を煉瓦のように固める。まっすぐ空へ、天へ引き上げる。
ストリートダンスは、体幹をコンニャクのように柔らかく、自由自在に操るダンス。どっしりと腰を落とし、重心を落とし、あらゆる動きに対応する。
身体の真っ直ぐさ、美しさを見せるダンスではないのだ。

猫背気味に見えるのも無理はない。相手を威嚇・挑発したりの「ダンスで格闘技」のような動きもある。


じぶんの腰が浮けば、相手から攻撃されたら倒される。
ストリートダンスを理解しなければ、いつまでたっても踊れるようにならない。子どもは頭で考えるより先に身体が動くが、大人はその逆。
それも利用しよう。上達のために。


まとめ・ストリートダンス

● ストリートダンスは、1960年ごろからアメリカで誕生する。路上でのケンカや争いを避けるために、最初はバトルとして踊られた。

● 舞台観賞用に誕生したバレエとは歴史・文化・作法・練習方法などが全く違う。

● レッスンだけではなく、本を読んだり、周辺知識を勉強すれば上達の一助になる。理論と実技を学ぶ。


リアルな人間、地に足をつけた、生きた人間のダンス、それがストリートダンス。


バレエとは真逆のダンスを踊ろう。


  天上のダンスと地上のダンス。


毎週木曜日は
バレエ・ダンスのエッセイの日



いつも こころに うるおいを。
水分補給も わすれずに。



最後までお読みくださり、
ありがとうございます。

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