白樺の今とこれからの話③
こんにちは!信州白樺クラフト製作所です。
寒い日は−10度を下回り、暖かい日は10度を超える気温差が続き、3月の陽気の信州蓼科です。寒いのは身体に応えますが、空気が澄み渡っていて、真っ青な空に白樺の白肌が映えています^^
さて、前回の記事では白樺の生育や白樺高原の現状について書いたので、今回は白樺を活用するための環境づくりについて書いていこうと思います!
白樺が健全に育つための循環をつくる
白樺高原で暮らしている私たちにとって、白樺は一本の木であると同時に、重要な観光資源です。この景観を守り、白樺を絶やすことなく保全していくことは今後の観光業の発展にもつながっていきます。
そのために、白樺が健全に育つための上図のような循環サイクルをつくりたいと思っています。
言葉で表すほど簡単なことではなく、長い年月を要すると思いますが、当所だけではなく行政や地域のみなさん、そして他の事業者の方々と協働しながら、ゆくゆくは地域の文化として根付いていくと良いなと思っています。
私たちの取り組み
当所では、上に挙げた②有効利用・加工、③販売の一環として、樹皮を活用して白樺樹皮細工を製作しています。
白樺樹皮細工は日用品として使う「かご」や、ピアスなどの小物まで様々なものをつくることができます。
白樺の寿命は50〜60年ですが、樹皮にはベツリン酸という高栄養価の栄養素が含まれているため、樹皮だけはものすごく長持ちします。
それも10年、100年という長さではありません。なんと5000年も前の遺跡から白樺のかごが見つかっているのです。
1991年、イタリアとスイスの国境にあるエッツ渓谷(アルプス)の氷河に閉じ込められた遺体が発見されました。この5,500年前の新石器時代の旅行者(「エッツィ・ジ・アイスマン」として知られている)と共に見つかった所持品のいくつかは、これらの原始人にとっての白樺の木の重要性を鮮やかに示しました。 〜中略〜 彼はシナノキの木の内側の樹皮を使った繊維で縫合された2つの白樺樹皮カゴを持っていました
出典元/Plaited Basketry with Birch Barkより抜粋
白樺林とともに生きてきた北欧では、遥か昔から白樺の樹皮を活用して白樺樹皮細工をつくって生活しており、それが伝統文化として現代にも受け継がれています。
このような文化を日本でも、そして白樺高原でも根付かせていくことで、白樺林を永続的に残していく循環の一部を担えたらと思います。
つくり手が育つ環境づくり
もう一つ私たちがこだわっていることは、つくり手の育成と還元です。
この活動を継続し、伝統文化として受け継いでいくには、作品の一定量と質を保っていくことが必要です。今はまだ始まったばかりですが、まず第一歩として、講師による講習会や、週に一度の「編み会」で皆で練習をしています。
また、つくり手がやりがいを持って作業することができるように、商品が売れたら少額でもその一部を還元し、またつくる。その繰り返しでこの地域につくり手が増えていくことを願っています。
◇◇◇
ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。
これまで3回にわたって「白樺の今とこれからの話」と題して書かせていただきました。読んでみて、いかがでしたか?
白樺に改めて興味を持っていただいたり、白樺高原に遊びに行ってみたいと思ってくだされば嬉しいです^^
次号もぜひお楽しみに!
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