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インナーユニットを機能させるメリットは?

普段ピラティスのセッションを行なっていると、  

・反動をつけないと動けない                                                              ・roll-up,down系のエクササイズが苦手                                                      ・上肢に力が入りやすい                                                                                         ・頸部に力が入りやすい                                                                                    ・腰椎の過伸展がみられる

一人一人様々な身体の使い方の方がいらっしゃいます。                                       それら特徴的な使い方をされる方々の共通点が、インナーユニットの使い方に伸び代があるということと考えています。                                        インナーユニットは教科書的にも学術的にも重要視されることが多いと思いますが、今回はインナーユニットを使えることで、身体にどういったメリットがあるのか自分なりの視点を踏まえてお伝えできればと思います。

【インナーユニットのおさらい】

①解剖

1)腹横筋

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2)多裂筋

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3)横隔膜

インナーマッスル-2

4)骨盤底筋群

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②作用

上記4つの筋群が働くことで得られる最大のメリットは腹腔内圧のコントロールが効率よくできるようになることであると考えています。

【腹腔内圧とは?】    

身体の内側から圧が加わることで身体を長軸方向(写真右側)に伸ばしてくれる働きを持っています。この腹圧をコントロールできることで動作の様々な場面で身体に負担がない良いパフォーマンスを行えると言われています。

インナーマッスル-5

【理想的な腹圧コントロールとは】

インナーマッスル-3

腹圧コントロールには2種類の方法があると考えています。   

①アウターマッスルを使った腹圧コントロール ②インナーユニットを使った腹圧コントロール

前者は重いものを持った時や踏ん張るような動作をしたときに優位に働くべき方法であると考えています。この方法では脊柱や骨盤などは固めるように使うため、より関節が安定し身体がより強固に重い負荷に耐えられる反面、動きづらさというデメリットがあると考えられます。                                                              逆に後者では横隔膜を中心とした筋群による腹圧コントロールとなるため呼吸に伴い、常に体内で腹圧が適度に加わる状態が作れると考えられます。この方法でのポイントは吸気においても腹圧が高まるということです。                 具体的には、ボディワークやトレーニングをしていると一般的には呼気の際に腹圧をかけて「ふぅぅぅぅう〜〜〜」と力強く圧をかける使い方があるかと思いますが、この使い方は前者の使い方となり、呼吸様式を変えずにエクササイズを行いながらする呼吸を後者の腹圧コントロールであると考えております。 

それぞれのメリット•デメリットを表にしてみます。

プレゼンテーション1

どちらにもメリット・デメリットはありますが、大事なことはどちらかに偏らないことであると考えています。

【腹圧コントロール不良について】

腹圧がコントロールできている状態を、関節を固定しすぎないで腹圧を高めると定義し考えてみます。                                               アウターが働くことで腹圧が高まりますが、腹直筋や脊柱起立筋が働くことで脊柱の動きが阻害されてしまい、関節運動が起こりづらい状態となります。    

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このように腹圧は高められるけど、動きにつながらないパターンは往々にして見られることがあります。 逆にインナーユニットを使用して腹圧を高めることは関節を固定するだけでなく、上下肢・体幹を自由に動かせると考えています。  ピラティスで代表的なロールアップ・ダウンが行えない方などは、インナーユニットの使い方にヒントが隠れているかもしれません。

【腹圧をコントロールできることのメリットは?】 

これまで腹圧コントロールについて記載しましたが、重要なことは腹圧コントロールができて 「何に繋がるの?」 ということだと思います。私が考える腹圧コントロールを行えるようになる利点は、それぞれの関節や筋が適切に働けるようになることであると思います。                                                                    具体的にはアウターである腹直筋や大腿四頭筋が腹圧をコントロールするために働かない(骨盤後傾時に大腿四頭筋の過緊張・呼気時に腹直筋の過緊張)ことだと考えています。そのためにもまずはインナーユニットを働かせ、効率良くアウターマッスルを使える環境にしておくことが大事ではないかと考えています。

【まとめ】

最後に本日のまとめです。                                                               長文が苦手な方はこの部分だけでもお読みいただけますと幸いです。      

腹圧コントロールにはインナーもアウターも重要だが、まずはインナーを使用し腹圧コントロールをできるようになることが効率の良い運動の第一歩になるのではないかと考えております。

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