塩見直紀の試行100(014)「未来の問題集」
半農半X研究所の塩見直紀がこれまでおこなってきた100個(本、ワークブック、ワークショップ、ツーリズム、コンセプトなど)を紹介しています。
2015年、京都府綾部市の地域資源から新しいアイデアを生み出すための問いかけを掲載した「ローカルビジネスのつくり方問題集」(綾部ローカルビジネスデザイン研究所編、2015)を編みました。綾部だったら、合気道の発祥地なので、「Q.合気道を活かしたまちづくりをするなら、あなたなら何をする?」って感じの問いを20問ほど載せた書き込み式のワークブックです。若い世代から年配の方まで、いろいろアイデア出しをするまちにしたい。そんなことを願って生み出したものです。
こうした本をつくるようになってから考えるようになったのは、私たちは「過去問」はいっぱいやってきたけど、「未来」に対して、ぜんぜんチャレンジしていないのでは、ということでした。「過去問」という強烈な言葉があるけど、未来のそれにはまだネーミングがされていない。私のなかで浮かんできたのが、「未来の問題集」ということばでした。
2016年、故郷・綾部市のお隣の町、福知山市に「福知山公立大学」(地域経営学部)が開学。特任教員として、2021年3月までの5年間、お世話になるのですが、めざしたことの1つが全国から集う学生の故郷の「未来の問題集」の各市町村編づくりを推進することでした。
中高生など、若い世代に話す機会があれば、こういいます。「過去問」もいいけど、「未来の問題集」もやろうよ、つくろうよ、と。笑
未来の問題集づくりは私の残りの人生でも加速しておこなっていきたいことで、海外でもつくれたらと思っています。
写真は和歌山県紀の川市主催の「紀の川市まちづくり人材育成塾~フルーツ・ライフ・スクール」の2期生(2019年度)のみなさんとつくった「地域資源から新しいアイデアを生み出す問題集【紀の川市編】」(2020、紀の川市役所発行)です。2020年度はパンデミックで塾は中止となったのですが、2021年夏はオンラインとなり、私は山口県下関市から登壇させていただく予定です(7月31日~9月4日の計4回開催)。「未来の問題集」が学校教育で、地域の生涯学習で、若い世代のなりわいづくり等で活かされたらうれしいです。