【短歌】0922 愛


古傷も抱えた不安も紐解けば
鏡だったね よく似たふたり

わたしの半身はあなたでできていて
残りの自分を愛せずにいる

皮膚が邪魔なのです
全て融け合って
キメラになってしまえばいいのに

湯けむりの薄暗闇の温もりに
あの時キスもすれば良かった

不確かな己の価値をすぐ傍の
寝息が埋める 嵐の夜に

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