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<美文字ノ素>書写ト書道ノ授業③

さてここまでで、文字というのは「自分が読めること」が最低&最大条件であり、文字の機能を生かすためには「他人が読めること」が大切ということはわかってきました。
でも、それだけでは書写における子どもたちの「なぜ丁寧に(上手に)書くのか?」という質問への回答としてはまだ不十分な気がします。「自分が読める」「他人が読める」という範疇では、文字として認識できるレベルの形状さえ維持していればいいのだから。それにしては書写の目指す字形はハイレベル!読めるだけじゃなく「丁寧にただしく書く勉強をする」わけです。
この理由として芸術としての書道の面から考えてみたいと思います。

国語科書写ト芸術科書道

「筆、鉛筆、万年筆やボールペンといった筆記用具で文字を書く」という、もっとも特徴的な部分が同じなのでその違いが曖昧になりがちな「書写」と「書道」。まず、混同されやすいこの2つについて整理しておきたいと思います。

そもそも書写とは、

学校教育においては「文字を正しく整えて書くこと」が目的であり、毛筆は「硬筆による書写の能力の基礎を養うよう指導」し、硬筆は「毛筆との関連を図りながら,特に取り上げて指導するよう配慮すること」とされている。

文字を整えて書くのが書写で、文字を書くときの姿勢、筆記具の持ち方、文字を速く書けるようになることなどが書写の授業です。

一方、書道とは、

書道(しょどう)または書(しょ)とは、書くことで文字の美しさを表そうとする東洋の造形芸術である。

文字の美しさを表すのが書道。
でも美しさといってもこれはいわゆる「美文字」ではなさそうだ!なんせ芸術なのだから!

ここを簡単に流してはいけません。
素朴な疑問、、、、

「じゃあ、芸術ってなんなの?」


では問題です!

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どちらが芸術(アート)でしょう?


これを小学校の授業で
文字や「書写」と「書道」の辞書的な説明をしたあとに聞くと、
ほとんどの子が、「左!!」と元気に答えてくれます!

「なんてかいてるかわからんけどアートっぽい!」

そんな感じです。
そう、人はなんだかよくわからないもの、説明がつかないもの、自分の想定外のものに対して芸術(アート)と判断しがちです。
「なんかピカソっぽい」
みたいな感じで、、、笑

でも実はこの作品、
右は、私がいたって真面目に書いたもの<橘>、
左は、息子(当時2歳)が筆を掴んで自由に書いたもの<?>に、私が記念に落款(名前)をいれたものです笑

深まる謎、、、、
「芸術って何?書道って何???」

芸術とは、、、

表現者あるいは表現物と、鑑賞者が相互に作用し合うことなどで、精神的・感覚的な変動を得ようとする活動。。文芸(言語芸術)、美術(造形芸術)、音楽(音響芸術)、演劇・映画(総合芸術)などを指す。

このことを噛み砕いて
書道あてはめて考えてた結果、

書道芸術とは「書く人・書いた作品」と、「見る人・読む人」がいて、その二者がお互いに刺激しあって、感動したり、嬉しかったり、楽しかったり、泣いたり、怒ったり、嫌な気持ちになったりすることであって、それがお互いに共感できたら、とっても素敵!!

という意味と、私は解釈しています。

また、書道は「文字」という素材をあつかっているので、それはそれで意味をなしていて(文芸「言語芸術」)、そこにさらに造形の美しさなどの表現(美術「造形芸術」)を加えるという総合芸術ということもできるのではないでしょうか。


さて次回は芸術としての書道。
「書く人・書いた作品」と、「見る人・読む人」がいて、その二者がお互いに刺激しあって、感動したり、嬉しかったり、楽しかったり、泣いたり、怒ったり、嫌な気持ちになったり、、、でもそれがお互いに共感できたら、とっても素敵!!
について簡単解説してみたいと思います。
昨今のアニメより長いタイトル笑

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