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普通学校か特別支援学校か

嬉しい就学?


5歳になり、来年度には小学校に入学する。
ランドセルは何色にしようか?
友達はできるかな?
どんな勉強をするの?
期待と不安でドキドキするのは、親も同じだ。

しかし、中には不安ばかりを募らせる家庭もある。

その一つが医療的ケア児の家庭だ。

医療的ケア児とは、恒常的に医療的ケアが必要な子どもで、人工呼吸器、酸素療法、経管栄養などを必要とする。
医療的ケア児は子どもによってケアの種類も数も異なる。

そんな医療的ケア児を持つ親にとって、子どもの就学には大きな壁が2つある。

それは、理解の壁と制度の壁だ。

理解の壁


ここで言う理解の壁は、2種類ある。
1つ目は、自分の子どもに対する理解の壁。
2つ目は、親の考え方への理解の壁。

子どもに対する理解の壁

そもそも医療的ケアとはどういったものなのか?医療的ケア児を見たことがないので、よくわからない。
医療的ケア児についてのニュースが増えたとはいえ、まだまだ実態を知らない人は多いだろう。

医療的ケア児は、医療的ケアそのものの困難だけでなく、何らかの機能障害(例えば、脳性麻痺により寝たきり)や生まれた直後からNICU(新生児特定集中治療室)に入院し、病院にいる期間が長くなり、様々な発達が遅れるなど、医療的ケア以外にも生きていく上での困難が多い。

就学にあたっては、医療的ケアのある子どもを理解して欲しいのは教育委員会だ。
なぜなら、就学先を決定するのは自治体の教育委員会だからだ。

自治体によって多少違いはあれど、子どもの就学について何らかの相談がある場合には、就学相談を受けることができる。
この就学に関する担当者が、医療的ケア児についてよくわかっていない場合がある。
つまり、医療的ケア児のことをよくわからない担当者が医療的ケア児の就学について相談にのることがあるのだ。
そして、私の知る限りでは、そういったケースがほとんどである。
「相談」になっているのか疑問で、親としてはさらに不安になるだろう。

ただ、こういった担当者を責めるのはやめてほしい。
教育委員会に配属されるのは基本的に公立の教員だが、教育しかしてこなかった人が次の日から役所仕事をするのだ。
また、教育委員会で働くことを知らされるのは直前になるケースもある。
何にしろ、責めるとすれば仕組みや制度だろうと思う。

親の考え方の理解の壁

こちらは、考え方によっては何の問題もなく就学は進められていく。
具体的には、医療的ケア児を特別支援学校に通わせる選択肢をした場合だ。
現在の学校は、特別支援学校にだけ受け入れ体制が整っている。
教育委員会としても、より安全が確保されるのは特別支援学校だから、特に問題はないわけだ。
ところが、普通学校、もしくは普通学校の特別支援学級を希望する場合は、理解を得られないことがある。
「医療的ケア児は、医療的ケアだけでなく様々な困難を抱えている」にも関わらず、環境の整っていない方をあえて選ぶのは子どもがかわいそうなのでは?ということだ。
まさにその通りで、現状では、特別支援学校にしか医療的ケア児を受け入れられる環境が整っていないのである。
(特別支援学校も「十分に整っているか」は別の機会にしようと思う)

では、なぜ医療的ケアがあるにも関わらず、普通学校を希望する親がいるのか。

次回、このことについて述べようと思う。



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