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『私は私のままで生きることにした』キム・スヒョン
姉がプレゼントしてくれた1冊。
頂いた当時から今まで、私は鬱病と戦っている。
きっと、狭い目で世界を見て、人にどう思われるかを気にする自分自身が自分に枷を掛け、身動きを取れなくしているんだ。
他者の言葉で自分を言語化されると、不思議と俯瞰で物が見られるようになる。
同じような息苦しい社会がお隣韓国にあって、そこで同じようにもがき悩んだ人がいる。社会に順応できないのは私だけではない。間違っていると思う心の声を無視しないで、会わない場所からは軽やかに離れる心を持つ。そんな生き方もある。
印象的だったのが、「あなたから数字を取り除くと何がありますか?」という一節。年齢、収入、資格のレベルなど数字で計れる価値を除いたら、私はどんな人間なのだろう。あなたは説明できるだろうか。これが、なかなか難しい。数字は分かりやすく、一方で人を商品にしてしまう。例えば、「植物や本を愛する人」「人と関わるのが好きな人」というように、記号ではない個性を持った人間が共存する社会になれば良いと思う。
会ったこともない人だけど、「あなたはおかしくない」と肯定してくれるような、柔らかな1冊。生きるのに疲れてしまった人、ほっとしたい人にお勧めしたい1冊である。
優しく、心の拠り所となる本でした。