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変わらないもの
週末、娘は国家試験を控えている。
看護学生で就職先も寮も決まって引っ越しの日も決まってるのに国家試験に発表は3月の末。
「え!万が一はどうなるの?」
「2週間以内に退去」
「ありゃー」
まぁなるようになるが人生だから、その時は全てを受け入れようか。
高校受験の時も大学受験の時もおにぎり作ろうか?と言っても「いい」の一言だった娘は「国試の日おにぎり持ってく」とぶっきらぼうに言った。
ちょっと嬉しかった。
何かしらの思いが試験を迎える娘の中にあるのだろう。
最近は夫の食事を気にする傍ら、勉強を頑張っている娘には鉄分やビタミンの多い食事を考える。とはいえ凝ったものは作れない。焼き野菜などの温野菜多め。
そう言えば、なぜかずっと気づかなかったが、娘のご飯茶碗が小学生の時のままだったとご飯をよそいながら急に思った。
うさぎさんの絵が大きく書いてある小さなお茶碗。
23歳の娘は何も言わず疑問なくずっと使っていたのだ。
「大きくなったね、」の言葉もおかしいほどの年齢なのに。
関心がないのか、気を遣っているのか、まぁ関心がないのだろう。
4月から社会人になる娘にこれからやってあげられることはもうほとんどないのだろう、とお茶碗を手にしながら思った。
とりあえず、国家試験がある2日間は食べやすいように小さなおにぎりを2つ作ろうと思う。
海に行っても動物園に行っても「何がたのしかった?」と聞くと「おべんとう!」と言っていた時と同じような小さなおにぎりを。