ユーザーエクスペリエンス講義_模擬__2

ユーザエクスペリエンス デザイン (導入編)プレゼンテーション【前編】

機会があり、ユーザエクスペリエンスデザインの初学者向け導入用プレゼンテーション資料を作成しましたので、内容を公開します。

4章までありますが、【前編】では2章まで。続きは【後編】にて。

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 ユーザエクスペリエンス デザインの概要について学んでいきましょう。
 はじめに、イントロダクションと、いくつかの用語についてお話しします。次に、ユーザエクスペリエンスの概要について話し、3点目に、現在、ユーザエクスペリエンスが着目されている理由について。最後にユーザエクスペリエンスデザインの導入部分をお話ししていきます。

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 まず、みなさんに質問です。身のまわりにある製品やサービスの中で、
「使いにくい」ものや「分かりにくい」と感じたものはありませんか?
・使い始めてみたものの、途中で使うのをやめてしまったり、
・今すぐ使いたいのに、どう使えば良いか分からない
このような経験は、誰しもがあると思います。

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 それでは、我が家の例を紹介しましょう。キャップ付の牛乳パックです。
我が家では、牛乳をたくさん飲むので、複数本の牛乳を常備しています。キャップ付の牛乳パックでは、どちらが開封済みか分からず、誤って両方ともに開封してしまうことがありました。

参考)使いやすさ日記
http://usability.ueyesdesign.co.jp/diary/809.html

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 一方、知人の家では、キャップ付の牛乳パックが愛用されています。
知人は一本ずつ購入しているので、我が家のような問題は発生せず、
キャップで密封されるので、鮮度が保たれて、横置きもできることが嬉しいと言っていました。

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 このキャップ付の牛乳パックでは、同じ製品でも、使う人の状況によって体験が異なっているという例ですね。困っている人がいる一方で、満足している人もいる等、使う人の体験や経験は、利用状況に関係します。

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 このプレゼンテーションでは、人の心の動きや行動をきちんと理解した上で、それを製品やサービスなどに応用していく「ユーザエクスペリエンスデザイン」について紹介します。

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 このプレゼンテーションで使う用語ですが、いくつか事前に説明します。
・ユーザーは「製品やサービスを使う人」のことです
・エクスペリエンスは「体験や体験の積み重なりである経験」のことです。
 
 ユーザエクスペリエンスデザインの分野では、デザイン は幅広い意味を持っています。製品やサービス等を企画・設計・開発・意匠(いしょう)することの総称をデザイン と呼びます。
 意匠という言葉は聞き慣れないかもしれませんが、形状や模様などを美しくなるよう工夫することですね。一般にデザインと認識されるのは意匠を指すことが多いです。

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 まず、ユーザエクスペリエンスとは何を意味するのでしょうか。ここで、ユーザエクスペリエンスはUX(ユー・エックス)と略称が使われることがあります。
 ユーザエクスペリエンスとは、ユーザーが製品・サービスに関連して、得られる総合的な経験のことを言います。製品やサービスを使った結果として、ユーザーの主観の中に生じるものです。主観の中に生じるものなので個人的なものです。このユーザエクスペリエンスですが、この数年間で、ソフトウェア開発、ハードウェア開発、サービスの開発の現場にて注目され始めています。

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 一眼レフカメラを例にユーザエクスペリエンスの特徴である「時間軸」と「利用文脈」を説明します。余談ですが、私も一眼レフカメラのユーザーなので、その経験を踏まえてお話していきますね。

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 一つ目の特徴は、「時間軸」を持つことです。ユーザエクスペリエンスは、実際に製品を使う、この場合でいうと写真を撮る体験だけではなく、利用前、利用後に及ぶ一連の体験を取り扱います。
 新しいカメラを買う前、
<利用前>まず、Webサイトやチラシで情報収集してどのカメラにするか比較します。次に購入後、商品パッケージを開封し、取り扱い説明書を手に取ってます。
<利用中>そして、カメラで写真を撮ります。
<利用後>使い方に困って、サポートセンターに問い合わせり。取った写真を見て撮影時のことを思い出したり、友人に購入したカメラを薦めることもあるかもしれません。
 このように、時間軸があるというのが、一つ目の特徴です。

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 2010年にドイツで行われたユーザエクスペリエンス の専門家が集まったセミナーの成果がまとめられたユーザーエクスペエリエンス白書(UX白書)では、この時間軸の特徴を図のようにまとめています。
 利用前・利用中・利用後・・・そして、利用期間全体を対象として、ユーザエクスペリエンスが4つに分類されています。
・利用前に経験を想像する:予期的UX
・利用中に経験する:一時的UX (瞬間的UX)
・利用後に、利用中の経験を内省する:エピソード的UX
・しばらくした後に、利用期間を回想する:累積的UX
このように、ユーザエクスペリエンス の特徴の一つ目は時間の流れを取り扱っていることが挙げられます。UX白書については、また別の機会にも紹介します。

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 2つめの特徴です。ユーザエクスペリエンスは、製品やサービスを利用する際の利用文脈に影響を受けます。
 ユーザーの置かれている状況や過去の経験やユーザーと製品との関わり・・・利用状況、背景、脈絡にも大きく影響を受けます。

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 この利用文脈ですが、例を挙げると・・・夏には、各地で花火が開催されていますが、花火は綺麗に撮るには、いくつかコツがいります。
 この人は一眼レフカメラを使って、綺麗に花火を撮っています。スマホだと夜間ということもあり、なかなか綺麗な花火がとれないのですが、一眼レフカメラでは綺麗に撮れて満足しています。

P.15:
 一方、これはカフェでのシーンなのですが、カフェでラテアートを、一眼レフカメラで撮るのは、周りの目もあり少し恥ずかしいですね。
 この場合は、一眼レフカメラよりもスマートフォンで撮影する方が向いていそうです。InstagramやLINEなどのSNSにアップして共有できますしね。このように、利用文脈により、同じ製品を使っていても、ユーザーのエクスペリエンスは異なったものになります。
 ユーザエクスペリエンスは、時間と利用文脈に影響を受けるものなのです。このプレゼンテーションの最初にお話しした牛乳パックでも同じでした。

続きは【後編】で・・・

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