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#電気怪談
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江戸時代、人びとの生活に潜んでいた疫病神たち。1862年に出版された『宮川舎漫筆』からのお話です。語り用に平易な言葉で作成したテキストを、オリジナルBGMに乗せて朗読。6分31秒の美しく妖しい古典怪談の世界をどうぞ。
のっぺらぼうの頭の上の口
『奇異雑談集(きいぞうたんしゅう)』
(原題:人の表に目鼻なくして、口頂の上にありて、ものをくふ事)
私は若いころ、丹後の国の府中に住んでいたことがある。
丹後国は、京の都からは遥か北にある。
ある時、摂津の国の僧侶が私の家に来た。
この僧は九世戸(くせのと)参詣のために丹後に来たが、私の家に数日間逗留した。
これは、その時に語ってくれた話である。
「同郷に一人の僧がいる。
日本の六十六カ国