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本棚は段ボール Vol.16 『ダンス・ダンス・ダンス(下)』/村上春樹

じっと待つ。
簡単なようでいて、非常に難しいことだと思う。

ファンタジーだったけれど、共感するところや、現実にもこういうことってあるのではないかという心の動きや行動指針の示唆に富んでいたように感じた。

じっと待てばわかる。じっと見れば分かる。そうなりたい。静かに、的確に、ステップを踏みながら人生を踊りたい。

何もできないとき、分からないときは静かに待つということは、本当にそうだと思う。時間は偉大で、時間というものが本当に存在するかはわからないけれど、その状態の遷移の中で解決または中和されていくことは辛いことであればあるほど多く、正しさだけでは、脳内の理論だけでは感情を解決することはできないのだと実感する。
理論だけでは生きる人間の範囲内しか分からず、その外側を知ることはできないのだから範囲を超えた物事にたいしては理論で対抗するすべはないように感じる。

友達は大切。
友達がいてくれることは幸せ。
失うことの恐ろしさと無力感。
自分からうまれたはずなのに、自分では制御しきれない感情という得体のしれない怪物。

人生は結局、決定論的にじゅうたんが敷かれているのかもしれない。その上を順を追ってステップを踏み、移動するわたしたち。
でも、だからこそ大丈夫だと思える安心もある。大丈夫、きちんとステップを踏んでいる。たどり着くべきところにたどり着ける。

私の人生で、留まるところを見つけたとき、そこが穏やかで光に溢れる場所であればいいなと思う。

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