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あだ名。
こんにちは、今日もお疲れ様です。結城りんねです。
あだ名。みなさんお持ちでしょうか。
生まれてこのかた一度もあだ名なんかつけられたことがない!という人もいれば、コミュニティごとにいろんな愛称で呼ばれてますって人もいるかも。
かくいう僕もこの20数年間でいろんなあだ名をつけられてきました。
もちろん中には、明らかに悪意を含んだものもいくつかあった気がしますが、純粋にリスペクトと親しみが込められたものであればそれほど悪い気もしないものです。
今日はその中で最も印象深いものをひとつ、特別に、こっそり、ご紹介したいと思います。
じゃあもうさっそくいっちゃいましょうかね。
そのあだ名は、、、
「2厘」
もう一度いきます。「2厘」です。
どうですか?なかなか悪くない響きでしょう。
ではこのあだ名が僕に与えられるに至った経緯を特別に説明していきます。
それは僕が中学生のときのこと。
昼休みにはグラウンドに出てみんなでサッカーをするのが日課でした。
当時は意外にも健康的な少年だった僕は、ゴール前で意欲的にボールを受け、何本もシュートを放っていました。
しかし僕が想いを乗せて蹴り出したボールは僕の意思とは裏腹に枠外、あるいはキーパーの正面へと吸い込まれていくのでした。
そんなある日、ゴール前で僕にパスを出すクラスメートの1人にこう言われます。
「お前のシュートは2厘しか決まらねーのかよ!」
2厘、、、。もちろん0割0分2厘です。
その時のことは今でも覚えています。
なんといっても2厘。この響きが持つインパクト。
それに冷静に数字として考えたときのその低さ。
パリーグのピッチャーでももう少し打つでしょう。
そして咄嗟にその値を選択できるクラスメートのセンス。
反論する気も起きず、むしろ感心までしてしまったのです。
そういうわけで、その日から僕は2厘と呼ばれるようになりました。
間違いなく蔑称なんだけど、おもろくて許しちゃうというか。
それに前評判が2厘となることで少し気が楽になるというのもあり。
そんな僕なんですが、そこまでシュートの精度が悪いことが周知されても、なぜかゴール前でボールを受け続けることになります。
自慢じゃないですが、我ながらフィールドでの位置取りがとんでもなく上手かったんだと思います。
ここしかないみたいなところに絶対2厘がいる。
で、クラスメートも「あいつめっちゃいいとこおるけど2厘やんけ、、、。」「2厘のくせにめっちゃいいとこおるやんけ、、、。」で不本意ながら僕にボールを出すことになってたんだと思います。
本当に泣く泣くといった様子で。
だって9割9分8厘外すんですから。オッズはとんでもないはずです。僕にフィニッシュを託すなど生粋のギャンブラーと言わざるを得ません。
気が進まないながらもクラスメートは僕が起こす奇跡を信じます。
しかしそんな祈りも虚しく。
ポジショニングはバロンドールなのに、いかんせん足技があまりにもひどい。
僕の左足から放たれるボールはあまり美しいとは言えない放物線を描いて枠外へと。
その瞬間、「おい2厘!」と叫び声がグラウンドに響き渡り、僕はそれを背中越しに浴びるのでした。
そんな僕、2厘の名付け親は今も元気にしているでしょうか。
口は多少悪かったけど、思ったことを何でも正直に言っちゃう憎めないやつでした。
機会があればまた、ゴール前で彼からボールを受けて、盛大にシュートを外したいなと思ってるんだけど。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
当時の僕のシュート成功率。実際のところどうだったんだろうとたまに考えます。さすがにもうちょい決めてるだろうと思うけど、万が一、2厘を切ってたら立ち直れないのではっきりさせなくてよかったなと思う。
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