(5)それでも…私は…東京が好き…(綴文を少し訂正して再掲〜御茶ノ水駅のこと)
ヘッダーの写真は…
私の住むところには
こんなに長いエスカレーターはないので
フォトギャラリーから
ぷらいまり様の写真をお借りします
私はコンタクトレンズ利用者なので
上京して…
コンタクトレンズを
購入できるところを
探さなければならない
職場の人に聞くと
その人は
御茶ノ水にある眼科で
購入しているという
「そこはとても対応が丁寧よ」
…とのこと
そちらへ行ってみることにする
御茶ノ水には
行ったことがないけど
よく聴いたフォークソングの中に
出てきた街だったかな?と
思ったりした
いや…あれは湯島天神だったかな
地下鉄の御茶ノ水駅に着いて
改札口に向かうと
目の前に果てしなく続く…
長い長いエスカレーター
最後の方は
はるか彼方だ
思わず見上げてしまうほど
なんだか
いつかSF映画で観た…
宇宙ステーションへ
続く動く歩道のよう
キラキラしてる感じ
人は静かにその動きに
身を委ねている
傍らを追い抜いていく人もいない
長い旅のように続いたエスカレーターから降りて
出口を通り外へ出る
横断歩道の手前
おそらく…
ボーッとしていた私に
「青に変わりましたよ」と
誰かが
教えてくれた
ハッとして駆け出す私…
その声の人を
見ることもなかったけれど
同じ足音が
私をずっと追いかける
同じタイミングで
2つの足音が止まった
着いたところは
教えてもらった眼科
その人も
同じ目的だった
待合室で隣同士に座る
「さっき横断歩道にいましたよね」
「ああ…教えてもらって
ありがとうございました」
…といくつかの言葉を交わす
診察が終わり
帰りの道を何となく一緒に歩く
御茶ノ水駅に着く
今度は
あの長い長い
エスカレーターを
下りるのだ
下りは地底に引き込まれるようで
足が震えるくらい
怖かった
ホームに着くと
その人は「また会いましょう」と言った
それから…私の友達と
その人の友達と
4人で何度か食事をしたりした
都会の真ん中で
きらめく縁は
ずっとは続かなかったけれど
ある時間だけ
ドラマの主人公になったような
恋模様を
描いていたなあと
今…思う
そして
そんな光景が
東京は
とてもよく似合う…と思う