令和の虎567人目 ポールダンス教室を盛り上げ老若男女が楽しめるエクササイズにしたい レポート
1.動画概要
ポールダンススタジオオーナー・川本 智恵美(33)による「ポールダンス=エロなイメージはもう時代遅れ!新しいエクササイズとして普及していきたい」 希望金額100万中、130万円でEXCEED。
・今回の虎
平出心(プロ競馬予想屋 『予想屋マスター』)
山澤礼明(株式会社FIT PLACE 代表取締役社長 株式会社REYS代表取締役社長)
小林真之(ShowDownGroup株式会社 代表取締役CEO)
稲葉信(株式会社ネルプ 代表取締役)
井口智明(株式会社ディアローグホールディングス 代表取締役)
・司会
バン仲村(YouTuber 経営者 ケンカバトルロワイアル代表)
2.動画考察
・志願者の経歴から見るポテンシャル
志願者は、高等学校を卒業後に地元の印刷会社に1年間勤務したのち、3年間のフリーター生活を経て22歳で上京した。
上京後、DJ活動と並行してポールダンスを始め、韓国で開催された大会で海外選手枠アマチュア部門で準優勝を果たしている。その後、ポールダンスのインストラクターとして1年半勤務、自身のスタジオを開業し、現在に至る。
・志願内容と、その評価
本プランは「ポールダンスを世の中に広めたい」という内容で、希望出資形態は融資、希望金額は100万円。資金は、50万円をSNSでの有料広告費用、30万円を看板制作費用、20万円をイベントの出店費用にあてる。
ポールダンスとは、垂直のポールを使ったダンスやアクロバットを特徴とするパフォーマンス。かつてはナイトクラブやストリップ劇場などの演目で用いられたため性的なイメージが強まったが、現在ではフィットネスやスポーツ、芸術として認識されつつある。
志願者は、ポールダンスの魅力を年齢や性別を問わず幅広い層に広めたいと考えている。現在、スタジオではリピーターが少ないという課題があるが、これを改善しながら、20~40代の女性を主なターゲットとしつつ、親子連れや子どもなど多様な層に参加を広げることを目指している。また「令和の虎」への出演を通じて宣伝効果を期待していることも率直に述べている。
ポールダンスの実演では、志願者の高い技術が披露され、場を大いに盛り上げた。山澤氏もポールダンスに挑戦し見事な動きを披露、小林氏は最初は失敗したものの、10万円を積んで再挑戦し、スピンを成功させた。この展開により、場の雰囲気が一層盛り上がり、虎たちからも喝采が送られた。井口氏は「これまでの実演の中でトップクラスで楽しかった」と評価し、ポールダンスのエンターテインメント性が十分に伝わった。
ポールダンスはニッチなジャンルであり、一般的に敷居が高いと虎たちに認識されていた。志願者のスタジオでは新規客が月に2件程度と少なく、リピート率の低さも課題となっている。さらに、平出氏が調べたところ、全国でのポールダンス人口が約1万人と限られており、需要の少なさが議論の焦点となった。
本プランの評価は、需要が限られた市場において現状の取り組みでは十分な成果が見込めず、改善の余地が大きいとの結論に至った。具体的には、ポールダンスをジムの中心に据えるのではなく、ピラティスなどの流行しているエクササイズと組み合わせることで集客を効率化し、段階的な普及を目指すアプローチが必要とされた。また、SNS広告は効果が限定的であるとして重視されず、志願者が行っているイベント出演や実演をさらに強化し、ポールダンスのエンターテインメント性を活かして一般層への認知拡大を優先することが提案された。
・志願者の人間性
ディスカッションの間、志願者は終始明るい態度で臨み、積極的に受け答えを行っていた。その姿勢からは、ある種の親しみやすさや愛嬌が感じられた。
志願者がポールダンスを始めたきっかけはダイエットであり、運動量の多さや体幹を使う動きに魅力を感じている。「楽しいことを共有したい」という思いを原動力に店舗を開業し、現在は指導の幅を広げるためにエアリアルのレッスンにも通い、新たなスキルの習得に励んでいる。また「結婚がゴールではない」という価値観を発信し、女性が自身の選択を自由にできる社会を目指したいという思いも強く持っている。
しかし経営者としての側面で見ると、計画性や市場の把握といった視点が不足している点が見受けられる。たとえば、ポールダンス人口について具体的なデータを把握しておらず、スタジオの料金体系についてもサブスクリプションモデルを理解していない場面があった。また、ターゲット層について問われた際に「楽しんでやりたい」と抽象的に答えるなど、物事を深く分析し具体的に説明する力が十分ではない。
これらの言動から、志願者は情熱的で行動力があり、自身の信念に基づいて積極的に行動する人物であることが伺える。一方で、その行動は直感に頼ることが多く、物事を体系的に整理したり、計画的に進める力が不足しているように見受けられる。言葉で詳細に説明することは得意ではないが、行動を通じて自分の思いや価値観を表現しようとするタイプであると考えられる。
・出資する意義、メリット
ポールダンスの需要は小さく、収益性の観点からメリットは少ない。しかし、融資額が100万円と低額であり、志願者のポジティブな姿勢や好きなことに対する情熱的な取り組みは高評価を得ていたため、この人間性と行動力に期待を持つ余地があると考えられる。
3.まとめ
本プランでは、ポールダンスそのものの需要が少なく、志願者の現在の取り組みには不足が多いと評価された。小林氏、稲葉氏、井口氏は志願者を応援する意図でそれぞれ10万円を提示。山澤氏はポールダンスのエンターテインメント性を評価し、応援の意味も込めて100万円を提示した。結果として、EXCEEDの権利を得た志願者は山澤氏から全額を受け取り、完全ALLが成立した。
ポールダンスの実演で示された高いエンターテインメント性と、志願者の明るく積極的な態度が印象的であった。特に、虎を巻き込んだ場を盛り上げや、笑顔での受け答えが、応援したくなる人間性として評価されていたように思える。今回の放送では、投資額が小さい場合、志願者の魅力や行動力が重視する虎がいることを表している。