【金曜日のしかけ#19】究極のシンプルナレッジシェア
すみません!「日刊7秒しかけ」なのですが
毎週金曜日は「7秒しかけ」ではなく、フツーの会社の「すごいしかけ」を紹介します。
「すごいしかけ」とは、GoogleやAmazon等の一流企業が実践しているしかけではなく、隣の優良な中小ベンチャー企業にしかけ研究家白潟がインタビューさせてもらい発見したしかけです。
この記事ではネームバリューや業界特性ではなくすごいしかけや社長の工夫をニュートラルに読んでいただきたいので会社名は最後に紹介します。
ただ、気になるかと思いますので、社長の名前だけは先に公開したいと思います。
第19弾の「すごいしかけ」は角谷社長の「究極のシンプルナレッジシェア」です。
今日ご紹介するしかけは、
「全社のメーリングリストで現場の写真や情報、気づいたこと等を共有する」という極めてシンプルなしかけです。
ですがそこには「みんなの心がひとつになり」、「マーケティング力が強化され営業力もUPし」、そして「人材育成にもつながる」という極めて大きなメリットがあります。
1 究極のシンプルナレッジシェアの内容
このしかけには大きく2つの狙いがあります。
狙い① 仕事を知れば上達し、上達すれば好きになる
自社商品の情報だけでなくマーケット情報などもたくさん入ってくると、おのずと新しい商品の開発や売り方も洗練されていきます。
マーケティング力がついて市場に求められる製品・サービスを提供できた時はきっと何事にも代えられない仕事の楽しさを感じられるでしょう。
狙い② 互いを知り、理解(尊敬)し合える。
自社商品が現場でどんな風に売られているのか、使われているのかを直接知れるのは会社でも一部の職種の人だけです。
内勤職を営業同行に連れていくのも限界があるため、効率よく職種間でお互いのことを知り合えるしかけです。
一方、営業は内勤の方がどんな仕事をしているのか知りません。例えば、内勤の方の返品対応の苦労を知ることで、返品を無くさなくてはいけないという気持ちになります。
【実施形式】
「売り場で自社製品や競合の製品を見つけた」
「今後の自社企画に参考になりそうな情報を見つけた」
「お客様からクレームをもらった」
こんな時に情報メモとして参考画像やリンクを添えて全社に共有します。
営業職は四半期40件、内職は四半期20件共有することをルールにしています(件数が満たなかったらペナルティ)
<実際の投稿>
2 このしかけのすごいところ
① 営業ツールになる
お客様を訪問する際、情報メモによって全国のマーケット情報を年間7000件も把握している”情報通”として立ち回れます。
それも、日々メールやLINEをチェックしているだけで誰でも情報通になれるというシンプルながら絶大な効果です。
② 社長のお客様訪問が劇的に変わる
社長のお客様訪問は一般的には表敬訪問になりがちです。ところが、角谷社長の訪問はお客様にとても喜ばれる価値を提供しています。
これは売り場で売れている商品や陳列等の情報をお客様に提供できるからなんです。
③ 10年続いている
この情報メモは年間7000件というペースで10年間も続いています。
ナレッジの共有施策というのはマンネリやネタ切れによって継続できないことが多いです。
角谷社長の場合はそれを「メモの内容・質は問わない」「共有数に目標とペナルティを設ける」「全員の共有件数をランキングとして公表する」という工夫で継続させてきました。
もちろんそれだけでなく、誰よりも角谷社長がたくさん共有しランキングでも圧倒するなど率先垂範されていることが継続の秘訣です。
3 自社に導入する際の工夫・注意点
① 社長の覚悟が重要
全員で情報を共有するというシンプルなしかけですが、メリットは先ほど紹介した通りたくさんあります。
さらに継続することで効果が高まります。特に情報の鮮度が肝の会社であれば尚更です。
なので、社長が掛け声倒れで終わってしまい共有しなくなると社員もやらなくなります。
継続してやる自信がない社長には合わないしかけかと思います。
② ロイヤリティの高い組織でこそ効果を発揮する
前述のとおりこのしかけは継続できるかどうかが大きな分岐点となります。
それには率先垂範をはじめ、日頃から社員への礼節・感謝を忘れない社長の立ち振る舞いによって社員が「あの社長が言うならやってみよう」と思えることが重要なのです。
③ ペナルティの設定効果は限定的
人間なので最初はペナルティがあるから実行するという側面もあります。
ですがペナルティだけでは形骸化したり、反発を招いて本質的な効果を発揮し続けることは難しいでしょう。
長期的にしかけを実施するには情報メモによる効果・恩恵を実感してもらうことが一番かもしれません。
4 すごいしかけの会社はコチラ!
すごいしかけ「究極のシンプルナレッジシェア」を実践されている会社は、本社が和歌山県海南市にある『使って便利!見て楽しい』をコンセプトに掲げているサンベルム株式会社です!
温良恭倹な角谷社長が経営されておられる会社です。
現在、家庭用品メーカーとして下記のブランドを展開されています。
今日も、「日刊7秒しかけ」を読んでくれてありがとうございます。
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それでは、また来週!
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