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会社を辞めた⑦
週に1度の整骨院での整体で、肩こり腰痛がだいぶ改善してきたような気がする。ただ、同時にストレッチしたり適度な運動を心がけたり、セルフメディケーション税制の対象になっていた目の疲れや肩こり腰痛に効くというナボリンS(第3類医薬品)を常用しているので一体どれの効果が出ているのかいまいちピンときていない。
昨日は21~26日の5泊6日の山陽山陰旅の初日について書いた。今日も引き続き書いていこうと思う。
2日目の22日は宮島に出かけた。世界文化遺産の厳島神社がある島である。この日は結構な土砂降りで、大勢の外国人ツアー客や修学旅行生の集団に混じりながら、宮島口旅客ターミナルから傘を片手にフェリーに乗り込んだ。10分ほどの短い航海を経て、大鳥居の横を通りすぎて宮島にたどりつく。海岸沿いの小道を歩いて行けば、波打ち際に荘厳な建物が佇んでいる。
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宮島観光協会のホームページなどによれば、神社は593年、推古天皇治政の年代に創建されたと伝えられている。現在の規模となったのは12世紀。1149年に安芸守に任命された平清盛が、平家の守護神として篤く信仰し、当時の寝殿造りを模して造営したという。1996年には、造営当時の状態をよく残す貴重な建築物として、社殿を中心とする厳島神社と前面の海、背後の弥山原始林を含む森林区域約431ヘクタールが、ユネスコの世界文化遺産として登録された。
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古くから島そのものが神として信仰を集めていた宮島。わざわざ潮の満ち引きがある場所に造られたのはご神体である島を傷つけないためだという。社殿の柱や梁は美しい朱色で、写真を撮りながら中を進んでいくだけでも楽しい。国内有数の規模を誇る御本社では、宗像三女神と呼ばれる海の女神が祀られているといい、特に海に関する仕事をしているわけではないがしっかりと手を合わせてきた。御本社の南側にある高舞台では今も年に10回ほど舞楽が奉納されるのだそうだ。
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あいにくの天気で、青空の下の大鳥居を拝めなかったのは残念だったものの、個人的に雨の日の霧雲と神社の相性は嫌いではない。大学生の時にプレイしたペルソナ4では、古事記の神話に出てくる黄泉の国(死者の国)と現世の境目である「黄泉比良坂」をモチーフとしたダンジョンが登場する。この舞台では鳥居のようにも見える深紅の柱が連なる道を、濃い霧の中進んでいくのだが、霧に覆われた鳥居を見ると、その幻想的な世界観を思い出す。雨に濡れた社殿の廊下も水鏡のように光って綺麗で、古代の建築物の美しさを存分に楽しむことができた。
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さて色々御託を並べてはみたものの、宮島で衝撃を受けたのは正直な話をすれば厳島神社ではない。昼食をとりに訪れた表参道商店街の牡蠣専門店「焼きがきのはやし」である。創業70年以上の宮島の焼きガキ発祥店だそう。生牡蠣、牡蠣フライ、焼きガキの3種類が味わえるかき三景定食をいただいた。端的に言って、本当においしくてびっくりした。
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たいして調べず店前に人だかりができているという理由で訪れただけだったし、広島の牡蠣が生産量日本一というのは知っていたが、まさかこんなにおいしいとは思わなかった。私の中の牡蠣の概念が変わった。特においしかったのが焼きガキと牡蠣フライ。あんまりおいしくてこの日から毎晩至る所で牡蠣を食べた。
表参道商店街は、観光客向けの店舗が処狭しと並ぶ島のメイン通り。食べ歩きができるテイクアウト商品も数多くあり、最近人気というもみじまんじゅうを揚げた「揚げもみじ」もおいしかった。私は普通のもみじまんじゅうより揚げもみじの方が好きだな。
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フェリーで本土に戻り、時間があったので山口県の岩国市まで足を伸ばした。宮島口から車で1時間半ほどかかったと思う。錦帯橋を拝むためである。
錦帯橋は日本を代表する木造橋で、1670年代に岩国藩主の吉川氏が木造橋を架けて以降、幾度かの洪水による流出を乗り越えて再建、修復され現在に至っている。橋の長さは約193メートル、幅は約5メートル。入橋料を払って実際に橋を渡ることもできる。完全に東海道五十三次の世界だ。やはり歴史的建造物はそこにあるだけで迫力がある。大切なシビックプライドとなっている住民も多かろうなと感じた。
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今回、山口県で足を運んだ名勝はここのみだったが、山口県は明治維新ゆかりの史跡を中心に、歴史の重要な転換点となった場所が数多く残る土地でもある。いつかまた足を運びたいものだ。