事実であることを願うよりも事前の諦めの方が大切だ
マッチングアプリでは、相手が多少の偽りの情報や、盛った写真を登録している前提で会うという覚悟が必要だと思っている。
実際、私もプロフィール写真は肌が若干きれいに写るように加工しているし、これはお約束であると思っている。
だが、私はまだ、マッチングアプリ初心者である。まだまだアプリの闇には疎いし、なにより経験が浅い。
ペアーズを利用していたときにマッチングした人と先日会ってきた。
まだマッチングアプリに慣れていなく、会う前にLINE交換をしてしまった人が2人いたのだが、1人目はテンションちがうわーと思ったのと、写真を見せてほしいと言われ、ちょっと怖くなってしまい会うやり取りを始める前にブロックしてしまった。
今回会ってきたのはその人とは別の人。アプリでは確か、200いいね超えてた気がする。
身長175cm、都内在住。自己紹介文では、香りに関わる仕事をしていると書いてあったので、きっと理系の職業なんだろうなと思った。
そして、実際会ったときに話したときに教えてもらったのだが、かなり特殊な仕事をしていて、世に出回る色んな香りを作る仕事をしている人だった。
今回は、こちらの彼のことをここでは「スメルチェッカー」と呼ぶことにして話を進めていく。
まず私は、理想が高く、高身長の異性が好きである。
自分が154cmと小柄なので、(あまり高望みしなかったつもりで)アプリでは175㎝以上の人を見るようにしていた。(170㎝と書いている男性は、実際は170cmもない説はここ最近の私調べで明らかになってきている)
スメルチェッカーとのLINEのやり取りは、ラリーはとても少ないけれど、ほぼ毎日続いていたかな。不快な感じはとくにしなかったので、ぼちぼち続けていた。
そして彼と会う数日前に、当日どこに行くか決めようという話になり、電話することになったのだが、このときに私は彼が都内在住でないことを知る。
なるほどね、だから、私に車持っているかどうか聞いたんだ、と妙に納得した。
いや待てよ、、、、アプリでは居住地が都内となっていた気がするのだが、実際には都外在住だったとは。私は遠距離NGとしているので、そもそも都内在住でない人にはいいねをしないため、彼とは本来マッチングすることはなかったはずだ。
(あれ、たしかアプリでは都内在住になっていなかったっけ?)
心の声が肉声とならないように注意しながら、当日どのエリアに行くかを決め、お店は彼が決めてくれることになった。
待ち合わせ場所は、北千住駅の改札だった。
「北千住」というワードを聞くと、あいみょんのハルノヒの冒頭の歌詞、「北千住駅の プラットフォーム 銀色の改札~♪」というメロディーがエンドレスで流れてくるの、きっと私だけではないはず。
待ち合わせの時間になっても175㎝くらいの背丈の男性が見つからず、スメルチェッカーから電話がかかってきた。私の居場所を伝えると、小柄な男性が近づいてきた。
あっ・・・・・・・(察し)
彼、絶対に175cmもない。むしろ、170cmもないんじゃないか。
私は、168cmの男性と3年間付き合っていたので、スメルチェッカーが170㎝に満たない身長であることはすぐに見抜いた。
小柄な男性、あまりタイプじゃないんだよなあ・・・と少しがっかりしたのだが、身長がすべてではないし、何より168cmの男性と付き合っていた実績が私にはあるので、まずこちらには目をつぶることにしたかったが、人間そう、うまくできていない。やっぱり身長低いのやだ・・・
そして、スメルチェッカーが事前にリサーチしてくれていたカフェでランチをするのだが、そこで初めて、マスクをしていた彼の顔の下半身とご対面することになる。
(出っ歯やん・・・・・・・・・・・・・)
しかし、私は冷静だった。
アプリの複数枚の写真のうち、遠目の写真も近寄った写真も全部顔の下半身を隠していたので、もしかして、この人出っ歯なのかもしれない、と会う前から本当最低な予想を立てている自分がいたのだ。
LINEとマッチングアプリのプロフィール写真は、うまい具合に彼の顔の下半身を隠していた。本当、職人並みに隠していたので、もちろん盛れていた。
会った瞬間に身長を盛られていたことにすでにがっかりしていたので、顔の下半身も盛っていたことに関しては、予想が当たっていたのもありそこまでがっかりしなかった。
(本当口が悪くてごめんなさい・・・)
そして、ランチを進めていくのだが、身長も低い・顔の下半身もちょっと残念な彼とはとてもじゃないが会話を弾ませる気にはなれなかった、、、、、
しかし、人見知りもあまりしないわりとコミュ力あるタイプの人間だと自負している私は、適当に質問したり自分の話をしたりして、その場を適当に、楽しそうに過ごしてみた。
ちなみに少し話がそれてしまうが、隣の席で食事をしていた男女も、マッチングアプリの初回アポであることに私はすぐに気づいてしまう。
質問の内容が私たちの会話と何個も被っているし、何より男性側が私たちの方を何回もチラ見していたのが視界に入っていた。
その男女は、次にどこに行くか話していて、男性側が猫カフェを提案していて、女性が近くで行けそうな猫カフェを調べている様子だった。
男性は、「俺は猫好きだからいいけど、ほんと、退屈させちゃうと思うよ?」的なことを言っていて、あー、この人本当は猫カフェ行きたくないんだろうなと思いながらも、女性側は、行く気満々が隣の席の私まで伝わってきていた。
あの男女はその後猫カフェに無事に行けたのだろうかと、どうでもいい心配をしてみたりもした。
そして、その男女が店を出た後に、予約をしていたという男女が先ほどの男女がいたその席に来たのだが、まさかのその男女もマッチングアプリの初回アポ組だった。
うわ、この店、めっちゃアプリのアポで使われてるじゃん・・・・
笑えるというよりは、もはや草である。
まさか店側は自分の店がアプリのアポで利用されているなんて想定していないと思うし、もちろん店側には何の罪もないのでランチは美味しく完食した。
話をスメルチェッカーに戻そう。
彼は、仕事で世に出回る香りを作っている仕事だと上述したが、仕事内容は本当に魅力的であることが伝わったし、口調も非常に柔らかで温厚だったし、有名国立理系大も出ていて優秀であることが分かった(話からしてこれは盛っていないことが明らかだった)し、家族の話もたくさんしてくれて家族仲も良いことが伝わったし、中身は本当にいい人なんだろうな、と思ったと同時に、いい人で終わるタイプなんだろうな、と悟ってしまった。
彼はすでに恋愛対象ではなかったため、恋愛に関する質問はこちらからは一切しなかった。そして、彼からもこれといってそのような質問はされなかった。
そもそも、身長と顔がタイプでないため、失礼だがとりあえず早く帰りたかった。
その後、喫茶店へ行き、1件目はごちそうしてもらったので今回は私がお会計をした。喫茶店で会話しているときに犬の話になり、スメルチェッカーがペットショップに行きたいと言い出した。
私は犬を飼うなら保護犬派だから、正直ペットショップで売られている犬には興味がないのだが、せっかく提案してくれたし、行ってみることにした。
その日は天気は良かったが風が強く空気も冷たかったので、正直あまり歩きたくなかった。
そして、15分ほど歩いて到着したら、そこはペットショップではなくペットグッズ専門店だった。
私は、「最近運動不足だったし、散歩できていい運動になったよ」と言ってみたりしたが、本音は寒いし風強いしつまらないし、本当早く帰りたかった。
そして、トイレに行きたくなった私は、雑貨屋も入っているし(帰る時すぐに電車に乗れるし)時間もつぶせるんじゃないかと提案して駅ビルに入った。
雑貨屋に入った際、スメルチェッカーは商品のお香に即座に反応し、めちゃくちゃ色んな種類の香りをかいでいた。うん、けっこう引くほどにかいでいた。
職業柄、商品として売られている香りには、反応してしまうのだろう。
ただ、これを毎回のデートでされたら、たまったもんじゃない。
他にも何店舗かぶらぶらしたのだが、正直さっきの商品のにおいチェックの残像がすごくて、あまり覚えていない。
そしてようやく、彼は「今日は何時まで大丈夫?」と聞いてきた。
待ってましたその言葉。
「そうだねー、そろそろ帰ろうかな」と、私。
そのあと本当はすぐに帰りたかったのだが、スメルチェッカーはまだ帰りたくなさそうで、会話を広げようとしたりした。
ようやく解散できて、解放された私は、帰宅途中に途中下車してルミネで久しぶりに物欲を爆発させて買い物を楽しんだ。
日中楽しめなかった4時間を、たった1時間のショッピングでプラマイゼロにさせて自分の機嫌をとった。
家についてしばらくしたら、スメルチェッカーからLINEが来ていた。
「今日はありがとう!無事に帰れた?」と当り障りのない文章がきて、帰れたよ~ありがとうねと返したら、
「2件目のお店決めてなくてごめんね!次はちゃんと調べておくね。おやすみ」と送られてきた。
この「おやすみ」とLINEがきたら私は誰に対してもいつも返さないで寝ることが多いので、いつも通り返さずに寝た。
そしたら次の日、スメルチェッカーから「おつかれ!今日もどこか出かけたりしたの?」と連絡がきていて、めんどくさいな~と思って未読スルーしていたら、数時間後に何かを悟った彼から「ありがとうございました」の一言が送られてきた。
その文章を見た私は、そっとブロック。もう、彼と連絡を取ることはない。
なんか、ごめんよ。。。
マッチングアプリって難しい。
マッチングアプリ初心者の私は、正直アプリ楽しいよりも、難しいの気持ちが勝ってしまう。
少なくとも容姿がタイプだったことからマッチングしたはずなのに、会ってきたリアルな人物は全然タイプじゃなかったし、会話を続けるのも疲れるだけだった。
男性とデートするの久しぶりだから、ZARAで普段着ないワンピースを買ったのにな。
場数を踏むしかないのは明らかだが、モチベーションの維持をどうしていくかの方が大切だなあ。
とりあえず今回学んだことは、アプリに書かれている情報が事実であってほしいというかすかな希望よりも、ああ、やっぱりねという諦めを受け入れることのほうが大切だということを学んだアポとなったので、記憶が新鮮なうちにここへ残しておくことにする。
そして、次誰かとアポがあるときは、2時間くらいの短時間アポにして、アポの後には、マッサージとか、美容院とか、ショッピングとか、友達と遊ぶとか、わくわくする予定を事前に入れておいて、その時間を楽しみにして全力でアポをやりきることにすると決めた。
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