ドーナツと、阪大教授の温度差が面白い「ドーナツを穴だけ残して食べる方法」
「ドーナツを穴だけ残して食べる方法」についてずっと書いてみたくて…ようやく筆を取ります。2014年に大阪大学ショセキカプロジェクトから出版された本。
私は自分の中に言葉がポロポロ生まれる瞬間が好きで、これはそんな読書体験ができた本やった。
というのも…ドーナツという甘くて小さくてかわいいものについて、阪大の教授たちが、美学・哲学・工学・精神医学などそれぞれの研究分野から真剣に研究している。
それぞれのフィルターを通したドーナツの考え方とか、教授たちが普段向き合っている研究や、見ている世界を垣間見ることができて面白い本です。
最近、アート思考(=固定観念じゃなくて自分の思考や感情から新たな課題を見つけていく思考法…自分の見方でものを見ていいんだよ~っていうこと)についてはよく耳にするなかで、これもアート思考ということなんかなと思った本でした。
それぞれの章で、教授はまず「ドーナツ」というお題を出されるところから始まるのだけど、意外なお題から、教授たちが研究するまで前向きになるまでの過程も笑えるし、チャーミングなんだよね。
研究する意義をそれぞれ見出してもらったらようやく研究や解釈が始まるわけだけど、
例えば、ドーナツの穴を「内側」とするなら、小麦粉でできてる「外側」(外側というかドーナツはドーナツだと思うんやけど)だけ食べることでドーナツは無くなったと言えるのか?と考える教授がいたり、
面白かったのは、美学の視点でドーナツを「家」に例える教授がいた。家だと見立てると、ドーナツを食べ終わっても空間(真ん中のこと・・らしい)が残っていて、場所としてのドーナツはなくならない、という。
その中の空間は、思い出とか匂いとか懐かしさのような3次元空間だったりするという結論が、
ガリレオの湯川教授だったら
と言うやろうか。
私がビレバンの店員だったらこんなPOPを作るかもっ
よかったら読んでみて!
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