善悪は見方次第?|今日の絵本「すてきな3にんぐみ」
私と娘が利用している図書館は、比較的新しい本を推している…ような気がする。
ロングセラーの絵本でも開架に並んでおらず、検索してみると書庫に格納されていたということがよくある。
そんな中で1969年刊行でありながら、2冊が開架に並んでいたこの本の存在が気になっていた。
私が子供の時からあったな~
今日の絵本
すてきな3にんぐみ
あらすじ
読んでみて&小2娘は…
ティファニーちゃんにお宝を「これ、どうするの?」と聞かれた3人組は、今まで盗んだお宝で立派なお城を買い、捨て子や孤児を引き取って育てることにする。
捨て子や孤児たちは(書かれていないけど)3人組にたくさん大切にされて育ったのだろう。大人になり結婚してお城の周りに家を建て、やがてたくさんの家が連なる村となる。
そこには、いつまでも3人組のことを忘れないように、3人組を模した高い塔が建てられる。
…というラストである。
娘の感想は
「お金を盗んだところが変だと思った」
だった。
私は「まぁいろいろあったけど最後はハッピーエンド」と、この絵本を捉えていたので、そこが気になるのか…と新鮮な気持ちで感想を聞いた。
確かに、捨て子や孤児を引き取って育てるという行いは善だけど、お金を盗むという行為は悪だ。
今まで散々悪い事をしてきたのに、最後に行った善だけが美談のように語られるのは、映画版ジャイアンのようでもある。物語の良い部分だけを見ていたが、これは私が思うようなハッピーエンドの話ではなかったのか、と思った。
次に、
一見善のように見えても、その裏にはなにがあるかわからないものだよな、と思い
その次には完璧な善など存在しないのではないか…と思った。
それから、
突然襲われお金を奪われた側からすれば、3人組は永遠の悪で、善悪なんて見る方向によって変わるのだな…と思った。
…
あれ?
子供用のハッピーエンドの絵本かと思いきや、もっと深い絵本だったのかもしれないと、今絵本の3人組の瞳を見つめながらこのnoteを書いている。
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