40代ゲイの同性婚に対するモヤモヤとキラキラ
YouTubeで、とあるゲイカップルへのインタビュー動画を見た。年の差は10歳程度で、年上の方が年下の方を養子縁組するらしい。
養子縁組するに至った一番の理由は「同じ苗字になりたかったから」と語っていたので腰が砕けてしまった。「できれば専業主婦になりたい」的な将来への展望を、若いほうが目をキラキラさせながら話している姿にもモヤモヤした。
私が常々、そういうカップルについて思っているのは「結局それって、異性婚にハマりたいだけで思考停止していますよね?」ということ。
同性婚が成立することで法的に家族として認められ、経済的な部分とか医療的な部分とかの手続きがスムーズに行われるようになれば、それは素晴らしいことだと思っている。
でも、せっかく同性婚を認めてもらえるようになるなら、家父長制とかいろいろ窮屈なところから抜け出して、現行の結婚制度に囚われない関係性を築けたほうが幸せになれるんじゃないかとも思うのです。
あとは、制度の恩恵を受けるためには、トレードオフ的に「義務」や「責任」も発生するということを考えていないLGBTQ当事者が多いような気がする。
パートナーシップのキラキラしているように見える側面だけではなく、背負わなければいけない部分もきちんと考えてるのかな?と心配になってしまう。
「義務」や「責任」について考えてる?と聞きたいノンケカップルがたくさんいるのも事実。まあ結局、2人の関係性なんて当事者同士が納得してればいいし、私がとやかく言うこともないか。
ゲイカップルは長続きしない、という認識をほとんどのゲイ当事者がしている。その関係性に法的な強制力は働かない。子どもを授かることもないし、親兄弟に報告する必要もない。そこに自由さを感じるし、そこはかとなく寂しさみたいなものも感じる。
私の場合、結婚は面倒くさそうだなと思っている。特に相手の家族と付き合わなければいけないという部分。もともと人付き合いが得意じゃないからなんだけど。
「ゲイとして幸せに生きている自分を、親に知ってほしい」みたいな人もいる。まあ、ゲイであることを誤魔化していることにほんのりと罪悪感を覚えることは私もあるし、打ち明けてしまいたくなる気持ちもわからないでもない。
でもまあ、そこだけが私ではないし、ゲイ以外の部分は両親ともども十分に理解してもらっている。ほんのりな部分は伝えなくてもさして問題ないだろう、というのが私の考えだ。
だが、結婚もいいかもしれない、と思ったこともある。それは、いまのパートナーと同棲し始めた時期。相手のお姉さんが新居に訪れたことがあった。
パートナーがゲイであることを知っている彼女は、「弟の保険金の受取人、ヒロシにしておかないとね」みたいなことを半分冗談、半分真剣なトーンで言ってくれたのだ。その言葉に、思いがけず嬉しくなっている自分がいた。
あー、新しい家族として扱われるって、こんな感じなんだ!悪くないかもしれない…と思えた出来事だった。
あたりまえのように、誰かのパートナーとして、ゲイ以外の第三者から扱われることがそれまでなかった。だから嬉しく感じられたんだろう。
結婚できても、できなくても、幸せかどうかは2人の関係性による。どっちにも困難はつきまとう。不均衡なところは改善して、みんなが平等に選べる制度ができるといいのではないか。そんなことを思った満月の夜でした。