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短歌日記

 夕立ちが感情を崩した心のように降り出してきた。信号は明滅し、田舎の夜は早くも暮れようとしていた。
 黒揚羽を、今年初めて見たと、病院帰りの妹が言う。疲れているのだ、そっとしておこう。
 母の病気は年毎に穏やかなものに変わっていった、父も似たりよったりだ。明日は洗濯をしよう。自らの息を押し殺しながら。

黒揚羽きみは飛んでゆく火の方へ悲しい手帳を揺らして燃えて

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