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「朝のリレー」のことめっちゃ考える人生。

朝焼けの散歩
愛媛の主婦がイヌのさんぽをしているとき


カムチャツカの若者が きりんの夢を見ているとき
メキシコの娘は 朝もやの中でバスを待っている

ニューヨークの少女が ほほえみながら寝がえりをうつとき
ローマの少年は 柱頭を染める朝陽にウィンクする

この地球では
いつもどこかで朝がはじまっている

ぼくらは朝をリレーするのだ

経度から経度へと
そうしていわば交替で地球を守る

眠る前のひととき耳をすますと
どこか遠くで目覚まし時計のベルが鳴ってる

それはあなたの送った朝を
誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ

朝のリレー 谷川俊太郎

だって。しびれますよね。

前にもチラッと書いたことあるけど
わたしこの詩が一生あたまにこびりついちゃって。

牛乳配達してた中学生時代にはじまり、
中年の今でも、朝らしい朝の空を見るたびについつい
カムチャツカの若者が〜
って言いたくなっちゃう。

(牛乳配達時代は配達おわって家の近所の時計を見上げたところで「柱頭を染める朝陽にウィンクする」がよぎってた。)

そもそもどこでこの詩を知ったんだろうと思い起こしてみたところ、たぶんこのCMで知ったっぽい。

余談ですがわたし小さいころ「サグラダファミリア作る職人になりたい」って言ってたのもネスカフェのCMが元だしネスカフェに洗脳されがちなんだね。
気をつけよ。


それで、朝のリレーだけど、
好きと言いつつ完璧に暗唱できるわけじゃない。

あたまの中で唱えるときは勝手にその日の自分のアレンジ加えちゃったりする。
ごめんなさい。

でもこの詩を聞いてはじめて腹落ちした
“こんなド田舎に住んでいるこどもの自分がじつは広い世界と密につながっているという感覚と、
“自分が眠るときどっかのだれかは目覚める”という時差の概念
いまだに新鮮に
あああああーそっかあああ〜!わかった。
ってなる。だから好き。

あと、唱えたとたんはるか遠くに意識を飛ばせる感じも好き。

とりあえずカムチャツカって言いたくなるところも好き。

そんな朝のリレーの作者、谷川俊太郎先生がお亡くなりになったそうです。

ニュースを見て
そっか。いのちもリレーなんだ。て
宇宙にいけそうなくらい壮大なきもちで思いました。

経度から経度へ
時代から時代へ

広がり続けるってわかった大きな世界をわたしに
ありがとうございました。

愛南町の川から見る朝の風景
愛南町の朝

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