#64 登山ダイエットは有効か〜木曽御嶽山登頂日記〜
人間が1キロ痩せるには、7200㌔㌍消費しないといけないらしい。
いや、そんなことは前から知っていた。
知っているのに、一向に摂取カロリーを抑えられず、消費カロリーも増やせない。
だから、わたしのわがまま(過ぎる)ボディはいつまで経ってもわがまま放題なのだ。
そこでわたしは考えた。
一万歩歩くだ、炭水化物減らすだをちまちまやっていても、埒があかない。
ガツンと運動して、消費カロリーを稼いじゃおう。
こんな時は登山だ、登山。
御嶽山登頂と激痩せを目指す
ということで、急遽大学の友人であるクリちゃんと霊峰・御嶽山へ行くことにした。
わたしとしては初の3000m越えの山で、不安もあるが、とにかく激痩せしたいので、二日間動きまくろうと思う。
前日、特に意味はなく、テンションを上げるためだけに東京に泊まったわたし。
準備万端に見せかけて、13日当日の6:00になってからようやく新宿7:00発長野行きのあずさ1号の予約に乗り出したのである。
すると…な、なななんと、既に満席ではないか…🙄
しかも、このあずさ1号ではなく次のあずさにしたら、10:40木曽福島駅発ロープウェイ駅行きのバスには間に合わない(そのあとのバスは13:40発だから、本日の登頂は不可能)。
同行の超A型人間・几帳面かつ計画的なクリちゃんは当然ながら、行き先と日時が決まったその日に特急電車を予約済みだという。
…🙄🆘
名古屋経由で間に合いそう? 安堵のおやつタイム
焦ったわたしは急いで東京駅へと向かい、名古屋行きの新幹線に飛び乗った。
少し遠回りにはなるが、名古屋まで出れば特急などで確実に木曽福島へ辿り着けるはずだ。
間に合うことがわかって安心したわたしは、名古屋駅で缶コーヒーを買い、持参していた非常食に手をつけた。
洋菓子ひとつ、カロリーメイト2本。
朝ごはんはしっかり食べて来たが、コーヒーには甘いものが必要だ。
もぐもぐ…🐷
こうしてわたしは10:25、ギリで木曽福島駅に到着したのである。
新幹線使ったから、あずさルートより5,000円高く着いたけれど、間に合ったのでまあよしとしよう…🙄
出発前に安全祈願の蕎麦をいただく
木曽福島駅でクリちゃんと落ち合い、10:40発のロープウェイ駅行きのバスに乗った。
そして12:00、ようやく登山口の飯森高原駅に到着した。
お腹は全く空いていないけど、とりあえず、出発前に駅のレストランで蕎麦を食べることに。
ダイエット中とは言え、蕎麦はここ長野の名物であり、縁起物でもあるのだから仕方がない(うどんなどと比較して麺が切れやすいことから、厄災との縁を断ち切ると言われている)。
それに…蕎麦はヘルシーだって、確か三原じゅんこ大臣も言っていたし(てきとー)🙄
御嶽山、登頂成功⛰️
蕎麦をたいらげ、12:20、黒沢口ルートで登山を開始。
女人堂と呼ばれるポイントを経て、森林限界と自分の体力の限界をこえ、15:30、ついに御嶽山の頂上に到着した。
ちなみに、日暮れが近いためか、山頂にはわたしたち以外、誰もいなかった。
山頂近くには十年前の噴火をうけてシェルターが設けられていた。
地獄谷と呼ばれる噴火口の方からは今も硫黄の臭いがし、当時を思いながら「安らかに」の文字が刻まれた慰霊碑に手を合わせた。
…
すると、休憩していたベンチの付近に突然、素早く動く謎の小動物が現れたのである。
(珍生物動画でバズることを常に夢見る)わたしがカメラを向けると、それは一匹の、フッツーのネズミだった🐀。
クリちゃん「こんなとこに、ネズミ?」
わたし「もしかして、カヤネズミっていう、天然記念物のネズミなんじゃないかな」
↑そう思い込みたいだけ。
クリちゃん「え…(すかさずスマホでカヤネズミを検索)見た目、違うみたいだよ…」
わたし「…」
クリちゃん「新宿とかにいるネズミと同じに見えるけど…」
わたし「いやいや…ここ3067mだよ? しかも、霊峰御嶽山の山頂に、(わたしは、埼玉から来た子年生まれの薄汚れたおばさんではあるけど)都会の汚れたネズミがいると思う?」
クリちゃん「…あ、🐭また出てきた」
わたし「……こりゃ、どう見てもただのネズミだな……」
クリちゃん「ね…」
わたし「ま、珍しい動物といえば、今日泊まる山荘のあたりに雷鳥が出るらしいから、明日の朝探してみよう」
山頂を守るネズミに別れを告げ、宿泊先の石室山荘へ。
山荘で過ごす、カロリーオーバーな楽しい夜
山荘に着くなり、あたたかいお茶とお茶菓子が振舞われた。
砂糖たっぷりの甘い和菓子であるが、疲労感と達成感から、カロリー摂取に対する罪悪感が薄れてゆく。
そしてお楽しみの夕食タイム。
石室山荘は今日が年内最後の営業日だということで、気前の良いオーナーが宿泊者全員に日本酒を振る舞ってくれた。
遠慮なく、ただ酒をがぶ飲みするわたし🐷
ところでここ石室山荘、出される食事が素晴らしい。
標高が高い山荘で提供されるご飯といえば、食材の輸送が困難なので冷凍ハンバーグとかが多いのだけれど、こんなにも豪華なのだ。
まさか山の上で海老天、イカ天が食べられるとは思わなかった…。
その後も今日がはじめましての宿泊者でゆんたくのように盛り上がり、食べて飲んでで会話がはずんだ。
結局、日本酒をしこたま飲み、見ず知らずのおじさまたちと星空鑑賞をして、8時に就寝。
歌を忘れたカナリア、ダイエットを忘れた豚丸
翌朝、空腹で目が覚めた豚丸みそ子さん。
筋肉痛はなく、いたって快適であるが、この歳になると、二日後急に痛みがやってきて立てなくなるので注意が必要だ。
起き抜け早々、持ってきたパン二個を食べ、さらに雰囲気でおしるこを注文。
クリちゃん「みそちゃん、朝からそんなに食べるの…?」
わたし「やっぱりハードな運動したから、お腹すくよねー」
で、日の出を待ってこたつでおしるこをすすっているうちに呆気なく日はのぼってしまい、おまけにさっきまで小屋付近にいたという雷鳥も、わたしたちが見に行くと既に消え去っていたのである。
クリちゃん「みそちゃんがおしるこなんか呑気に食べてるから…」
わたし「まあ、そういうこともある。とりあえず、目撃した動物がドブネズミで御嶽山を終わらせたくはない! 今すぐ雷鳥🐥を探しに行こう!」
クリちゃん「う…うん」
…
ちなみに出発前、一人の宿泊者の方の提案で、楽しい一晩を共にした宿泊者全員で記念撮影をすることになった。
わたし「写真、YAM⚪︎Pとかに晒しときますんで! 探してください! またどこかの山で会いましょう‼️では!」
いつかの再会を誓い、雷鳥探しの三の池周回下山ルートへと出発した。
お菓子をお供に雷鳥を探す
二の池〜二の池ヒュッテのあたりで鳴き声を聴くも、なかなか姿を見せてはくれないシャイな雷鳥さま。
わたし「(息切れしながら)ひっ、ひーっ、ひらつか!」
クリちゃん「うん…それは、らいてうね…」
わたし「もう休憩だ、休憩。おやつタイム!」
…
そして五の池へ向かう途中、祈りと「平塚らいてう」の叫びが届いたのか、ついに二羽の雷鳥を目撃したのだ!
雷鳥に遭遇し、嬉しくなってミニドーナツをいただく。
今度はカモシカを発見。
なんだかんだ理由をつけて、三十分ごとにミニドーナツを一個いただく。
無事下山、〆はチーズカレーにキ・マ・リ♪
10:30、飯森高原駅に帰還。
帰りのルートは凍った沢を鎖で渡ったり、絶壁をはったり、結構危ない箇所があった。
「何事もなくすぎてゆくことのありがたさ」
ふと昨日、石室山荘で見た日替わりカレンダーの言葉を思い出した。
わたし「少し早いけど、もう昼ごはんにしよう」
完走祝いでチーズカレーを注文。
ついでにビールも…。
クリちゃん「カレーが身に沁みる…」
わたし「わかる…なぜか今日、ビールよりカレーが沁みるんだよな…」
今回の登山ではじめて、カレーが身に沁みるという体験をした。
ということで、登山ダイエットの結果発表…。
💪二日間の消費カロリー
2400㌔㌍+基礎代謝1600*2:約5600㌔㌍
🍽️二日間の摂取カロリー合計:約5386㌔㌍
白丸みそ子の登山ダイエット検証による結論:
(白丸みそ子は)登山をしても、ほとんど痩せない。
おわり