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【水曜日のしかけ#26】叱った後に『○○さんならできるよ!』

水曜日はマネジメントに関する「7秒しかけ」を紹介していきます。

今回紹介する7秒しかけは叱った後に『○○さんならできるよ!』です。

『白潟さん、今回は叱るしかけなんですね?』
はい、そうなんです。叱り上手になるための7秒しかけです。

『私は叱るのが苦手なので、このしかけまだ早いかもです』
そうでしたか、失礼いたしました。

叱るのが苦手な方に提案したいのは「まずはルール違反から叱る」です。
例えば、無断で遅刻・欠勤した社員に

『無断遅刻は良くないです!次から気をつけて』

このくらいの叱りから始めてはどうですか?
『それならできそうです』

ぜひルール違反から叱ってください。
他に、次のような場合にも叱ります。

・会議に遅れた
・資料を納期内に提出しなかった
・指示を忘れた

こうやって、叱ることに段々なれてくると、ルール違反以外でも叱れるようになってきます。

ぜひ「まずはルール違反から叱る」実践してください。

普通に叱れる上司、叱るのが得意な上司お待たせしました。
メンバーを叱った後にフォローしていますか?

フォローしてる上司も、してない上司にもオススメしたい7秒しかけが
叱った後に『○○さんならできるよ!』なんです。

それでは、紹介していきます。


0 7秒しかけとは(1度読んだ方は読み飛ばしてください)

7秒しかけ」とはしかけ研究家白潟敏朗と白潟総研のコンサルティング経験・ノウハウをベースに、次に示す習慣化の4つの技術を活用し開発したしかけです。

① 小さな行動から始める
~ 小さすぎてばかばかしいと思う行動が習慣になる(小さな習慣) ~

小さい行動はすぐに生活に取り入れることができ、やがて自然と大きく成長していきます。小さいことから始めれば、時間的な負担を気にせず大きな変化への第1歩を踏み出すことができます。

『習慣超大全/BJ・フォッグ (ダイヤモンド社)』

② If thenプランニング(もしXだったらYをする)
~ 「◯◯した時に□□する」で実行率アップ ~ 

簡単にいうと「もし○○だったら△△する」と決めておくだけです。
人間の脳は『XならY』という文章を記憶しやすく、無意識にそれに従って行動できるようになるようです。発動タイミングを決めてしまう、これが習慣化のポイントです。

『やり抜く人の9つの習慣/H・ハルバーソン著(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』

【If-Thenプランニングの例】
・ 帰りに電車にのったら、明日見る動画の1行ゴールを書く
・ 行きの電車にのったら、ロジカルシンキング動画を1本見る
・ お風呂に入る前に、腕立て5回する
・ 先輩・上司に声をかけられたら、メモ帳を出す
できたら、自分を褒めましょう「よくできた!」

③ 20秒ルール
~ 始めるまでにかかる時間を20秒短くする ~
何かを始めるまでの手間を20秒短縮すると、20秒分の手間のかからなさが、頭によぎる「面倒くさい」を遠ざけ、「気がついたらやっていた」という達成感につながります。

20秒以内にすぐにやれるように準備することが大事!

④ マジックナンバー4
~ 週4回以上の実践で習慣化しやすい ~
習慣化の4つの技術に加え、最近流行りの行動経済学も活用しています。

特にナッジ理論「行動科学に基づいた小さなきっかけで人々の意思決定に影響を与え、行動変容を促す手法・戦略」を活かすことで、より簡単に実行できる工夫をしたしかけです。

具体的には1秒から7秒で実行でき小さな成功により少しだけ自信がつき、気がつけば習慣になっている、そのような効果のあるしかけです。7秒以内で実行できるので「7秒しかけ」と呼んでいます。

1 叱った後に『○○さんならできるよ!』とは

上司の皆さん、メンバーを叱るときに気をつけてることってありますか?

『はい、私は感情的に叱らないようにしています』
『私は人格を否定し叱らないようにしています』
『私はみんなの前で叱らないようにしています』

なるほど、3つとも大切な叱るポイントですね。

ただ、冒頭に紹介したルール違反時はみんなの前で叱った方がいいかもしれません。そうしないと次のようなリスクが発生します。

・ルール違反した社員に上司は何も言わないんだとみんなに思われ組織の規律が緩む
・ルールは守らなくてもいいと誤解される


まさか、チャットやメールで叱ったりしていませんよね。
チャットやメールで叱ると記録に残るのでなおさら良くないです。

叱るときは直接、口頭で叱りましょう。
詳細は7秒しかけ「返信メール・チャットでおこるな」を読んでください。

参考までに、次の画像で絶対やってはいけない叱り方10個を紹介します。
上司の皆さん気をつけましょう。

絶対やってはいけない叱り方の()の中に、叱るポイントも記載しています。この10個のポイントをおさえて叱りましょう。

加えて、叱るときには次の3つのおもいを込めて𠮟りましょう。

① 愛情をもって叱る
② 期待を込めて叱る(期待しすぎない)
③ 成長のために叱る

更に叱ったあとのフォローをすればほぼ完ぺきです。6つくらいのフォローがあります。

・いつも通りの会話をする
・励ます
・改善後にほめる
・チャット/メールする
・電話をする
・手紙を書く

今回、上司の皆さんに紹介したい7秒しかけは叱った後に「励ます」しかけです。「励ます」時に『○○さんならできるよ!』を活用してください。

こんな感じでやってみてください。

上司:『田中さん、今回の企画書できがよくないね!どうした?』
田中:『はぁ、申し訳ございません、自信がなかったのでそこそこで仕上げてしまいました』

上司:『そうか、田中さんらしくないね!

田中:『すみません』

上司:
『どのあたりが自信ないの?』
田中:『はい、・・・(説明を始める)・・・・』

(この後、上司からのコーチング)

上司:『これでどうだ?』
田中:『はい、なんかやれる気がしました』

上司:『それは良かった、田中さんならできるよ! よろしく頼みます!』
田中:『はい、かしこまりました、頑張ります』

いかがですか?
活用のイメージわきましたか?

実は、叱った直後に『○○さんならできるよ!』と言われると、「ゲイン効果」が働き、メンバーは自分が上司から認められたと感じてくれます。

ゲイン・ロス効果とは、一貫した評価を受けるよりも、途中で評価が逆転した方が、対人魅力に与える影響が大きいとする理論である。エリオット・アロンソンとダーウィン・リンダーによって発見された。

 被評価者が評価者に対して感じる対人魅力は、一貫して好意的評価を受けるよりも、初めのうちは否定的評価を受けていたのが後に好意的評価に転じた方が魅力を感じる(ゲイン効果)

 他方で、一貫して否定的評価を受けるよりも、初めのうちは好意的評価を受けていたのが後に否定的評価に転じた方が、魅力を感じにくい(ロス効果)。
 これら2つの効果を合わせ、ゲイン・ロス効果と呼ぶ

ウィキペディア(Wikipedia)
Aronson & Linderによる実験1965年

気にいってもらえたら、『○○さんならできるよ!』ぜひ活用してください。

2 アンカー(『○○さんならできるよ!』を思い出させるきっかけ)

きっかけがなくてもできる方は『○○さんならできるよ!』を実践してください。

実践するのに不安がある方は、人すなわち「メンバー」をきっかけにしましょう。

★ 〇〇さんを叱った!
⇒ その後に
○○さんならできるよ!とフォローする

さて、誰なら一番フォローしやすいですか?
全メンバーの中から次の条件にあてはまるメンバーを選んでください。

・ 人間関係ができている
・ 期待通りに仕事をしない/成果がでない
・ アドバイスを素直にきく

3 今すぐ準備しましょう

○○さんならできるよ!』を実践するには次の準備が必要です。
今すぐ準備しましょう!

① 週4回以上の実践状況のチェックシート作成
前述したマジックナンバー4(週4回以上の実践で習慣化しやすい)を実践する準備です。週4回は実践しないかもですが、準備の例を次に示します。

・ 「XXさんに『○○さんならできるよ!』」と4枚のふせんに書く
(実践したらふせんをすてる!)

・ 1枚のふせんに『○○さんならできるよ!』と4回のチェック欄を書く
(実践したらレチェックをいれる、4回チェックしたらすてる!)

② ①のチェックシートを手帳に貼る、またはパソコンに貼る

4 いつから実践しますか?

○○さんならできるよ!』いつから実践しますか?
実践したいと思った方は今ここで実践時期を決めましょう!

・ 今から
・ 明日から
・ 来週の月曜日から

決めた実践時期を手帳やカレンダーに書き込みましょう。
○○さんならできるよ!』実践と記入した付箋を手帳やパソコンに
貼ってもいいです。 

○○さんならできるよ!』の紹介は以上でおひらきです。
皆さんの叱る力UPを心から願っております。

実践したらX(Twitter)への投稿、またはNoteへコメントしてもらえたら嬉しいです!

今日も、「日刊7秒しかけ」を読んでくれてありがとうございます。

○○さんならできるよ!』の7秒しかけを気に入ってもらえたら、
日刊7秒しかけマガジン」のフォロー頂けると嬉しいです!

それでは、また明日!!


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