映画「ラストマイル」感想


ついに公開された「ラストマイル」
もうずっと楽しみにしていて、
やっと観に行けた。

この熱が高いうちに感想を書いていきたい。
あの世界観のなかにいたいという気持ちで、
主題歌「がらくた」をリピートしてる。



ネタバレ含むので、ご注意ください。
記憶を頼りに書いているので、間違っていることがあるかもしれません。個人の解釈が含みます。

先入観を持ちたくなくて、映画館の予告のポスターの情報だけで予告も見ずに観に行った。


面白かった。伏線、ドラマ「アンナチュラル」と「MIU404」の世界がつながるところ、ストーリーとしてハラハラするところ、音楽、ほんと、良かった。メッセージ性も強いし、働いている人なら共感できるポイントがたくさんあったんじゃないかなと思う。考えさせられることも多い。いろんな人の感想が見たくて、XやYouTube、レビューを片っ端から検索しては、読んでる。

私の感想と、印象に残っているシーンや言葉を書いていこう。


舟渡エレナの登場シーン
真っ赤なアウターとバーキンのバッグ。
とっても華やかだな、何者?っていう第一印象。
のちに、センター長だと知る。

梨本の第一印象はなんかダルそう。
岡田将生かっこいい。

プルーパス、ホワイトパスの対比、
配送会社、板挟みの管理職、下請けドライバー、荷物を注文し、受け取る人々。

現代社会の便利さを追求した、様子、それがよく表現されているなって思った。

デイリーファスト社で、エレナが必死に稼働率、責任の所在を気にし、配送会社に無理を言うのは、絶対に止めるな!、止めては行けないという呪いのような言葉に洗脳されているからだ。

customer-centric お客様のために
マジックワードと、エレナは言っていた。

組織が、自分たちがなんで、こんなにも非情ともいえることをやっているのか、それはすべて、
"お客様のため"、この社会に生きて、生活する、wantする"私たちひとりひとりのため"、というのが、過酷な労働環境を作っているのは会社のせいだけでなく、私たち消費者が早く商品が届くことを望むからだ、と伝えているのかなと思った。

偽CMに気づいたのに、警察に伝えるのをNY株式市場終了時刻まで待つようにエレナが言うシーン。
「みんな働きすぎておかしくなっちゃったんだよ」(意訳)が、とても印象的だった。
そうだよな、今の社会って、なんかおかしいかもって思いながらも何もせず、進んでいる。自分がおかしいのか、社会がおかしいのか、もうわからなくなってる。行動を起こさないといけないと頭のどこかでは考えつつも、傍観者で居続ける。自分の番が過ぎるまでは、何も起こらないでくれ、と願うように。

やってもやっても終わりが見えない、恐ろしいこの状況から解放されたい、その一心で、どこか壊れた頭で山崎はあの数式をロッカーに書いて飛び降りたのかもしれない。
語り継がれるロッカーの数式、多くの人がその意味を考えず、見ないフリし続けた。エレナがその意味に気付いて、行動した時、山崎の思いは少し報われたのかなって思った。

せーので止める
これも印象的だった。
弱い立場の人が想いを伝える時は、その影響の大きさを示さないといけないよな、と教えてくれるシーンだった。


「電話のかけ方忘れちゃった?」
すごく嫌味を言うエレナの印象が変わったのが、爆発物のスイッチを入れてしまった時、梨本への自分の過去の告白。
犯人なんじゃないか、と疑われ、アメリカから来たこと、休職した過去を話す。

このあたりから物語がまた展開していった気がする。

絶対止めないと言っていたエレナがシステムを止めた。エレナは動いた。
どれだけの人が、ことの重大さを知りながら、それを、見てみぬフリをせず、決断や行動を起こせるのだろう。

山崎が飛び降りたとき、すぐに稼働率が戻った。
筧まりかがアメリカでエレナに会った時、何も変わらなかった。

でも、止まった。センター長という立場のエレナだったからできたのかもしれない。
そのシステムを止めるには、物理ではダメだった。1人の力だけではなく、様々な人を巻き込む必要があったのだ。


ラストマイル、最後の区間。
ドライバーと洗濯機。
あのシーンは、涙が出そうだった。
会社は倒産してしまったけど、今までやってきた仕事は誇れるものだったと証明してくれるようなシーン。報われるシーンだったと思う。

エレナから梨本に渡されたロッカーの鍵。
「次はあなたの番だよ」は映画を見ている観客へのメッセージでもあるのかもしれない。

2回目を観に行きたくてしょうがない。

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