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書評:ソポクレス『オイディプス王』
数多の哲学的考察につながる悲劇作品の原点
今回ご紹介するのは、古代ギリシア悲劇の最高傑作と名高い、ソポクレス『オイディプス王』。
正直その悲劇性に絶句以外の感想が浮かばない作品であった。
まずは概要から。
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主人公オイディプスは、スフィンクスの謎を解き明かしたことでテバイの王となった。また自身の妻には、先代の王妃であった未亡人の女性を娶る。
オイディプスが王となって以降次々と厄災が起こるようになったため、オイディプスは厄災を解決する為に先代の王を殺した犯人を捜すことになる。
しかしなんとその犯人とは、オイディプス自身であったことが明らかとなるのであった。つまりオイディプスは、父を殺し、実母を娶り、実母と交わっていたのだ。
オイディプスは狂乱の末自らの両眼をえぐり、放浪の旅へと出て行く・・。
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以下、初読の際のシンプルな感想。
悲劇過ぎだろ!
趣味悪いわ!
あぁもう絶句絶句!Beyond Descriptionの世界〜!
紀元前の人間は何故にこんな物語を生み出せてしまえたのか?
怪作過ぎてちょっと引くわ〜!
怪作と言えば、例えばカニバリズムを題材とした武田泰淳の『ひかりごけ』なども「うぬぅ」と唸ってしまうものがあるが、この作品はその比ではなかった。
とまあ、愚にも付かない感想で申し訳ない。
最後に少々雑談でも。
本作を読んだのは20代半ばくらいの頃で、たまたま仕事でフィリピンのマニラに40日間だけ滞在していた時のことだった。
※↑毎回ではないが、こうして「いつどういう時に読んだか」を覚えているような本が時折ある。
基本詰め込みの出張で休みなどほとんどなかったのだが、2,3日あった休みを私はコンドミニアムの部屋でのんびり読書に当ててしまい、こんな怪作と向き合ってしまった。
そのせいか、私の中では本作とマニラが間違えてリンクしてしまい、早押し問題で「マニラ・・」と聞こえたら最速でボタンを押して「オイディプス王!」と答え、ブッブーと「ボッシュート」される(←ボッシュートは早押しクイズの番組ではないけども)、そんな妄想が実現しかけ五秒前くらいでずっとスタンバっている感じだ(←実際にそんな経験したことはもちろんないが)。
読了難易度:★★☆☆☆(←短編ですがグロ笑)
エディプス・コンプレックスはどうもしっくりこない度:★★★☆☆
なるべく「いつどこで読んだか」とリンクしないよう「いつもの場所でいつも通りに」読むべき度:★★★★★
トータルオススメ度:★★☆☆☆(←主観が出ている)
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