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03 そのイサキ、まっすぐやってきたから…

少し前のこと。その日の晩ごはんは、いつもお世話になっている「魚金」の地のイサキの塩焼き。
繊細でしっとりした身と軽くこげた皮も香ばしくて、「んーーー、うまい!」思わずうなってしまった。


イサキってこんなにおいしかったっけ?
伍浪と、このおいしさについて話した。

魚金の前を通ると、「いらっしゃ〜い」の声が響き、お客さんで賑わっていることが多いが、そうでない時も下ろした魚の内臓やアラを処分したり、店内を清潔に保つように水で洗っていたり、常に皆さんよく動いている。店頭に並ぶ魚は丁寧に扱われているのがうかがえるし、魚捌きは間近でじっくり見ていたいほど丁寧で美しい。シャッターが降りている時も店の前は整然として清々しい。いつも気持ちよく前を通らせていただいているし、楽しみに買い物をしている。

地の魚がいっぱい 魚金

魚たちが私たちの口に入るまでのルート:
湘南の海→漁師→卸売市場→魚金買付→店頭陳列販売(その場で下処理)→作る人食べる人

一方スーパーでは同じく神奈川県産イサキ(前々日に加工)が2尾399円という価格で販売していて、夕方にはさらに半額となっていたとか。
海→漁師→卸売市場→バイヤー買付→どこか集中加工場下処理・トレイにパック→各店舗に搬送搬入→陳列販売→レジ→作る人食べる人

素人が想像するだけでも我々の手元に届くまでこれだけ違う。それぞれに担当する人々がいて、スーパーではそれを管理する人など見えないところで関わっている人や機械が担う部分もあるでしょう。魚の扱いや処理の仕方、運搬することやかかる時間などがどれほど魚に影響しているかのデータはわからないけれど、私は圧倒的に魚金のシンプルさに惹かれてしまう。全てが魚そのものに関わっていて、まっすぐ見通しが良くて、必要なものしかない。

スーパーでの買い物は便利・安い。実際我が家もその恩恵を受けているが、その流通の裏側は相当複雑で魚=モノとして関わる多くの人々の手間と時間がかかっていて、いろいろが魚に載っかっているはずである。

価格だけを比較すれば、正規価格で1尾あたりその差100円弱。わたしの満足度の比較では両者は相当差がつくように思う。

さて今日の私は何を選んで、何を食べるか。
考えてしまうね。

休業日もキリっとすがすがしいたたずまい

〈花子〉

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